逆関数とは?逆関数の求め方と逆関数の微分を基本から解説

数学 2019.1.16

逆関数は高校数学では主に数学Ⅲで扱います。
数学だけでなく工学で非常に重要な概念ですが、逆関数を主題にする問題は意外と少ないものです。
とはいえ、逆関数を求めよと言われて「逆関数ってなんだっけ」となっているようでは、話になりません。
この記事では、逆関数についてまとめます。

1.関数とは

この記事をご覧になっている方は、数学を何年も学習してきた方がほとんどだと思います。
その中で、「関数」という単語をよく耳にしたでしょうし、使ってきたのではないでしょうか。
「1次関数」「2次関数」「三角関数」「指数関数」「対数関数」など、多くの関数を学習してきたと思います。
何気なく使っている「関数」という単語ですが、実はしっかりとした定義があります。

意外と重要な定義ですので、数学をしっかり教えてくれる先生なら、数学Ⅰで教えてくれたはずです。
例えば、1次関数は直線だと言われますが、「1次関数」と「直線の方程式」は厳密には違うものです。
放物線は2次関数で表されますが、「2次関数」と「放物線の方程式」も表すことができる図形が異なります。
数学Ⅲの2次曲線を習った方なら、もうおわかりでしょうか。

【関数の定義】

xの値を定めると、それに応じてyの値がただ1つに定まるとき、yはxの関数であるという。一般にyがxの関数であることを

y=f(x)

という記号で表し、この関数にx = a を代入した値を

y=f(a)

で表し、関数の値という。

 

1次関数は一般的に

y=ax+b

で表されます。aは傾きで、bはy切片ですね。

しかし、この1次関数はxy平面上のすべての直線を表すことは出来ません。
どのような直線が表せないか、わかりますか。

結論から言えば、「y軸に平行な直線(x軸に垂直な直線)」を表すことができません。
例えば

x=2

などです。

関数の定義から見ても、この x=2 が「yがxの関数である」と言えないことがわかります。
普通の1次関数として

y=2x+3

を考えれば、xの値が決まればyの値がただ一つに決まります。例えばx = 3 を代入すれば、yの値は 9 というただ一つに値に決まります。
ですが、

x=2

という直線の方程式は、そもそもx = 3 という値をとれませんし、x = 2 という値が決まっても、yの値はただ1つに決まりません。


ですので、x = 2 は直線の方程式ではありますが、yがxの関数であるとは言えません。
ただし、

y=2

は、yがxの関数であると言えます。xの値が決まればyがただ一つの2という値に決まるからです。


1次関数ではなく、一般的に直線の方程式を表したいときには

ax+by+c=0



を使いましょう。関数であることがわかっているなら

y=ax+b



を使った方が、求めなければならない変数が一つ減りますので、こちらを使いましょう。

「円の方程式」を習ったでしょうか。
「円関数」という言い方はしなかったと思います。
これもこれまでのお話で、理由が分かったと思います。
円の方程式をグラフに書くと、xの値がただ一つに決まっても、yの値がただ一つに決まりません。
ですので、円関数と言わずに「円の方程式」というのです。
円は関数ではありません。

2.逆関数とは

関数は大学の数学では写像と呼ばれるものの一種であり、それにたいして逆写像と呼ばれるものがあります。
大学以上の数学では関数は写像としてとらえ、厳密な定義を行いますので、逆関数の数学上の厳密な定義を知るには、大学で集合論を学ぶ必要があります。

【逆関数とは】

関数 y=f(x) について、yの値域に含まれる任意の値bに対して、

b=f(a)

となるようなxの値 a がただ一つに決まるとき、x は y の関数であると言える。
このときのyをxに対応させるような関数を

y=f-1 (x)

 

