熱効率の求め方がイラストでよくわかる!豆知識&計算問題付き
高校物理における熱効率とは何か・熱効率の求め方(熱効率の公式)について、現役の早稲田生が解説します。
熱効率とは、熱機関が高熱源から吸収した熱量の何%を仕事に変換できるかの割合を示したものです。(のちに詳しく解説)
本記事では、物理が苦手な生徒でも、熱効率について理解できるよう、スマホでも見やすいイラストを使いながら丁寧に解説します。
最後には、熱効率の豆知識や計算問題も用意した充実の内容です。
ぜひ最後まで読んで、熱効率をマスターしてください!
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1:熱効率の前に、まずは熱機関を復習!
熱効率の求め方を理解するには、熱機関の理解が必要です。
なので、熱効率の求め方を学習する前に、まずは熱機関の復習をします。(熱機関が理解できている人は次の章へ行って大丈夫です。)
熱機関とは?
熱機関とは、ガソリンエンジンや蒸気機関、ディーゼルエンジンのように、燃料を燃焼させることによって得られた熱エネルギーを仕事に変換する機関・装置のことです。
例えば、蒸気機関車などは、燃料を燃焼させることで動いて(仕事して)いますよね?
蒸気機関車は燃料を燃焼させることによって得られた熱エネルギーで動いているのです。
熱機関の仕事の仕組み
熱機関は、燃料を燃焼させることによって得られた熱エネルギー(高熱源)の一部を仕事に変換します。
残りの熱エネルギーは、外部の大気中(低熱源)に放出されます。
以上が熱機関の仕事の仕組みです。
では、次の章からは熱効率とは何か・熱効率の求め方を解説します。
2:熱効率とは?
まずは、熱効率とは何かについて解説します。
1章より、熱機関の仕事について解説しました。
熱効率とは、熱機関が高熱源から得た熱量(熱エネルギー)の何%を仕事に変換できるか?という割合を示したものです。
※仕事に変換できなかった熱エネルギーは外部の大気中(低熱源)に放出されるのでした。
熱効率は別名、熱機関の効率とも呼ばれています。
以上が熱効率とは何かの解説です。次の章からは、熱効率の求め方(公式)を解説します。
3:熱効率の求め方(公式)
では、熱効率の求め方(公式)を解説していきます。
熱機関が高熱源からQ1[J]の熱エネルギーを吸収し、仕事W[J]を行ったとします。
そして、外部の大気中(低熱源)にQ2[J]の熱を放出したとします。
※この時、Q1=W+Q2になりますね。
熱効率とは、高熱源から吸収した熱量(熱エネルギー)の何%を仕事に変換できたか?を示すので、
熱効率(eとする)は、
e = W/Q1
となります。
ここで、W=Q1-Q2なので、
熱効率e
= (Q1-Q2) / Q1
= 1 – Q2/Q1
とも表すことができます。
熱効率の求め方(公式)の解説は以上になります。
4:熱効率は100%にはならない!
熱効率eの求め方(公式)は、
e = 1 – Q2/Q1
でした。
ここで、Q2に注目します。
低熱源(外部の大気中)の温度が0[K]のとき以外は、Q2>0となります。
したがって、熱効率e < 1 となります。
つまり、熱機関は、熱エネルギー全てを仕事に変換することはできないということです。
すなわち、熱効率100%の熱機関は存在しないということになります。
【熱効率の豆知識】
熱機関の熱効率は、蒸気機関で20%、ガソリンエンジンで30%、ディーゼルエンジンで40%程度とされています。
5:熱効率の計算問題
最後に、熱効率の計算問題を用意しました。ぜひ解いて、熱効率の理解を深めましょう!
熱効率の計算問題
毎秒800[J]の熱を吸収して、400[W]の仕事をする熱機関がある。
この熱機関の熱効率を求めよ。
解答&解説
熱効率の公式より、求める熱効率は、
400 / 800
= 0.5
したがって、求める熱効率は
0.5×100
= 50[%]・・・(答)
となります。
熱効率のまとめ
いかがでしたか?熱効率とは何か・熱効率の求め方(公式)が理解できましたか?
本記事では熱効率が100%になることはないという知識も紹介したので、ぜひ知っておきましょう!
熱効率は高校物理でも重要な分野の1つです。
熱効率の求め方(公式)を忘れたときは、本記事を読み返して熱効率の復習をしてください!