はさみうちの原理とは?極限もあわせて解説!

数学 2018.10.10
はさみうちの原理とは?極限もあわせて解説!

今回は「はさみうちの原理」についてです。

関数や数列の勉強をしていると、「はさみうちの原理」という言葉を聞いたことがあるかと思います。はさみうちの原理は、関数や数列の極限に関わるとても便利な定理なのですが、中にはその意味や使い方がよくわからないという方もいるようです。そんな方のために、ここでははさみうちの原理についてわかりやすく解説をしていきます。

    1.はさみうちの原理の基礎編①極限とは?

    はさみうちの原理を学ぶ前に、まずははさみうちの原理の基礎である「極限」というものを説明しましょう。

    極限とは、簡単に言うと、「変数のような値を、とても大きくしたりある値に近づけていったりしたときに関数や数列はどのような値をとるのかを示したもの」です。

    例で理解しましょう。

    数列{an}を初項1、公差1の等差数列とします。

    つまり、a0=1,a1=2,…,an=n+1,…となります。ここでもしこの数列が限りなく続いたとき、どんな値となるのでしょうか?

    この数列が限りなく続くということは、nが無限に大きくなっていくということなのでnを無限大に近づけてみます。

    するとaの値は無限に大きくなり続けるので+∞と書くことができます。これが数列の極限をとるということです。

    極限はよく→などで表記され、n→+∞のときa→+∞であったので、an→+∞ (n→+∞)と書きます。

    このように極限をとってある一点の値に定まらないとき、「発散する」と言います。

    またある値に近づいていくときは「収束する」と言い、その値を極限値と言います。ちなみに→ではなくlimという記号を使うことも多いのですが、ここでは数値が直感的にわかるよう→を使って書いていきます。

      2.はさみうちの原理の基礎編②極限の例題!

      それでは、極限についての例題を解いてみましょう。

      例題

      一般項anが以下のような数列の極限値を求めよ。ただし発散する場合は「発散する」と書け。

       

      数列の極限というのは、数列をどこまでも続けていったときどうなるかを考えるものです。なので極限を求めろと言われたら、基本的にはn→+∞のときを考えます。それでは回答を見ていきましょう。

      解答

      (1)発散する
      (1)の回答は「発散する」です項別に見ていきます。

      2nのnを無限大に近づけていくと+∞となります。しかし次の項では-∞が出てきてしまいます。これだと答えが1になりそうですよね。

      しかしそもそも∞というのは円周率πのような明確な値ではなく、「限りなく大きな値」といった漠然としたものを表し

      ます。したがって∞-∞は0とはならず、どんな値となるかはわかりません

      そこでもとの2nと-nに注目します。どちらもn→+∞とすれば、それぞれ∞と-∞となってしまうのですが、よく見ると2nとnでは2nの方が圧倒的に大きな値になることがわかります。

      例えばnに10,100を代入してみてください。n=10で2nは200,nは10、n=100では2nは20000,nは100とこの時点で相当な差がついています。当然ですがこの差は、値が大きくなると大きくなっていきますよってこの極限は+∞となり、答えは「発散する」となります。

      (2)2/3
      (2)は少し考えなくてはなりません。(1)と同様に考えるなら、分子は+∞,分母も+∞であり、∞/∞とよくわからない形となります(このような形を不定形と言います)。

      ここでちょっとしたテクニックのようなものを使います。この一般項anの分子分母を、最大次数のnで割るというものです。

      やってみると、分子は

      分母は

       

       

      となります。この形で極限をとるとどうなりますか?実は

       

       

      の極限は0となります。これは分数の分母を大きくしていくとどんどん0に近づいていくからです。なので分子は2、分母は3となり極限値は2/3となります。

       

      3.はさみうちの原理とは?

      極限についてわかったところで、いよいよはさみうちの原理とはどういったものか説明していきます。

      数列の場合、数列{an},{bn},{cn}があって常にan≦bn≦cnであるとします。すると、an→A,cn→Aだとすれば必ずbn→Aが成立します。これがはさみうちの原理です。

      つまり、その数列より常に大きい数列と常に小さい数列の極限値が等しいとき、間の数列の極限も等しくなるということです。これがはさみうちと呼ばれる理由です。

      関数の場合も似たようなもので、関数f(x),g(x),h(x)に対して常にf(x)≦g(x)≦h(x)という関係が成り立っているとします。このとき、f(x)→A,h(x)→Aであるならg(x)→Aが成立します。

      この定理は極限値を間接的に求めることができるので、直接的に極限値を求めにくい状況では非常に有用だと言えます。

      ちなみに証明ですが、これは大学数学の高度な知識が必要なため高校の授業では習わず、また大学入試で問われることもまずありません。

        4.はさみうちの原理の例題

        それでは、はさみうちの原理を使った例題を解いていきましょう。

        例題

        一般項

        で表される数列の極限値を求めよ。

        分子に三角関数がありますね。この極限をとると-1から1の値を順番に繰り返しとっていきます。このような極限を発散の中でも特に「振動する」と言います。そして当然ですが、分母も発散します。このような場合において、はさみうちの原理はとても役に立ちます。

        解答

        回答は0です。
        はさみうちの原理を使いたいのですが、そのためには

        をはさむものを見つけなければなりません。そこでまずは三角関数に着目します

         

        三角関数というものは角度によって値が変わってしまうのでここに着目するのは少し難しそうなのですが、三角関数はとりうる値の範囲が決まっているという大きな特徴を持っており、そこをうまく使えればそこまで難しいことではありません。

         

        のとりうる-1から1の間なので、

         

        と書けます。

        ※三角関数の記事についてはこちらをご覧ください。

        ここで全てをn(>0)で割るとどうなるでしょう?

         

        となり、これは一般項aがはさまれる形となっています。

         

        について極限をとれば0となります。

        よってはさみうちの原理を適用することができるので、はさみうちの原理より、 一般項an

        で表される数列の極限値は0であると言えます。このように一見極限値を求めることができないような場合であっても、はさみうちの原理を使えば間接的に極限を求めることができるのです。

          5.さいごに

          はさみうちの原理の証明には大学の数学の知識が必要で、学ぶには大学入試に合格しなければなりません。はさみうちの原理がどんなものか知るためにどんなものかわからないはさみうちの原理を使うというのは少しおかしな話だと思う人もいるでしょう。

          しかし、数学の興味深い点はまだまだあります。そういった点を見つけていき、どんどん数学に興味を持っていってください。

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          この記事の執筆者

          ニックネーム:受験のミカタ編集部

          「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している「受験応援メディア」です。