と表し、関数 y=f(x) の逆関数という。

集合論を扱う記号を使えば、もっと簡単に逆関数を表すことができるのですが、高校範囲で扱おうと思えば、どうしても日本語がややこしくなってしまいます。

順番に説明していきます。
まず、逆関数を定義するためには、元となる関数 y=f(x) が必要です。
このとき、関数 y=f(x) が定義できているので、「xの値が決まればyはただ一つに決まる」ことが言えます。
ここで、逆関数はxとyの対応関係を逆にする関数です
関数ですので、「ただ一つに決まる」という条件を満たさなければ、逆関数を定義できません。
ですので、逆関数が存在するためには「yの値が決まればxの値がただ一つに決まる」という条件が必です。
ですので、関数 y=x2 には逆関数が存在しません。
yの値が決まってもxの値がただ一つに決まらないからです。
ただし定義域を x ≧ 0 とすれば、逆関数を考えることができるようになります。

 

3.逆関数の求め方

逆関数の説明をよんでも、なかなかわかりづらかったのではないでしょうか。
しかし、難しく考える必要はありません。
定義する言葉としてはふさわしくありませんが、簡単に言えば逆関数とは「xとyを入れ替えた関数」です。
例えば

y=2x

の逆関数は

x=2y

です。簡単ですね。

ただし、逆「関数」という名の通り、先の「ただ一つに決まる」という条件を必ず満たす必要があるので、それは毎回確認しましょう。

普段目にする関数の形は「y = 」という形になっていると思います。
ですので、x=2y

のように変形します。
ですから、
f(x)=2x
の逆関数は

であると言えます。
逆関数の求め方は、今やった通りの方法で求めることができます。

つまり

① xとyを入れ替える
② yについて解く

です。この前に一応「逆関数が存在するか確認」しておくとよいでしょう。

 

4.逆関数のグラフ

逆関数に当たる関係は実は数学Ⅱで学習しています。
それは「指数関数」と「対数関数」です。
実際、対数関数を初めて考えたときには、対数関数は「指数関数の指数部分について整理したような関数」であると習ったのではないでしょうか。
指数関数

y=2x

に対して、逆関数を求めると、

x=2y
⇔y=log2⁡x

というように、対数関数になっています。

 

ここで注目したいのは、指数関数・対数関数の定義域・値域とグラフの関係です。

指数関数y=2xの定義域・値域はグラフより
xは実数全体、y>0
でした。
それに対して、対数関数 y=log2⁡x の定義域・値域は
yは実数全体、x>0
でした。このように、指数関数・対数関数の定義域・値域の関係はxとyで入れ替わることになります。
指数関数と対数関数のグラフの関係も y=x に対して対称であると習ったのではないでしょうか。

 

この性質は逆関数全般に言える性質です。
逆関数の求め方で申し上げたように、逆関数を求めるときにxとyを入れ替えます。
定義域と値域が逆転するのは当然ですね。
適当な薄い紙にxy平面を書いて直線 y = x を書いてください。
書いたy = xの位置を変えずに、紙を裏返せばx軸とy軸の位置がちょうど入れ替わりますね。
このように、xとyを入れ替えるというのは、y = xに対称な図形をとる、と言い換えられるのです。

 

5.逆関数の微分

逆関数の微分では


を利用します。

f-1 (x)

のとき、x=f(y) ですから、両辺をxで微分すると右辺は

 


となるので、

から求められる公式です。

これを使って、

の導関数を求めてみます。
普通にy’=1/4 x-3/4

 

と求められますが、逆関数の微分を使って求めてみます。

から

x=y4

です。これをyで微分すると

です。

y=f-1 (x)

をxで微分すればよいので、求めるのは

です。

となり、先の答えと一致します。
なにを求めたいのか明確にしておくのがコツです。

 

6.おわりに

最後までご覧くださってありがとうございました。
この記事では、逆関数についてまとめました。
難しく考えるとなかなか面倒ですが、実のところしなければならないことは単純です。
簡単に考えれば簡単ですので、しっかり復習しておきましょう。


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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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