定常波を基礎から解説!公式や原理を理解すれば簡単!

物理 2020.2.7

高校物理の問題でよく定常波という言葉を見かけますが、きちんと理解できているでしょうか?

波は様々な名称があるため、何となく理解していた気になっていたり、そもそも拒絶反応が出てしまったり、スムーズに問題が頭に入ってこない人も多いのではないでしょうか。

この記事では定常波に関する基本的な用語や公式を、ひとつずつ整理して解説していきます。

苦手な人は少しずつ理解していき、理解できている人も更に理解を深めていきましょう。

1.そもそも定常波とはなにか?

まず、定常波とはなにかを簡単に解説します。

定常波とは、一言で表すと、「その場で振動する進まない波」です。

言葉だけではイメージができないかもしれませんが、楽器の弦や、両端を持って弾いた輪ゴムのような動きと思ってください。

定常波は進まない波ですが、その場にとどまらず、ある方向に進んでいく波を進行波といいます。

波と聞くと、進行波をイメージする人がほとんどではないでしょうか。

そのイメージの通り定常波はある条件が重なった時に出現する波であり、進行波よりも表れにくいです。

では、どのような条件で定常波は発生するのでしょうか。
これから解説していきます。

先ほど説明したように、通常、波はある方向に進んでいきます(進行波)。
次に、向かい合う図のような2つの進行波を想像してください。

定常波の発生について

 

このあと2つの波はぶつかり、重なりあい合成された波となります。
このときできる合成された波が定常波とよばれるのです。

定常波の振動の様子は図のようになります。

山と谷が交互に繰り返されるので、確かに振動はしているのですが、山と谷が決まった箇所にしか現れないため、その場で振動する波のように見えるのです。

なお、定常波において最も大きく揺れ動く点をとよび、まったく動かない点をとよびます。

2.波の基本用語

・波源
波の発生源のことを波源とよびます。

・振幅
波における、山の高さや谷の深さを振幅といいます。
振幅は、よく A で表されます。
振動の大きさは、減衰が無ければ波源で起きた振動の大きさと同じです。

・波長
ある山から、次の山までの長さを、波長といいます。
波長は、λで表されることが多いです。
また、山と山との間の長さは、谷と谷との間の長さと同じです。

・周期
波は繰り返されて進んでいるため、ある位置を1つの山が通過してもしばらく時間が経
過すれば、次の山が来て同じ形を繰り返します。
同じ波形が現れるまでの時間を周期とよび、記号は T [sec]を用いて書かれます。

・振動数
1秒間にf回正弦波中の1点が現れることを振動数fとよびます。
T秒間に点が1度現れるため、1秒間には 1/T回の点が現れます.つまり、振動数の数式の式が成り立ちます。
振動数の単位はHzが用いられます。

 

・速度
物質中を振動が伝わる速度を v とよびます。
vは物質の性質によって異なる定数であり、振動の性質にはよりません。
波が伝わる速度と波の周期から、波が1周期のうちに進む距離を計算することができま
す。この距離を波の波長λとよびます。
波長λは振動が1周期内に進む距離なので、波の速度vと周期Tを用いて次のような式で表せます

波の重ね合わせの原理
2つの波は、ぶつかると重なって1つの波になります。
重なってできた波を「合成波」と呼びます。

"darujii″

下の図は、赤い真ん中の線が合成波ルマ!

波の重ね合わせの原理①波の重ね合わせの原理②

波の重ね合わせの原理③

図に示したように、2つの波がぶつかり、重なった後は元波形を保ってすり抜けるように進んでいきます。波がぶつかっても、それぞれの元の波の波形は変化せず、そのまま進行することを、波の独立性とよびます。

3.定常波の現れる条件

定常波が進行する2つの波が重なり合ってできることを、前の項で説明しましたが、どのような波でも発生するわけではありません。

ここでは、定常波ができる条件について説明します

 

定常波は、互いに逆向きに進む2つの波が3つの条件を満たした場合に起こります。

条件1.同じ速さ

条件2.同じ振幅

条件3.同じ波長

 

