二次関数の最大値・最小値の求め方をパターン別で解説!【練習問題付き】

数学 2024.2.2

二次関数の最大値・最小値の問題は4つのパターンに分けられ、いずれの場合でもグラフを描いて視覚化して解くことができます。高校数学の中で苦手に感じる単元の1つに二次関数がありますが、二次関数のグラフの頂点の座標や平方完成の計算ができれば、だんだんと解けるようになるでしょう。

この記事を読めば、難しいと感じやすい二次関数の最大値・最小値の問題も自由に解けるようになりますよ。練習問題も出題しているので、必ず解けるようにしましょう!

二次関数の最大値・最小値を求める4つのパターン

二次関数の最大値・最小値に関する問題は以下の4つのパターンがあります。これらの解き方は互いに似通っているのですが、パターンごとに最大値・最小値は変化をするので、それぞれに対応しましょう。

定義域が設定されていない場合

問題によっては、関数に関して、xのとることができる値の範囲が設定されているものがあります。関数は、そのxの範囲のみ有効となります。そのxの範囲のことを、その関数の定義域といいます。この定義域は関数の式の後ろに(1≦x≦3)のように記載します。

けれども、特定の範囲ではなく、全ての場所が関数の対象であれば、定義域は「全ての実数」ということで、特別に記載をせず、関数の式のみの表記となります。まず、定義域が「設定されていない」(つまり定義域が全ての実数である)ときの場合を紹介します。

《例1》y=x2ー2x+3

この問題を解くときの流れは以下の通りです。

1.二次関数の平方完成を行う→グラフの頂点の座標がわかる
2.二次関数のグラフを描く
3.定義域内で最も上にくる場所が最大・最も下にくる場所が最小

ではまず頂点を調べるために、二次関数の式を平方完成してみましょう。

y=x2ー2x+3
=(xー1)2ー1+3
=(xー1)2+2

頂点の座標は(1,2)となる。

次にグラフを描きます。頂点が(1, 2)であることに注意をします。

最大値・最小値にフォーカスするためにあえて書いていませんが、このグラフを描く際、頂点である点(1,2)と、y切片である点(0,3)の2点をおさえるのがポイントです。y切片が3であるのは、二次関数の式の定数項が3であることからわかります。

さて、このグラフを見ながら最大値・最小値を調べるのですが、「値」という字が出てきたら、それはyであると連想しましょう(たとえば「値」域→「y」の範囲です)。最大値は「y」が一番大きいもの、最小値は「y」が一番小さいものという意味となります。つまり、

y座標が最も大きくなる → グラフが一番上まで行くところ
y座標が最も小さくなる → グラフが一番下まで行くところ

と判断するわけです。それをグラフが動ける範囲内で調べるのです。

まずは最小値ですが、放物線をたどっていくと、頂点のところに来た瞬間が、グラフが最も低いところにきます。ここで最小となるのです。さきほども書きましたが、最小値は、最小となる「yの値」を意味するので、最小値は頂点に来た時のy座標つまり2です。

それだけでなく、最小となる時のxの値も記載する必要があります。ですから、xとyの値をセットで書くようにしましょう。その書き方は、以下の2つの方法がありますので、好きな方で書いてください。

x=1のとき最小値2
最小値2(x=1)

さて、最大値ですが、このグラフを見ると、上の方へは無限に線が伸びていくことがわかります。つまり、最も上にくる点は存在しません。この場合、最大値は「なし」となります。

したがって、この例の答えは

最大値 なし
最小値2(x=1)

となります。

《例2》y=ーx2ー4x+1

次は、上に凸の放物線を考えてみましょう。考え方は先ほどの例と同じく、グラフを描いて考えます。

まずは平方完成させて、頂点の座標を定めます。

y=ーx2ー4x+1
=ー(x2+4x)+1
=ー{(x+2)2ー4}+1
=ー(x+2)2+4+1
=ー(x+2)2+5頂点(ー2,5)

このグラフを描くと次のようになります。

このグラフの中で一番上にくる点と下にくる点を探します。

したがって答えは

最大値 5(x= ー2)
最小値 なし

となります。

定義域が設定されているとき

二次関数の最大値・最小値を求める問題の多くは「定義域が問題内で設定される場合」です。まずは具体的な定義域が設定されている問題の例を紹介しますので、とくに定義域に対してどのようにグラフを見るのかについて注意をしてみてください。

