ニュートンは何キログラム重なの?単位としてのニュートン(N)をわかりやすく解説します!

中学1年生で習った、ニュートン(N)。とりあえず、100 gで1 Nと覚えて受験を乗り切ったという人もいるのではないでしょうか。
この覚え方では、高校生になって応用問題が出たら、途端にわからなくなってしまいます。
そこで、現役の塾講師でもある筆者が、高校で習う運動方程式を知っている人ならすぐに理解してもらえるように、ニュートン(N)がどういう単位なのか丁寧に説明します。
また、初めのほうは中学生でもわかるように書くので、単位変換に困っている方は参考にしてみてください。
最後にはニュートン(N)の別の表し方まで説明します。(このテクニックはテストなどの見直しにも使えるので覚えておくといいです)
本記事を読んだ後、読者の物理に対する理解レベルが一段あがるはずです。
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1. ニュートン(N)とキログラム(kg)の違い!!
さてまずは、ニュートン(N)とキログラム(kg)のそれぞれの意味について説明します。
ニュートン(N)の概念・定義とは?
一方、ニュートンとは力の大きさを表す単位のことです。
例えば、ボーリングの球を持っているとします。
そうすると、重いと感じますよね? 重いと感じるのはボーリングの球が地球からの重力により引っ張られているからです。
その重いと感じる度合い(力の度合い)をニュートン(N)を使って表します。
ちなみに重さとは、重力の大きさのことです。
当然、ニュートンは力の大きさを表す単位なので、重力以外の力にも使うことができます。
キログラム(kg)の概念・定義とは?
結果から言うと、キログラム(kg)とは質量の単位のことです。
質量とは物体を構成する原子や分子の種類や数によって決まっている物質の量です。
この物質の量のことを質量と言います。
なので、質量は測る場所によって決まる訳ではありません。
重さと質量の違い
ここで少し質量と重さに関するクイズをします。
あなたは地球上で野球ボールとボウリングの球を持っています。
そうすると、あなたはボウリングの球のほうが重く感じますよね?
質量が大きいほうが重く感じるので、野球ボールとボウリングの球とでは、ボーリングの球のほうが質量が大きいとわかります。
では、地球と月でボーリングの球を持ったとしましょう。月のほうが重力が小さいので、月では地球に比べ、ボウリング球を軽く感じるはずです。
では、月ではボウリングの球の質量が小さくなっているのでしょうか…..?
答えは No です。質量は物質を構成する原子や分子の種類や数によって決まります。月に行ってもそれは変わらないので、質量は変わりません。
かわりに、月ではボウリング球を引っ張る力が小さくなるので、重さが変化します。
つまり、物質の「質量」は重力の大小と関係ないけど、「重さ」は重力によって変わるということです。
2. キログラム(kg)からニュートン(N)への単位変換
ここでは、ニュートンやキログラムに関係する重力の簡単な計算問題を行いましょう。
問題
地球上で、100 g の物質に 1 N の重力が働くとします。
では、地球上で 600 g の物質にかかる重力は何ニュートン(N)でしょうか。
解答&解説
答えは、600 ÷ 100 = 6より、6(N)です。
それでは、もう1つ
問題
地球上で、100 g の物質に 1 N の重力が働くとします。
では、月で 600 g の物質にかかる重力は何ニュートン(N)でしょうか?
ただし、月での重力は地球上の 1/6 とします。
解答&解説
先ほど計算したように、地球上で600gの物質にかかる重力は 6(N)。
よって月では、6 ×(1/6)= 1 より、1(N)が正解です。
いかがでしょうか? 質量と重さ、キログラムとニュートンの違いについてイメージはつかめたでしょうか。
3. ニュートン(N)=(kg・m/s^2)とは?
よく教科書などでニュートン(N)を基本単位系で表すと (kg・m/s^2)になると書いてあります。これがどういう意味なのか説明したいと思います。
上の式は運動方程式です。当然、方程式なので左辺と右辺は同じもののはずです。なので単位も一致します。
左辺の F は力なので、その単位はニュートン(N)です。
一方、右辺の m は物体の質量なので単位はキログラム(kg)です。また、a は加速度のことなので単位は(m / s^2)となります。
よって、単位は全体で(kg・m/s^2)となります。
ここで両辺は等式で結ばれていることから、両辺の単位も同じはずです。
これにより(N)=(kg・m/s^2)が導出できます。
このように、単位を メートル(m)、キログラム(kg) 、秒(s)だけで表す単位系を MKS単位系 といいます。
電荷を考えない場合、基本的にこの3つの単位で物理量は表せます。
また、電荷が与えられた場合は、上の三つの単位に電流の単位であるアンペア(A)を加えた4つで全ての物理量は表すことができます。これをMKSA単位系と言います。
答えが複雑な問題の見直しをするとき、MKSA単位系で単位があっているか確認することで間違えを見つけることもできるのでテクニックとして覚えておきましょう。
4. ニュートンの豆知識
ここでは、万有引力を発見したアイザック・ニュートンを紹介します。
万有引力の発見
ニュートンが万有引力があると閃いた背景には2つの発見があります。それは、
・ガリレオ・ガリレイによる自由落下の法則
・ケプラーの天体運動の解明
です。
これらの発見から、「地球上の物体には地面(地球)に向かって引かれる力が働いていること」、「太陽と惑星の間に磁力のような引っ張り合う力が働いていること」がわかっていました。
そしてこれら2つの説を結び付けるようにして発見されたのが、ニュートンによる万有引力です。
万有引力の発見により、地球上の物体にかかる重力と、天体同士が引き合う力が同じものであることが分かったのです。
ニュートンは、庭にあるリンゴの木からリンゴが落ちるのを見て
「なぜリンゴは落ちてくるのに、月は落ちてこないのだろうか?」
と考え、それをきっかけにして万有引力を導き出したといわれています。
いかがでしたでしょうか?
ニュートンとキログラム、重さと質量の関係は意外に忘れてしまいがちなので、この記事で覚えておきましょう。
ニュートン(N)とキログラムのまとめ
ニュートンとは力の大きさを表す単位のことだということは、理解できましたでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
がんばれ、受験生!