この条件は、異なる波の発生源ではなかなか起こりにくいのですが、一つの発生源から起こる波の、入射波と反射波では起こることがあります。反射板に向かっていく波と反射されて戻ってきた波で定常波が起こるのです。

入射波と反射波は方向が互いに逆向きとなっており、同じ発生源のため反射で速さや振幅、波長は変わらないので、定常波のできる条件がすべて満たされます。

定常波は入射波と反射波の合成で発生する現象と覚えておいてもよいでしょう。

4.定常波の練習問題

ここからは、高校物理の試験で出題される定常波に関する問題を練習してみましょう。

仕組みがわかれば簡単な計算となりますので、ぜひチャレンジしてみてください。

 

 【例題1】

長さ3.6mのロープの一端を固定し、他端を上下に振動させたところ、図のような定常波が生じた。波の振動数を2.0Hzとする。
例題1の画像
(1)定常波の波長を求めよ

(2)ロープを伝わる波の速さを求めよ。

(※以下に解答と解説)

 

 

 

 

 

 

 

解説

(1)波長λを求める問題です。図を見ると6mの長さの中に山が3つ分入っています。

波の性質として、山2個分で1波長 ですので、山1個分は半波長となります。

つまり、例題1の途中式より、波長が求められます。
例題1の計算式

(2)ロープを伝わる定常波を作っている、発生源の波の速さを求める問題です。
2で学んだように、波の速さvは振動数fと波長λを使って、
v=fλと表せます。
(1)の結果より、波長が計算できていますので、
v=fλ
=2.0×2.4
=4.8 m

 

 

 【例題2】

例題2の画像

定常波について、振動の周期は0.4s、腹の位置における振れ幅は10cmです。
位置Oにおいて、ある時刻の変位が-10cmのとき、その0.3s後の変位は何cmでしょうか。

(※以下に解答と解説)

 

 

 

 

 

 

 

 

【解説】

定常波の振幅は時間により、-10→0→10→0→-10 と周期的に変化していきます。
ひと周期が0.4sですので、-10cmから0.1s経つと0cm、0.2s経つと10㎝、0.3s経つと0㎝、0.4cm経つと-10cmの位置にくることがわかります。
よって、0.3sの変位は0cmとなります。

5.まとめ

定常波について、現象や発生する条件を細かく解説をしてきましたが、まとめると以下のようになります。

  • 定常波は「その場で振動する進まない波」ある方向に進んでいく波は進行波とよぶ。
  • 2つの進行波がぶつかり、重なりあったとき合成され、定常波が発生する。
  • 2つの波は、ぶつかると重なって1つの波になる。重なってできた波を「合成波」とよぶ。
  • 2つの波がぶつかり、重なった後は元波形を保ってすり抜けるように進む。これを波の独立性とよぶ。
  • 定常波は、互いに逆向きに進む2つの波が3つの条件を満たした場合に起こる。

1.同じ速さ、2.同じ振幅、3.同じ波長

 

異なる波の発生源では起こりにくいが、一つの発生源から起こる波の入射波と反射波で起こることがある。定常波は入射波と反射波の合成で発生する現象と考えてよい。

 

進行波、定常波など、様々な波があり最初は区別がつきにくいかもしれませんが、どのようなものなのか、この記事を読んで理解を深めると、少し問題が解きやすくなると思います。

 

また、波の基本用語についても触れていますので、テスト前の復習などで是非活用してみてください!

アンケートにご協力ください!【コロナ禍の学習環境に関するアンケート】

※アンケート実施期間:2020年9月2日~

受験のミカタでは、読者の皆様により有益な情報を届けるため、中高生の学習事情についてのアンケート調査を行っています。今回はアンケートに答えてくれた方から20名様に勉強に役立つ文房具5点セットをプレゼントいたします。


アンケートに答える


受験生の勉強に役立つLINEスタンプ発売中!

受験生が使いやすい「受験のミカタ」勉強LINEスタンプ販売中!


最新情報を受け取ろう!

プッシュ通知を許可する

受験のミカタから最新の受験情報を配信中!

この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している、高校生のための「受験応援メディア」です。