【電場と電位】単位と公式を即理解!!

物理 2018.12.6

高校の物理学において、しばしば混同されるのが電場と電位です。
少し難しいものですが、しっかりと理解すれば間違えるものでもありません。
そこで単位や公式などをわかりやすく解説してみましょう。

1.電場を理解しよう

電場と電位の2つのうち、電場とは、端的にいうと空間のことです。
もう少し正確に言えば、電荷に力を及ぼす空間になります。

理学系だと電場、工学系では電界と呼ぶことが多いのですが、どちらも同じ意味になります。
ちなみに電束密度との違いをはっきりとさせるために、電場の強さと呼ぶこともあるようです。

定義としては、自由電子が存在しない空間において、正の単位電荷量を持っている電荷、いわゆる試験電荷を静止した状態でおいた時に、生じる電気的な力が電場となります。

位置をr、電荷量q、働く力をFとすると、

F=qE(r)

という公式が成り立ちます。

電場における方程式としては、クーロンの法則マクスウェル方程式といったものが代表的です。

一般的な例の1つに山になぞらえるものがあります。電場とは山で言うのなら、その場における勾配、いわゆる傾きを意味します。
つまり、単位長さあたりの電位の変化が、電場といってもいいでしょう。
電位を微分することで得られる値と言い換えられます。

 

2.【電場と電位】電位を理解しよう!

続いては電位についてです。

電位とは先ほどの山の例で言うと、高さに相当します。
これは力学でいうところの、位置エネルギーに相当するものだと考えてください。
位置エネルギーの定義にある力学的な力は、そのままクーロン力に置き換えることができるからです。

力学で考えると、球体を高い場所から転がしたとき、位置エネルギーが運動エネルギーに変換されて、どんどん加速していきます。
電位もまた同じで、貯蓄ができるエネルギーの指標だと考えるとわかりやすいでしょう。
ちなみに2つの異なる電位の差のことが、電圧です。

電位の基本的な式が、

U=qV

になります。

この式で、Uは電荷の位置エネルギーであることを示しています。
さらにこのqが+1C(クーロン)の時は U=V と表記されるのです。

これは試験電位における電荷ですから、そのまま位置エネルギーとも換算できます。
一般的な物理における仕事とは力と距離をかけたもので表しますが、電位の場合は少し異なります。

先ほどの山の例を思い出してください。
高い位置にいくほど、勾配が急になることで必要な力が大きくなっていくからです。
電気的に言えば、勾配が急になるほどクーロン力が必要とされる量が増えるために、一定の力と距離では計算ができません。
そこで必要となってくるのが積分なのです。

 

3.では、実際の電場と電位の問題はどうやってとけばいいのか?

では、電場と電位に関する問題にはどう臨めばいいのでしょうか?解説していきます。

良くある電磁気の問題としては、

AとBの2点があり、Aを基点とした場合にBは電位が高いか低いか、といったものです。

この場合に指標となるのが、電位差を求める公式であるV=Edになります。
電場の向きによって電位が下がることになるので、Aを基点とした場合はBの方が低くなるというのが正解です。

ここで再度まとめておきます。

電場とは傾きであり、ベクトル量である。
電位は位置エネルギーであるスカラー量である。

 

さらにわかりやすく、力学と対応をさせてみましょう。
一様な電場であるコンデンサーでは、重力と重力場による位置エネルギーと考えるといいでしょう。
点電荷の電場だと、万有引力と、引力による位置エネルギーとしてみてください。

ここで公式を比較してみましょう。
質量m kgの物体の位置エネルギーUを産出するには、U=mghとなり、gは重力加速度、hは高さです。
一方で試験電荷+1Cの位置エネルギーは、V=Edで、dは距離、Eは電場になります。
こうして考えてみると、改めて力学と似ていることが良くわかるでしょう。

