浮力の公式&求め方とは?すぐに計算問題が簡単に解けるようになる!

物理 2024.10.3

浮力とは、水中で物体を上に押し上げようとする圧力の事です。今回は、浮力の公式と実際に浮力を使ってどのように計算するのかについて紹介します。

 

1. 浮力の公式をマスターしよう

 

F:浮力[N]=VρgV:物体の体積[m3] ρ:流体の密度[kg/m3] g:重力加速度[m/s2]

⚠️浮力は物体が排除した流体の重さに等しいです(アルキメデスの原理)。ですので、浮力は物体の質量とは無関係です。

つまり、1M3の鉄と1M3の発泡スチロールでも浮力は同じになります。

ただ、鉄は水に沈んで、発泡スチロールは水に浮かびます。それは、なぜでしょうか?次の章で詳しく説明します。

 

2. 浮力の計算をしてみよう

それでは、具体的に浮力を計算してみましょう。

よく太っている人は浮き易いと聞きますよね?今回はそれを検証します。

あまり、人を体積で表す事はありませんが、浮力を計算するので体積で表します。また、水の密度は1000[kg/m3]、重力加速度を9.8[m/s2]で計算しましょう。

A君(筋肉質):0.07m3[70L]、80kg
⇒密度:80kg÷0.07m3=1140[kg/m3]

B君(脂肪が多い):0.07m3[70L]、60kg

⇒密度:60kg÷0.07m3=860[kg/m3]

一方の人が沈んで、一方の人が浮きます?分かりますか?

【A君】

A君にかかる浮力は、0.07×1000×9.8=686[N]

A君にかかる重力は、80×9.8=784[N]

よって、下向きの力である重力が大きいので、A君は沈みます

【B君】

B君にかかる浮力は、0.07×1000×9.8=686[N]

B君にかかる重力は、60×9.8=588[N]

よって上向きの力である浮力が大きいのでB君は浮きます

ちなみに、水の中では、物体の密度が1000[kg/m3]を超えると沈み、1000[kg/m3]以下だと浮きます。理由を簡単に説明します。

p[kg/m3]を水の密度、p1[kg/m3]を物質の密度、M[kg]を物体の重さとすると、M=Vp1が成り立ちます。すると、重力、浮力は以下のように表す事が出来ます。

重力F1=Mg=Vp1g[N]

浮力F2=Vpg[N]

よって、図のように、合力を上向きに設定すると、

合力浮力重力=F2F1=Vpg-Vp1g=Vg(p-p1)

になります。

水においては、密度は1000[kg/m3]だから

=Vg(1000-p1)

人の密度は、おおよそ920[kg/m3]~1060[kg/m3]と言われています。ですので、1000を超えている人は浮きません。A君は、1140[kg/m3]なので沈み、B君は860[kg/m3]なので浮きます。

ちなみに、海水の密度は1030[kg/m3]なので、プールよりも浮き易くなっています。

浮力の公式のまとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました。

F:浮力[N]=Vρg

V:物体の体積[m3] ρ:流体の密度[kg/m3] g:重力加速度[m/s2]

この公式を覚えておきましょう。

 

がんばれ、受験生!

アンケートにご協力ください!【利用状況に関するアンケート】

※アンケート実施期間:2023年4月5日~

受験のミカタでは、読者の皆様により有益な情報を届けるため、受験のミカタの利用状況についてのアンケート調査を行っています。今回はアンケートに答えてくれた方から10名様に500円分の図書カードをプレゼントいたします。



記事の内容でわからないところ、質問などあればこちらからお気軽にご質問ください。

中の人がお答えします。

この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している「受験応援メディア」です。