三角形の内心: 定義と性質を証明問題形式で解説!
三角形の内心は、受験でよく出題されます!
今回は三角形の内心の性質や証明、さらに例題の解説もします。
内心についてはこの記事の内容を完全に頭に入れれば怖いものなしなので、最後までしっかり読んでください!
1. 三角形の内心の定義と性質
三角形ABCの内心とは、三角形ABCに内接する円の中心です。
内接円の中心だから、内心です。
どのような三角形に対しても必ず内心を定義することができます。
三角形の内心について、以下のことを抑えておきましょう。
三角形ABCにおいて、内接円とBC, CA, ABとの接点をそれぞれ点D, E, Fとおく。
このとき、
2) ∠A, B, Cの二等分線はIにおいて交わる
3) AF=AE, BF=BD, CD=CE
一見難しそうですが、実はすべて当然のことです。
以下でこれらについて証明します。
2. 三角形の内心の性質: 証明
問題: 三角形ABCの3つの内角の二等分線が一点で交わることを示せ(上の3つの性質の2)
証明:
∠A, Bの二等分線の交点をIとおく。このとき、CIが∠Cの二等分線であることを以下に示す。
点Iから辺BC, CA, ABに下ろした垂線の足を点D, E, Fとおく。
このとき、三角形BIDと三角形BIFにおいて、
B=BI (共通)
∠IBF=∠IBD (仮定)
∠BDI=∠BFI=90° (仮定)
であるから、直角三角形の斜辺とひとつの角が等しいので、
⊿BID≡⊿BIF
よって
ID=IF
同様にして、
⊿AIF≡⊿AIE
IF=IE
よって、
であるから、三角形CIDと三角形CIEにおいて
CI=CI (共通)
ID=IE (仮定)
∠CDI=∠CEI-90° (仮定)
であるから、直角三角形の斜辺ともう一辺が等しいので、
⊿CID≡⊿CIE
よって、
∠ICD=∠ICE
したがって、CIは∠Cの二等分線であり、三角形ABCの3つの内角の二等分線は一点で交わる。
(証明終了)
ところで、円の定義をご存知でしょうか?
定義はいくつかありますが、最も簡単なのは「ある点から等しい距離にある点の集まり」です。
上の証明の途中で、ID=IE=IFとなりましたね。
つまり、点D, E, Fは点Iを中心とする同一円周上にあるということです。
また、円の中心を通る直線と円の接線が垂直に交わることから、三角形ABCの辺AB, BC, CAはいずれもこの円の接線になります。
するとこの円はちょうど、三角形の内側に納まります。
このような円を内接円といいます。
この内接円の中心はIですから、先述した性質1が示されました。
また、上の証明の途中で用いた⊿BID≡⊿BIF, ⊿AIF⊿AIE, ⊿CID≡⊿CIEから、それぞれBD=BF, AF=AE, CD=CEとなり、性質3が示されました。
3. 三角形の内心: おわりに
最後までご覧くださりありがとうございました。
この記事では、三角形の内心についてまとめました。
三角形と円が絡む話題として、他に外心と重心があります。合わせて確認しておいてください!
※三角形の重心: 定義と性質を証明問題と座標を用いる例題で解説!