電場と位置エネルギーの公式の比較

さらに点電荷のケースも紹介してみます。
万有引力の大きさは、

となります。
そして、万有引力の位置エネルギー

という式になります。

電磁気は正電荷に対して引力に影響をうける負電荷で考えると、整理しやすいです。
電気量が-Qとしてr分の距離がある位置での電場の強さを式にしてみましょう。


kはクーロンの法則における比例定数のことですね。

電位は

という形になります。

万有引力と電場は、距離の2乗に反比例する式となっているのが、共通項です。
位置エネルギーと電位は、距離に反比例しています。
このように類似する式をならべてみると、とても力学と似ているので、電磁気の分野も理解しやすくなるでしょう。

 

4.クーロンの法則も抑えておこう

電位と電場を理解するのに欠かせないのが、クーロンの法則です。
一般的にクーロンの法則は、荷電粒子の間で起こる相互作用のことを意味しています。
静電気力のことはクーロン力とも言うので、覚えておくといいでしょう。

異なる荷電粒子の間で引き合う、または反発するといった力は、電荷の積に比例するもので、距離の2乗に反比例をするといったものですね。
電磁気分野の基本中の基本法則になります。
公式としては、

で表されます。
先ほどあげたものですね。
q1とq2の積が0より大きい場合は反発する力を、反対に0より小さい場合は引き合う力を表します。

 

5.クーロンの法則の豆知識

クーロンの法則は1785年に、フランスの物理学者であるシャルル・ド・クーロンによって導かれました。
そのためクーロンの法則と名が残っているのですが、実はクーロンよりも前に、さらに高い精度で距離の2乗に反比例をする解を導き出していた人がいます。
それはイギリスのキャヴェンディッシュで、こちらは1773年に解を得ていたそうです。
しかし、キャヴェンディッシュは研究資料を、発表しなかったためにその名が残ることはありませんでした。
数学の世界でも似たようなことがありますが、当時の学者はおいそれと研究内容を発表しなかったようですね。

 

6.電磁気における勉強の方法

物理の中でも、苦手とする人が多いのが電磁気の分野です。
力学などは説明される現象を想像しやすいため、まだ分かりやすい部類だと言えるでしょう。
しかし、電磁気となるとイメージをするのも難しくなってしまいます。
そこで大切なのは、基本を忘れないことです。
電場という空間があって、そこに電荷を持っている粒子を置くと力が働くというのが電磁気分野における大原則になります。

さらに理解のしやすい力学に似せてみるといいです。
力学における基本の公式の1つに

ma=F

があります。
質量を持った物体に加速度を加えた時の公式ですね。
これの単位を入れ替えると、

qE=F

とできますね。
これは電磁気分野で使われる単位です。

また、単位そのものを意識しておくのもお勧めです。
ちなみに高校の物理では、どうしてこうなるんだ?といった公式もでてきます。
ただ高校で習う範囲内では原因を追及できないものですから、ある程度は割り切ってしまって覚えるのも大切です。
その代表が電場の式である

ですね。
他にも問題となるのが、似たような公式や、複雑なものが多いというケースがあります。
これはもう数をこなして、覚えていくしかありません。
繰り返し練習をすることで、正しい公式を学んでいくのがいちばんの近道です。

簡単な分野ではありませんが、しっかりと理解できれば受験ではミスをしにくい分野だけに、がんばって繰り返し問題を解くようにしましょう。

電位とは力学の位置エネルギーで、電場とは傾きであるという点を覚えておくと、2つを混同することはありません。
電磁気はわかりにくい分野ですから、繰り返し練習問題をとくことが合格への近道です。


アンケートにご協力ください!【志望学部に関するアンケート】

※アンケート実施期間:2018年12月18日~

受験のミカタでは、読者の皆様により有益な情報を届けるため、中高生の学習事情についてのアンケート調査を行っています。今回はアンケートに答えてくれた方から10名様に500円分の図書カードをプレゼントいたします。

【志望学部に関するアンケート】

アンケートに答える


この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している、高校生のための「受験応援メディア」です。

読み込み中