約数の総和の公式・求め方2つを早稲田生が丁寧に解説!計算問題付き
中学数学・高校数学における約数の総和の公式・求め方について解説します。
本記事では、数学が苦手な人でも約数の総和の公式・求め方(2つあります)が理解できるように、早稲田大学に通う筆者がわかりやすく解説します。
また、なぜ約数の総和の公式が成り立つのか?の証明も紹介しています。
最後には約数の総和に関する計算問題も用意した充実の内容です。
ぜひ最後まで読んで、約数の総和の公式・求め方・証明を理解してください!
※約数の総和と一緒に、約数の個数の求め方を学習することがオススメです。
ぜひ約数の個数の求め方について解説した記事も合わせてご覧ください。
1:約数の総和の公式(求め方)
例えば、Xという数の約数の総和を求めたいとします。
約数の総和を求める手順としては、まずXを素因数分解します。
※素因数分解のやり方がわからない人は、素因数分解について解説した記事をご覧ください。
X = pa × qb
と素因数分解できたとしましょう。
すると、Xの約数の総和は、
(p0+p1+p2+・・+pa)×(q0+q1+q2+・・+qb)
で求めることができます。
以上が約数の総和の公式(求め方)になります。
ただ、これだけでは分かりにくいと思うので、次の章では具体例で約数の総和を求めてみます!
2:約数の総和を求める具体例
では、約数の総和も求める例題を1つ解いてみます。
例題
20の約数の総和を求めよ。
解答&解説
まずは20を素因数分解します。
20 = 22×5 ですね。
よって、20の約数の総和は
(20+21+22)×(50+51)
= (1+2+4)×(1+5)
= 42・・・(答)
となります。
※22×5は、22×51と考えましょう!
また、a0=1であることに注意してください。
念のため検算をしてみます。
20の約数を実際に書き出してみると、
1, 2, 4, 5, 10, 20
ですね。よって、20の約数の総和は
1+2+4+5+10+20=42
となり、問題ないことが確認できました。
3:約数の総和の公式(証明)
では、なぜ約数の総和は先ほど紹介したような公式(求め方)で求めることができるのでしょうか?
本章では、約数の総和の公式の証明を解説していきます。
Xという数が、
X = pa × qb
と因数分解できたとします。
この時、Xの約数は、
(p0,p1,p2,…,pa)、(q0,q1,q2,…,qb)
から1つずつ取り出してかけたものになるので、
約数の総和は
p0×(q0+q1…+qb) + p1(q0+q1…+qb) + … + pa(q0+q1…+qb)
となり、(q0+q1…+qb)でまとめると
(p0+p1+……+pa)×(q0+q1+……+qb)・・・①
となり、約数の総和の公式の証明ができました。
参考
①は初項が1、公比がp(またはq)の等比数列とみなせますね。
なので、①で等比数列の和の公式を使ってみます。
※等比数列の和の公式を忘れてしまった人は、等比数列について詳しく解説した記事をご覧ください。
すると、
① = {1-p(a+1)/1-p}×{1-q(b+1)/1-q}
となりますね。
約数の総和の公式がもう一つ導けました(笑)
こちらの約数の総和の公式は、余裕があればぜひ覚えておきましょう!
4:約数の総和の計算問題
最後に、約数の総和を求める計算問題を3つご用意しました。
ぜひ解いてみてください。もちろん丁寧な解答&解説付きなので、安心して解いてください。
計算問題
以下の3つの数の約数の総和を求めよ。
【 10 , 16 , 120 】
解答&解説
10を素因数分解すると、
10=2×5なので、
約数の総和
=(20+21)×(50+51)
=18・・・(答)
16を素因数分解すると、
16=24なので、
約数の総和
=(20+21+22+23+24)
=31・・・(答)
120を素因数分解すると、
120=23×3×5なので、
約数の総和
=(20+21+22+23)×(30+31)×(50+51)
=360・・・(答)
「約数の総和の公式」まとめ
いかがでしたか?
約数の総和の公式・求め方・証明が理解できましたか?
約数の総和を求める問題は、テストやセンター試験でもよく出題されます。
ぜひ解けるようにしておきましょう!