運動量保存則を衝突実験で証明!もう運動量保存則は完璧だ
運動量保存則を物理が苦手な人でもわかるようにスマホでも見やすいイラストで丁寧に解説します。
運動量保存則の実験で有名な衝突実験を使って、運動量保存則が成り立つことを証明しています。
また、最後には本記事で学習した運動量保存則がしっかり理解できたかを試すのに最適な計算問題もご用意しました。
本記事を読み終える頃にはもう運動量保存則は理解できているでしょう。ぜひ最後までお読みください。
1:運動量保存則の衝突実験
運動量保存則を導く実験として、物体の衝突実験があります。これをもとに運動量保存則を解説します。
以下のイラストのように一直線上を質量mAの物体が速度VAで運動し、その前方を質量mBの物体Bが速度VBで運動しているとします。
VA >VBであれば、以下のイラストのようにAはBに衝突しますよね。衝突すると、AとBは接触し、この間に作用反作用の力を及ぼし合います。
※作用反作用については、作用反作用の法則について解説した記事をお読みください。
そして、衝突後のA・Bの速度をV‘A・V‘Bとします。
この時、運動量保存則、すなわち以下の式が成り立ちます。(証明は次の章でします。)
[運動量保存則の公式]
衝突によって、個々の物体の運動の運動量が変化しても、それらの運動量の和は変化しない。
mAVA + mBVB = mAV‘A + mBV‘B
この式を運動量保存則と呼んでいます。
2:運動量保存則の証明
では、なぜ先ほど紹介した運動量保存則の式が成り立つのでしょうか?その証明をします。
先ほど紹介した衝突中のイラスト(2枚目)をもう1度見てみましょう。
BがAから受けた力をFとすると、作用反作用の法則よりAはBからーFの力を受けます。
接触していた時間をtとします。すると、
Aが受けた力積:ーFt = mAV‘AーmAVA・・・①
Bが受けた力積:Ft = mBV‘BーmBVB・・・②
※力積は力[N]×時間[t]で求められました。
①と②を足してFtを削除します。すると、先ほど紹介した運動量保存則の公式
mAVA + mBVB = mAV‘A + mBV‘B
を導くことができます。以上が運動量保存則の証明です。
3:運動量保存則の計算問題
最後に、本記事で運動量保存則が理解できたかを試すのに最適な計算問題をご用意しました。ぜひ解いてください。
[運動量保存則の計算問題]
質量5トンの車が20km/hで走ってきて、前方に静止していた質量10トンの車に衝突し、連結した。連結直後の車の速度を求めよ。但し、静止していた車にブレーキはかかっていなかったものとする。
[解答&解説]
運動量保存則の公式を使います!
連結直後の車の速度をV[km/h]とします。
衝突前の運動量の和と衝突後の運動量の和は等しいので、
5×20 = (5+10)×V より、
100 = 15×V
V = 6.7[km/h]・・・(答)
となります。
運動量保存則の公式は必ず暗記しましょう!
運動量保存則のまとめ
いかがでしたか?運動量保存則が理解できましたか?
繰り返しになりますが、運動量保存則の公式はとても重要です。衝突前の運動量の和と衝突後の運動量の和は等しいということを必ず頭に入れておいてください。
記事の内容でわからないところ、質問などあればこちらからお気軽にご質問ください。
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