因数定理を即理解!絶対知っておくべき使い方も紹介!

数学 2016.12.8

因数定理とは何かが数学が苦手な人でも理解できる記事です。現役の早稲田生が因数定理について丁寧に解説しています。

本記事を読めば、因数定理とは何か・因数定理の証明・因数定理の使い方が理解できるでしょう。

最後には、因数定理の練習問題も用意しました。

ぜひ最後まで読んで、因数定理をマスターしましょう!

→因数分解に役立つ記事まとめはコチラ!

 

1:因数定理とは

まずは、因数定理とは何かについて解説していきます。

因数定理とは、簡単に述べると、「多項式f(x)が(x-a)という因数を持つことの必要十分条件はf(a)=0が成り立つこと」という定理のことです。

※必要十分条件が理解できていない人は、必要十分条件について解説した記事をご覧ください。

※因数とは?

→因数とは、ある数を掛け算で表現したときのその個々の数(式)のことです。

【因数の例1】

6は「2×3」なので、6の因数は2と3です。

【因数の例2】

x2+5x+6は「(x+2)(x+3)」なので、x2+5x+6の因数は(x+2)と(x+3)です。

以上が因数定理とは何かの解説です。次の章では、なぜ因数定理は成り立つのか?の証明(因数定理の証明)を解説していきます。

 

2:因数定理の証明

では、因数定理「多項式f(x)が(x-a)を因数に持つことの必要十分条件はf(a)=0が成り立つこと」を証明していきましょう。

因数定理:十分条件の証明

まずは多項式f(x)が(x-a)を因数に持つとき、f(a)=0が成り立つことを証明します。(十分条件の証明)

多項式f(x)を(x-a)で割ったときの商をQ(x)、余りをRとおきます。

すると、

f(x)=Q(x)(x-a)+R

と表すことができますね。

両辺のxにaを代入すると

f(a)

=Q(a)(a-a)+R

=Q(a)×0+R

=R

となります。

f(x)が(x-a)を因数に持つためには、f(x)が(x−a)で割り切れなくてはいけませんね。

したがって、余りRが0でなくてはいけません。

よってf(a)=0が成り立つことがわかります。

因数定理:必要条件の証明

次に、多項式f(a)=0ならばf(x)が(x-a)を因数に持つことを証明します。(必要条件の証明)

上と同様にf(x)を(x-a)で割ったときの商をQ(x)、余りをRとおきます。

そうすると先ほど同様、

f(x)=Q(x)(x-a)+R

と表すことができます。

ここで、x=aを代入すると、f(a)=Rとなります。

ここで、f(a)=0と仮定していたのでR=0になります。

よってf(a)=0ならばf(x)は(x-a)を因数に持つことがわかります。

したがって、f(x)が(x-a)を因数を持つことの必要十分条件はf(a)=0になります。

以上が因数定理の証明の解説になります。

次の章からは、因数定理の具体的な使い方を学習していきましょう!

 

3:因数定理の具体例その1

では、因数定理は数学の問題で実際にどのように利用するのでしょうか?

本章では、因数定理の具体例を見ていきます。

因数定理の例題

x3-x2-5x+6=0を因数分解せよ。

解答&解説

一見して因数分解をできる人はほとんどいないと思います。

では、どうやって因数分解をするのでしょうか?

ここで因数定理を使っていきます。

x=1を代入した場合、1-1-5+6=1となり、0になりません。

次に、x=2を代入してみます。

代入してみると、8-4-10+6=0となります。

よって、因数定理から(x-2)を因数に持つことがわかります。

したがって

x3-x2-5x+6

(x-2) (x2+x-3)・・・(答)

と因数分解できることが因数定理よりわかりました。

 

4:因数定理の具体例その2

因数定理を使った応用問題も解いていきましょう。

因数定理の応用問題

f(x)=x3-ax2+5x+8は(x+1)を因数に持つ。aの値を求めよ。

解答&解説

(x+1)を因数に持つので、因数定理からx=-1を代入するとf(x)=0になることがわかります。

実際にx=-1を代入してみると

f(x)

=(-1)3-a(-1)2+5・(-1)+8

=-a+2・・・①

ここで、①=0を満たせば良いので、

a=2・・・(答)

ということがわかります。

以上が因数定理の具体的な使い方でした。以上で紹介した2つの因数定理の問題はテストでも頻繁に出題されるので、必ずできるようにしておきましょう!

 

5:因数定理の練習問題

最後に、因数定理の練習問題を2つご用意しました。

ぜひ解いて、因数定理をマスターしましょう!

因数定理の練習問題1

f(x)=x3+4x2-11x-30=0を因数分解せよ。

解答&解説

因数定理の具体例その1同様に、f(x)にx=3を代入すると、f(x)=0になることがわかります。

よって因数定理からf(x)は(x-3)を因数に持ちます。

よって、f(x)を(x-3)で割ると(x2+7x+10)となるので、

x3+4x2-11x-30

=(x-3)(x2+7x+10)・・・①

と表すことができ、さらに因数分解できるので

=(x-3)(x+2)(x+5)・・・(答)

となります。

 

因数定理の練習問題2

f(x)=x3+ax2+bx-20は(x-4)で割り切れ、(x+2)で割ると18余る。

a,bの値を求めよ。

解答&解説

f(x)は(x-4)を因数に持つので、因数定理よりx=4のときf(x)=0になるので、

43+a・42+b・4-20=0

より、

16a+4b=-44・・・①

また、f(x)は(x+2)で割ると18余るので、x=-2を代入すると18になります。

したがって、

(-2)3+a・(-2)2-2b-20=18

より

4a-2b=46 …②

①と②を連立しましょう。

※連立方程式を忘れてしまった人は、連立方程式について解説した記事をご覧ください。

①と②を連立することで、

a=2、b=-19・・・(答)

が得られます。

 

因数定理のまとめ

因数定理とは何か、また因数定理の使い方についてお分かりいただけましたか?

因数定理は数学の重要な定理の一つです。

因数定理を忘れてしまった時は、また本記事で因数定理を復習しましょう。

→因数分解に役立つ記事まとめはコチラ!

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この記事の執筆者

ニックネーム:やっすん

早稲田大学商学部4年
得意科目:数学