単項式の全てがこれでわかる!単項式の係数と次数、乗法・除法や多項式との違いまで
単項式とは何か・単項式と多項式の違い・単項式の次数と係数・単項式の乗法と除法について現役の早稲田生が解説します。
この記事を読めば単項式の基本は全てマスターできるようになっています。
単項式は数学の基本中の基本分野ですので、必ずマスターしておきましょう。
最後には、本記事で単項式が理解できたかを試すのに最適な練習問題も用意しました。
ぜひ最後まで読んで、単項式をマスターしてください。
1:単項式とは?(多項式との違いも)
まずは単項式とは何かについて解説します。
単項式とは、2yや、-50a2、2abcのように、数字や文字についての掛け算(乗法)だけでできている式のことです。
ちなみに、aも単項式です。
なぜなら、「a=1×a」なので、aも掛け算(乗法)だけでできています。よってaも単項式です。
一方で、2a+bや、10a2+bなどは、掛け算だけでなくて足し算も含まれていますね。このような式は多項式と呼ばれています。
※多項式についての詳しい解説は、多項式について解説した記事をご覧ください。
以上が、単項式とは何か・単項式と多項式の違いです。
2:単項式の係数について
単項式の分野ではよく、「単項式の係数を求めよ。」という問題が出題されます。
この章では、単項式の係数とは何かについて解説します。
単項式の係数とは、単項式の数字の部分のことです。
例えば、2aという単項式の係数は2です。
-48abという単項式の係数は-48です。
aという単項式の係数は1になります。(a=1×aなので)
以上が単項式の係数についての解説になります。簡単ですよね?
「単項式の係数を求めよ」という問題が出題されたら、すぐに単項式の数字の部分を見て答えましょう!
3:単項式の次数について
単項式の分野では、係数だけでなく「単項式の次数を求めよ。」という問題もよく出題されます。
この章では単項式の次数について解説します。
単項式の次数とは、数字に掛けられている文字の個数のことです。
例えば、2abという単項式なら、2という数字に文字aと文字bが掛けられているので、次数は2となります。
5x2yという単項式なら、xが2回(2乗なので)とyが1回5に掛けられているので、次数は3となります。
aという単項式は、a=1×aより、次数は1となります。
単項式の次数についての解説は以上になります。単項式の次数は係数とセットで必ず覚えておきましょう!
※単項式の係数・次数と一緒に多項式の係数・次数についても学習したい人は、多項式について解説した記事も一緒に読むと、理解が深まります。
4:単項式の乗法
単項式の乗法(掛け算)について解説します。
単項式の乗法では、数字は数字同士で掛ける、文字は同じ文字同士で掛けるということに注意します。
では、例を挙げます。
例1
2abc × 4ab2c3
=2×4×a×a×b×b×b×c×c×c×c
=8a2b3c4・・・(答)
全部で文字が何個掛けられているのか?に注目すれば簡単ですね。
文字の乗法については、以下が成り立ちます。
am × an = am+n
単項式の乗法では、文字が何個掛けられているか?に注目しましょう。
例2
(3a2b3c4)2
=32×a2×2×b3×2×c4×2
=9a4b6c8・・・(答)
これも文字が何回掛けられているか?を考えることが重要です。
aの2乗が2セットあると考えて合計でaの4乗になります。
bの3乗が2セットあると考えて合計でbの6乗になります。
cの4乗が2セットあると考えて合計でcの8乗になります。
以上より、一般的に、以下の公式が成り立ちます。
(am)n = amn
単項式の乗法の解説は以上になります。
5:単項式の除法
単項式の乗法を学習した後は、単項式の除法(割り算)を学習しましょう。
では、早速例を見てみます。
例1
4x3y5 ÷ 2x2y3
= 2x3-2y5-3
= 2xy2・・・(答)
一般的に、文字の除法については、以下が成り立ちます。
am ÷ an =am-n
では、次の場合はどうでしょうか?
例2
分数の除法は、割る数を逆数にしてかけるということに注意しましょう。
6:単項式に関する練習問題
最後に、単項式に関する練習問題を解いてみましょう!
本記事で単項式が理解できたかを試すのに最適な問題なので、ぜひ解いてみてください!
単項式:問題1
次の中から、単項式を全て選べ。
2a、6f+g、6ab+c、48ab4
解答&解説
単項式は、掛け算だけでできている文字式のことでしたね。
よって、単項式は、
2a、48ab4・・・(答)
となります。
単項式:問題2
単項式250a5b3c8の係数と次数を求めよ。
解答&解説
まずは係数から求めます。
単項式の係数を求めるには、単項式の数字の部分を見れば良いのでした。
したがって、求める係数は250になります。
次数は、文字が何回掛けられているか?に注目すれば良いのでした。
単項式250a5b3c8では、
aが5回、bが3回、cが8回かけられているので、合計で(5+3+8=16)回、文字が掛けられています。
よって、求める次数は16となります。
単項式:問題3
4a2b3 × 5a5b5c10を計算せよ。
解答&解説
与式
=(4×5)×a2+5×b3+5×c10
= 20a7b8c10・・・(答)
単項式:問題4
90a100b60÷15a80b40を計算せよ。
解答&解説
与式
=(90÷15)a100-80b60-40
=6a20b20・・・(答)
単項式のまとめ
いかがでしたか?
単項式に関する解説は以上になります。
単項式は数学の分野の中でも基本中の基本なので、必ず理解しておきましょう!
単項式を忘れたときは、またこの記事で単項式を思い出してください。