《例3》y=x2ー2xー1(0≦x≦3)の最大値・最小値を求めよ

まずはグラフで判断できなければならないので、いつものように平方完成をして、頂点の座標を調べておきます。

y=(x+1)2ー1ー1
y=(x+1)2ー2頂点(1,ー2)

ですので、グラフを描くとこのようになります。

さて、今回は、それに加えて定義域が設定されていますので、それをグラフに反映させる必要があります。今回の定義域は「0≦x≦3」ですが、これは「x座標が0から3までの範囲」という意味で、「x=0」「x=3」という2本の縦線の間の「帯」の部分に限定してグラフを考えることとなります。

今描いたグラフにさらに2本の縦線「x=0」「x=3」を加え、その間の部分が有効であるというグラフにします。

定義域を表すための2本の縦線「x=0」と「x=3」を入れます。

定義域が0≦x≦3であることから、xの値が0から3までの部分だけ有効と考えます。それは上の図の青色の部分です。その際、放物線を、定義域内の有効な場所は実線ではっきりと、最大値・最小値の対象外である定義域外の部分は薄く点線で描き替えます。

範囲の境目のx=0やx=3の瞬間の点は、定義域に含むか含まないかをよく読んで●(含む場合)や○(含まない場合)をグラフにはっきりと描き込みます。

上の図の赤の実線部分が有効であり、その中で最も上まで行くところと最も下まで行くところを探すと、グラフから最大値は定義域の右端のところで、最小値は頂点のところでとることがわかります。

最小値は、頂点の座標が(1,-2)であることから、「最小値-2(x=1)」であるとわかるのですが、最大値がまだわかっていません。x=3のときであることはわかるので、関数に当てはめてそのときのyの値を計算しておく必要があります。x=3より、y=2となり、最大値2(x=3)となります。

したがって答えは

最大値 2(xー3)
最小値 ー2(x=1)

となります。

《例4》y=ー2x2ー4xー4(1≦x≦2)の最大値・最小値を求めよ

まずは平方完成をして、グラフの頂点を調べます。

y=ー2(x2+2x)ー4
=ー2{(x+1)2ー1}ー4
=ー2(x+1)2+2ー4
=ー2(x+1)2ー2
頂点(ー1,ー2)

次にグラフを描きます。

そして、定義域を描き入れ、グラフも実線と点線などと描き替えます。

 

定義域内では赤い実線の部分を見て、最大と最小を考えます。この場合は、定義域の左端で最大、定義域の右端で最小となります。

今回は頂点が定義域外にあるので、最大値や最小値の対象とはなりません。それぞれのyの値は計算しなければなりませんので、事前にやっておきます。

x=1のとき、y=ー2ー4ー4=ー10
x=2のとき、y=ー8ー8ー4=ー20

したがって答えは次のようになります。

最大値ー10(x=1)
最小値ー20(x=2)

《ここで考察》

今までの問題を見てみると、二次関数に関してのいくつかの大切な性質があるので、そこを振り返ってみましょう。

性質1 二次関数のグラフは、軸に関して左右対称である

《例3》の、y=x2ー2xー1(0≦x≦3)の最大値・最小値を求めよ。という問題で、グラフから最大値と最小値を割り出すところがありました。

最小となるのは頂点のところであることは、グラフから明らかなのですが、問題は最大です。

もちろん、定義域の両端の地点(x=0, x=3)でのyの値をそれぞれ計算して、値が大きい方が最大値だと考えることもできるのですが、計算をして比べなくても最大がどちら側なのかはすぐにわかるのです。それが、グラフの左右対称性を利用した方法です。

つまり、定義域の両端の地点が最大値や最小値となり得る場合、軸から遠ければ遠いほどグラフが伸びるので、そちらで最大値や最小値をとるという性質です。したがって、x=3で最大値をとるということがわかるのです。

性質2 最大値や最小値は、「頂点(軸)」「定義域の左端」「定義域の右端」の3つだけが候補

これらの二次関数の最大値・最小値は、決まった場所でとることがわかります。それが、

・頂点
・定義域の左端(始点)
・定義域の右端(終点)

です。

これらのうち、どこで最大・最小をとるのかについては、これら3か所の位置関係や上に凸・下に凸の違いなどで決定します。これらをふまえると、完璧にグラフを描かなくとも、上記の3か所を縦線で表してそこに二次関数のグラフを載せるだけで答えがわかることになります。

