象限とは?数学のグラフなどで出てくる必須知識

数学 2022.12.26

数学には象限という言葉があります。

高等数学では、ユークリッド幾何学とも関係するものですが、この記事では高校で習うことになる2次元の象限について解説をしていきましょう。

2次元の象限とは、第一象限、第二象限、第三象限、第四象限の4つからなりますが、その覚え方や例題なども含めて見ていきます。

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1.そもそも象限とは?

象限とは、平面座標においては四分儀(4つにわけること)で表されるものです。

ちなみに1次元では半直線、3次元では八分儀になります。
先にも伝えた通りに、高等数学ではユークリッド幾何学に関してくるものです。

ただ、高校の数学で習うことになるのは、平面座標におけるものになります。
すなわち、数学でよく見るグラフのように、X軸とY軸で4分割にされたものを指します。


ここまでの解説だけであれば、算数のレベルでも通用するでしょう。

これが、象限を考えるときの基本になります。

 

2.象限の分類を知ろう:第一象限から第四象限の覚え方

象限は、X軸とY軸によって作られた4つの平面座標です。


その内、右上にあたるものを第1象限といい、ここから反時計回りに左上が第2象限、左下が第3象限、右下が第4象限となります。
これは必ず覚えましょう。

高校の数学で問題がでる時に多いのが、この座標はどの象限に位置するのか答えよというものです。
この時に着目するのは、数字そのものではありません。
どの象限になるのかで大切なのは、XとYにおける正負です。

上の図より

①第1象限ではX軸、Y軸の値が両方とも正
②第2象限ではX軸の値が負、Y軸の値が正
③第3象限になると、X軸、Y軸の値がが両方とも負の値
④第4象限だと、X軸の値が正、Y軸の値が負

と、なります。

象限に関する問題が出たら、まずxy座標平面を描き正負の組み合わせに注意して答えれば大丈夫です。

3.象限についての例題①座標上の点が属する象限

ここでは、象限に関する問題で代表的な、座標上の点に関する問題を見ていきましょう。

点A(-2, 4)、点B(3, 1)、点C(1, -2)、点D(-5, -6)

この4つの点にはどの象限にあるのか答えよ、というような問題が、象限に関する代表的な問題です。

この手の問題を解く時のポイントは、細かい数字ではありません。
余白の部分にX軸とY軸を書いてみて、数字の雰囲気だけで座標平面に点を打ってみてください。

ここで注意するのは、先ほどからお伝えしているXとYの正負のみです。

点Aをみると、Xの値が負でYの値が正。
→(ふむふむ、つまり、X軸の0より左で、Y軸の0よりは上か)

点Bの場合は、XYともに正の値です。
→(XもYも、0より上の部分に書く。これは簡単)

点CはXが正で、Yが負の値になっています。
→(X軸の0より右だけど、Y軸の0よりは下か)

点DはXYの両方が負の値ですね。
→(X軸の0より左で、Y軸の0よりも下の点だな)

これを、さきほどあげた、第1象限から第4象限までの図と照らし合わせてみると、すぐに答えはわかるでしょう。
点Aが第2象限、点Bが第1象限、点Cが第4象限、点Dが第3象限ということになります。

このような問題を解く際には、わざわざ座標平面に細かい数字をとる必要はありません。

XとYにおける正負のみで、あとは感覚的に点を打つと、どの点がどの象限か迷うこともないでしょう。
ケアレスミスとして注意したいのが、どの平面が第1象限にあたるのかを間違えることです。
右上が第1象限ですので、ここを間違わないようにしておけば、後は反時計回りに数字が増えていくだけになっています。

4.象限の例題②2次関数と座標平面

次に紹介したい例題が、2次関数と座標平面の問題です。
先に解説した問題よりも難易度がアップしますが、やることは特に変わりません。

では、例題を出してみましょう。
y=x2-2x+4という2次関数の頂点は、平面座標でどの象限にあるか答えよ。

 

2次関数は、平面座標において表すと放物線を描きます。
頂点とは、最も尖っている部分のことですね。

もちろん、この問題を解く際に、平面座標を作って、きちんと数字を取ってグラフを書いても問題ありません。
ただ、入試という限られた時間の中で、グラフを作るのは時間の無駄にしかならないです。

先ほどの例題であげた、y=x2-2x+4を考えてみましょう。
これを平方完成してみると、y=(x-1)2+3となります。

※平方完成に関する記事はこちら

つまり、y=x2-2x+4という2次関数の頂点は、(1、3)になることがわかるのです。
xyの値ともに正になっていますから、頂点がある象限は第1象限となります。

ちなみに、グラフは

となり、確かに第1象限にあります。

 

次に、もう少し複雑になる式を出してみます。
y=2x2+6x-4という式の頂点がどの象限になるのか考えてみましょう。

計算をすると、です。

ここで注目するのがの中になります。

0になるようにxの値を求めますから、-3/2ですね。

つまりy=2x2+6x-4の頂点はとなります。

 

この答えから象限で考えると、xとyの値が両方とも負ですから、第3象限となるのです。

ちなみに、グラフは

となり、今回も確かに正しいです。

 

これらの問題は、公式の文字だけを追ってしまうと、難しく感じるかもしれません。

しかし、実際に数字を整理して入れてみると、特に難しく考える必要はないでしょう。
ただし、正と負の符号にだけは注意をしておいてください。

ここを間違ってしまうと、最終的に頂点を求める段階でミスがでてしまうからです。
数字はあっていても、正負の符号が逆になってしまうだけで、象限の問題では大きな間違いを起こしてしまいます。

既にお伝えしているように、象限を選択するには正負の符号が大切です。
そのため、平方完成の公式を用いる時は、正負の符号を間違わないように注意しておきましょう。

 

5.象限のまとめ

高校で習う象限については、特に難しい部分はありません。

座標平面を4つに分けて、それぞれを第1から第4まで分けたものだからです。
直感的にわかりますし、間違える要素もほぼないでしょう。

また、ここまで見てきたように例題としても、任意の点がどの象限にあるのかを聞かれることがほとんどです。
つまり、xとyの正負のみを見ていれば、よほどのケアレスミスでなければ間違うこともありません。

ちなみに高等数学になったとしても、第1象限は必ず右上と決まっています。
ただし数学以外の分野では第2象限を、第1象限とするケースがあるそうです。
現代では文章を左上から書くことが多いので、左上にあたる第2象限を最初に認識するのも、おかしくないかもしれません。

とにかく、何度もお伝えしますが、数学においては右上が第1象限で、反時計回りに第2象限、第3象限、第4象限となっていくのを覚えておいてください。

高校の数学では複雑なものはありませんので、確実に点を取るためにもケアレスミスにだけ注意しましょうね。

 

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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