摩擦とは?摩擦力の公式や計算問題を解いてみよう!

物理 2019.10.2

物理の問題を解いていると、摩擦という言葉をよく目にするかと思います。
なんとなく理解しているつもりでも、実は摩擦がどんなものか説明できない、なんてことはありませんか?
この記事では、身近な現象である摩擦についてわかりやすく解説していきます。

 

1.そもそも摩擦とはなにか?

まず、摩擦という現象について解説していきます。
日頃生活している中でもよく起こる現象なので、他の分野より感覚的にイメージしやすくわかりやすいのではないでしょうか。

触れ合った物体に力を加えた時に力と逆向きに発生するものが摩擦です。

例えば、荷物をあらい地面に置いて手で動かそうとしたら動かしにくいときありませんか?
これは荷物を動かそうとする力とそれに抵抗する力が物体同士の接触面に働いているから動かしにくいのです。
この抵抗する力のことを摩擦力といいます。

スピードの速い滑り台に短いズボンなどで滑った時、皮膚が擦れて熱くなったり痒くなったりするのも、摩擦力が働いているからです。

また、物理で摩擦を勉強するにあたって知っておかなければならないことがあります。

それは、文中で「あらい面」と書かれていたら摩擦のある面のことなので摩擦力を考えないといけませんが、「なめらかな面」と書かれていたら摩擦のない面のことなので摩擦を無視することができます。
つまり摩擦力は0ということです。
現実では摩擦がないということはほぼあり得ませんが、物理学の世界ではその場合も考えます。

どちらの面が使われているかで解答が全く異なるので、問題文を読んだらチェックしておくことをオススメします。

 

そして、物理学では摩擦力を3種類に分けて考えます。

①物体が静止している時に働く静止摩擦力
②静止していた物体が動き出す瞬間に働く最大静止摩擦力
③運動している物体に働く動摩擦力

この3つを区別して考えることができるようになるのがこの範囲ではとても重要になってくるので、次の項で詳しく解説していきます。

 

2. 3種類の摩擦力の徹底解説!公式付き

①静止摩擦力

先ほども説明しましたが、物体が静止している時に働いているのが静止摩擦力です。

水平であらい面に物体を置き、水平方向に物体を引っ張るとします。

 

静止摩擦この時に物体が動き出さなかったら、静止摩擦力が物体と床の接触面に働いているということです。

物体が静止している状態であるということは、張力と静止摩擦力は釣り合っているということなので、静止摩擦力は力のつりあいから求めることができます。

外力(今なら張力)が大きくなれば大きくなるほど、静止摩擦力は大きくなるということです。

 

②最大静止摩擦力

①の状態で、しばらく張力=静止摩擦力の関係のままつりあいが保たれますが、静止摩擦力には限界があります。
どれだけ力を加えても物体が動き出さないということはあり得ません。
下図を見てわかる通り、引っ張る力によって動くか動かないかが変わります。

物体
物体にかける力をだんだんと大きくしていくと、あるところで、「引っ張る力」が静止摩擦力より大きくなり、物体が動き出します。

この物体が踏みとどまることができる最大(限界)の力のことを、最大静止摩擦力といいます。

最大静止摩擦力Fは、垂直抗力をNとすると以下の公式で表すことができます。

最大静止摩擦力:F=μN (μは静止摩擦係数)

この時勘違いする人がいるのですが、この計算に接触面の面積や物体の速さは一切関係ありません!

摩擦係数に関しては、以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
→摩擦係数がわからない人はこちら!

テストでよく見られる間違いが、この最大静止摩擦力です。
最大静止摩擦力の公式が使えるのは、「動き始めた」「まさに滑り始めた」など、ギリギリの状態のときのみです!!!

 

③動摩擦力

あらい(なめらかでない)面で物体が動く際にも、物体の動きを妨げる力が発生します。それを動摩擦力と言います。
力を少しずつ加えていくと、摩擦力は静止摩擦力→最大静止摩擦力→動摩擦力と変化していくというわけです。

動摩擦力F’は、垂直抗力をNとすると以下の公式で求めることができます。

動摩擦力:F’=μ’N (μ’は動摩擦係数)

このとき注意して欲しいのが、
・物体の速さは関係ない
・動摩擦力は一定
ということです。

物体が動いているということからイメージで逆のことを考えがちなので、間違えないようにしてください。

また、一般的に同じ面の動摩擦係数は静止摩擦係数より小さいと言われています。
このようなことはテストに直接出ないですが、知識として知っておくと便利です。

 

3. 摩擦力に関する練習問題

練習問題1

水平であらい面上に、4kgの物体が置かれている。この物体を水平方向に30Nの力で引いたとき。物体は静止したままだった。この時物体に働く静止摩擦力を求めよ。重力加速度は9.8m/s2とする。

(*解答は下にスクロール)

 

 

 

 

 

 

 

 

解答 : 30N
物体が静止したままということは、外力と静止摩擦力がつりあっているということなので30N。
物体の重さや重力加速度で数字がでているからといって惑わされないようにしましょう。

 

 

練習問題2

水平面の上に質量3.0 kgの物体を置き、物体に対して水平に右向きの力Fを加える。
物体をすべらせるために必要な力Fの大きさは何Nより大きければよいか。
このとき静止摩擦係数は0.8、重力加速度gは9.8 m/s2とする。

(*解答は下にスクロール)

 

 

 

 

 

 

 

 

解答:23.5Nより大きければ良い
物体がすべり出すためには、最大摩擦力f0より大きい力を加えればよいため、公式を用い、最大摩擦力f0を求めます。

垂直方向の力のつり合いを考えると、N=3.0×9.8
水平方向の力のつり合いを考えると、F=f0=μN=0.80×3.0×9.8=23.52

よって答えは「23.5 Nより大きい力」となります。

 

練習問題3

水平であらい面の床の上に1kgの物体が置かれている。この物体を水平方向に引き、0.2m/sの等速直線運動をさせた。この時物体に加えた力の大きさが0.98Nであった時、物体と床の動摩擦係数はいくらか。この時、重力加速度は9.8m/s2とする。

(*解答は下にスクロール)

 

 

 

 

 

 

 

 

解答:0.1
等速直線運動をしているということは、外力と動摩擦力がつりあっているということなので、
動摩擦力=外力=0.98N
動摩擦力の公式を用いて 0.98=μ×1×9.8
したがって  μ=0.10 となります。

 

4.摩擦のまとめ

摩擦について詳しく紹介してきましたが、理解できたでしょうか?
力学範囲は、苦手な人がとても多い分野です。
しかし、一度理解することができれば、間違えることが少なくなる分野でもあります。
ぜひこの記事を活用して、成績アップに役立ててください。
摩擦関係の記事は他にもありますので、そちらもぜひ活用してください!

→摩擦係数について詳しく学びたい人はこちら!

→摩擦力の公式の応用版を勉強したい人はこちら!

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この記事の執筆者

ニックネーム:もも

早稲田大学2年
大阪府出身
好きなこと:料理、ダンス、身体を動かすこと
得意教科:数学
ハマってること:インスタで美味しそうな画像を見ること