たとえば今の例であればこのような図になります。

今後、その描き方で紹介します。

定義域に文字を含むとき

二次関数の最大値・最小値の問題の多くは、二次関数の式や定義域に文字を含ませられています。つまり、二次関数のグラフや定義域が動く状況を考えきれなければならないのです。

文字の値によって、グラフがいくつかの場合に分かれることがつねに起こりますので、それにも対応できるようになる必要があります。次に、そのような動きのイメージをつかむのが必要な問題を紹介します。

《例5》y=x2ー2xー4(0≦x≦a)の最大値・最小値を求めよ

まずは平方完成をして、頂点の座標(あるいは軸)を調べます。

y=(xー1)2ー1ー4
=(xー1)2ー5

ここで、軸がx=1、定義域の左端が0、定義域の右端がaということがわかります。0≦aであることから、これらのうち最も小さいのが0となります。ところが、1とaの大小関係はわかりません。

そのような位置関係に注意をしながらいくつかのケースに分けて考えていきましょう。

ところで、この定義域は、範囲の開始が0であることはいつまでも変わりません。変わるのは範囲の終点がaと、自在に変化するということです。例えるなら、アコーディオンカーテンのような変化をします。

i)0≦a≦1のとき

最大値ー4(x=0)
最小値a2ー2aー4(x=a)

aが1を超えると、x=aとx=1の2本の縦線の位置関係が交代します。軸が定義域の中に入ることによって、最小値は頂点のところでとることになります。また、定義域の終点のx=aの地点が上昇に転じます。

そもそもこの関数の出発点はx=0のところで、そのy座標は-4でしたが、定義域の終点のx=aの地点がそれと同じ高さに回復する時が来ます。それが「軸を中心に左右対称」の性質から、x=2のときであることがわかります。そこで、次の場合分けは1≦a<2とします。

ii)1≦a<2のとき

最大値ー4(x=0)
最小値ー5(x=1)

次にa=2となると、定義域の始点と終点の両方のyの値が等しい値となり、同じ高さの2点で最大となります。

iii)a=2のとき

最大値ー4(x=0,2)
最小値ー5(x=1)

最後にaの値が2を超えると、最大値は定義域の終点でとります。

iv)2<aのとき

最大値a2ー2aー4(x=a)
最小値ー5(x=1)

したがって、

i)0≦a≦1のとき
最大値ー4(x=0)
最小値a2ー2aー4(x=a)ii)1≦a<2のとき
最大値ー4(x=0)
最小値ー5(x=1)iii)a=2のとき
最大値ー4(x=0,2)
最小値ー5(x=1)iv)2<aのとき
最大値a2ー2aー4(x=a)
最小値ー5(x=1)

軸に文字が含まれるとき

軸に文字が含まれる問題は、二次関数の最大値・最小値の問題の中で最も出題傾向の高いパターンです。二次関数のグラフが文字の変化に伴って動いて回ります。その動きを場合分けをして各ケースで出す正確さが求められます。

《例6》y=x2ー2ax(0≦x≦2)の最小値を求めよ

まずはいつものように平方完成をして、頂点を調べます。

y=(xーa)2ーa2
頂点(a,ーa2)

最大値・最小値がくる「3本の縦線」は、x=0, x=2, x=aとなり、これらの中で軸となる縦線が自由に動いて回ります。このとき、この3本の縦線の位置関係は次の3つの場合に分けられます。

   軸が定義域より左          軸が定義域の中          軸が定義域より右

それぞれでグラフを描き入れていきます。

i)a<0のとき

最小値0(x=0)

ii)0≦a<2のとき

最小値ーa2(x=a)

iii)2≦aのとき

最小値4ー4a(x=2)

したがって、答えは

i)a<0のとき

 最小値0(x=0)
ii)0≦a<2のとき
 最小値ーa2(x=a)
iii)2≦aのとき
 最小値4ー4a(x=2)

下に凸で軸に文字が含まれる関数の最小値は、3本の縦線の位置関係で3つに場合分けをします。

《例7》y=x2ー2ax(0≦x≦2)の最大値を求めよ

例6の最小値の問題と関数および定義域は全く同じですが、今度は最大値を求める問題となります。最小値と最大値とでは場合分けの方法が異なりますので、それを正確に把握することが大切です。

それでは、最大値はどのようなケースに分ければよいのでしょうか?そのモデルとなる場合が、「軸が定義域のちょうど真ん中にあるとき」です。

まず、関数は《例6》と全く同じなので、平方完成や頂点は一致します。

y=(xーa)2ーa2
頂点(a,ーa2)

最大値のさまざまな場合を考えるきっかけとなる、「軸が定義域のちょうど真ん中にあるとき」のグラフを描いてみます。

今回の二次関数の軸の方程式はx=aとなっており、軸は定まらずに動いて回ることがわかります。その中でも、軸が定義域のちょうど真ん中にあるときとは、軸がx=1のときであることを指します(つまりa=1のとき)。そのときのグラフが上の図なのですが、最大値をとる場所が、定義域の両端の2か所となります。これも二次関数のグラフの左右対称性を利用した考え方です。

このグラフを左や右にちょっとでも動かせば、定義域内のグラフの動きで、左右対称のバランスが崩れてしまいます。2か所あった最大値をとる場所も、変わってしまいます。

たとえば軸を少しでも左にずらしたとします。

そのとき、

[軸から定義域の左端までの距離]<[軸から定義域の右端までの距離]

となるので、軸から遠い方、すなわち定義域の右端で最大となります。

この現象は、軸が定義域内にあろうとなかろうと、最大となる場合は同じですので、最大値を考える際は「軸が定義域内にあるかないかを考える必要はない」ということになります。

これらをまとめると、「軸が定義域のちょうど真ん中のところよりも左にあれば、定義域の右端で最大値をとる」という一定の現象が見られるということです。

「軸が定義域のちょうど真ん中のところよりも左にある」ことを式で表現すれば、a<1となります。ちなみに定義域のちょうど真ん中の値は、今回は1であるとすぐにわかるのですが、一般にpからqまでのちょうど真ん中の値は、

となります。これは2つの値の平均値という考え方でもあります。

また、逆に軸が定義域のちょうど真ん中よりも右側にあれば、定義域の左端で最大値をとります。

このとき、1<aが成り立っています。

これらをまとめると、最大値は次のようになります。

i)a<1のとき
最大値4ー4a(x=2)ii)a=1のとき
最大値0(x=0,2)iii)1<aのとき
最大値0(x=0)

二次関数の最大値・最小値の解き方のコツ

二次関数の最大値・最小値を求める問題を解くには、いくつかの性質やコツを知っていれば、だんだんと解けるようになってきます。ここでは知っておくと解ける性質やコツを改めて紹介します。

二次関数のグラフは軸に関して左右対称である

まずは二次関数のグラフの持つ性質として、「二次関数のグラフは軸に関して左右対称である」というものです。これを発展させれば、「軸から遠いほどグラフの線が伸びる」ということにもつながります。軸からの左右への距離の違いを見て、最大値や最小値をとる場所を見極める力がつけば、この単元の内容はかなり理解度が深まるといってもいいでしょう。

その感覚を鍛えるためにも、常にグラフを描いて、図としてのイメージが持てるようにしましょう。

軸と定義域の位置関係がカギ

二次関数の最大値・最小値は、軸や定義域の位置関係によって決定されます。また、場合分けが必要なケースを見抜くことができます。そして、そのパターンを熟知しておけば確実にこの単元はクリアーできるでしょう。

また、「下に凸」「上に凸」のグラフの形も注意が必要です。

下に凸の二次関数で、軸に文字が含まれているときの最大値や最小値の求め方(場合分けの方法)は、次のようになります。

最小値
ⅰ) 軸が定義域の左端より左にあるとき
定義域の左端で最小値をとる
ⅱ) 軸が定義域内にあるとき
軸(頂点)で最小値をとる
ⅲ) 軸が定義域の右端より右にあるとき定義域の右端で最小値をとる最大値
ⅰ) 軸が定義域のちょうど真ん中よりも左にあるとき
定義域の右端で最大値をとる
ⅱ) 軸が定義域のちょうど真ん中にあるとき
定義域の左端と右端の2か所で同時に最大値をとる
ⅲ) 軸が定義域のちょうど真ん中よりも右にあるとき
定義域の左端で最大値をとる

これが上に凸に変わった場合は、上下をひっくり返して考えればよいので、下に凸の場合と比較して、最大値と最小値の求め方がちょうど入れ替わることになります。

つまり、以下のようになります。

下に凸の二次関数の最小値
上に凸の二次関数の最大値
ⅰ) 軸が定義域の左端より左にあるとき
定義域の左端で最小値をとる
ⅱ) 軸が定義域内にあるとき
軸(頂点)で最小値をとる
ⅲ) 軸が定義域の右端より右にあるとき
定義域の右端で最小値をとる下に凸の二次関数の最大値上に凸の二次関数の最小値
ⅰ) 軸が定義域のちょうど真ん中よりも左にあるとき
定義域の右端で最大値をとる
ⅱ) 軸が定義域のちょうど真ん中にあるとき
定義域の左端と右端の2か所で同時に最大値をとる
ⅲ) 軸が定義域のちょうど真ん中よりも右にあるとき
定義域の左端で最大値をとる

二次関数の最大値・最小値を求める練習問題にチャレンジ

それでは、今まで触れて来た二次関数の最大値・最小値を求める実際の問題にチャレンジをしてみましょう。実践的な問題でもあるので、力試しをしてみてください。

理解度を確認する基本問題

《問題1》y=x2ー4x+2の最大値・最小値を求めよ

《解答・解説》

y=(xー2)2ー4+2
=(xー2)2ー2
原点(2,ー2)

最大値 なし
最小値 ー2(x=2)

※全ての実数が範囲なので、グラフは上へ無限に伸びるため、最大値は存在しないことに注意しましょう。

《問題2》y=ーx2+2x+1(ー1≦x≦2)の最大値・最小値を求めよ。

《解答・解説》

y=ー(x2ー2x)+1
=ー{(xー1)2ー1}+1
=ー(xー1)2+1+1
=ー(xー1)2+2
頂点(1,2)

最大値 2(x=1)
最小値 ー2(x=ー1)

※軸から遠い方のx=-1のときに最小値をとります。またその時のyの値を計算してー2を得ます。

場合分けが必要な応用問題

《問題3》y=x2ー6x+7(0≦x≦a)の最大値・最小値を求めよ。

《解答・解説》

y=(xー3)2ー9+7
=(xー3)2ー2
頂点(3,ー2)

i)0≦a<3のとき

※この場合の特徴
最大:定義域の左端で最大
最小:頂点に到達する前段階で、最小値は変動している
最大値7(x=0)
最小値a2ー6a+7(x=a)

ii)3≦a<6のとき

※この場合の特徴
最大:定義域の左端で最大。それと等しいyの値を持つ場所にx=6の地点があるが、定義域がその手前までである
最小:これから先、頂点をずっと定義域内に含むことで、「頂点で最小」は変わらず
最大値7(x=0)
最小値ー2(x=3)
iii)a=6のとき
※この場合の特徴
最大:定義域の両端の値が揃った瞬間で、2か所で同時に最大値をとる
最小:頂点を含んでいるため、そこで最小
最大値7(x=0,6)
最小値ー2(x=3)
iv)6<aのとき
※この場合の特徴
最大:6よりも右側まで定義域になると、軸からの距離の関係で、定義域の右端で最大値をとる
最小:定義域に頂点を含むことから、頂点で最小
最大値a2ー6a+7(x=a)
最小値ー2(x=3)

したがって、この問題の答えは次の通りです。

i)0≦a<3のとき
最大値7(x=0)
最小値a2ー6a+7(x=a)
ii)3≦a<6のとき
最大値7(x=0)
最小値ー2(x=3)
iii)a=6のとき
 最大値7(x=0,6)
最小値ー2(x=3)
iv)6<aのとき
 最大値a2ー6a+7(x=a)
最小値ー2(x=3)

《問題4》y=x2ー2axー1(ー1≦x≦3)の最小値を求めよ。

《解答・解説》

y=(xーa)2ーa2ー1
頂点(a,ーa2ー1)
i)a<ー1のとき
最小値 2a(x=ー1)
ii)ー1≦a<3のとき
最小値 ーa2ー1(x=a)
iii)3≦aのとき
最小値 ー6a+8(x=3)

したがってこの二次関数の最小値は

i)a<ー1のとき
最小値 2a(x=ー1)
ii)ー1≦a<3のとき
 最小値 ーa2ー1(x=a)
iii)3≦aのとき
 最小値 ー6a+8(x=3)

まとめ

二次関数の最大値・最小値の問題は、文字があちこちに現れたり、場合分けが必要な問題が多いなどして、取り組みにくさを感じる方も多くおられるでしょう。

けれども、この内容は、4つのパターンがあるだけで、それぞれの対処法を理解しておけば十分に対応することができます。頻出度の高い単元ですので、よく学習をして力をつけていきましょう。

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この記事の執筆者

ニックネーム:中村 洸斗