2022年にプログラミングが高校で必修化!具体的な内容や受験への影響は?

受験トピックス 2020.12.7

皆さんは2022年から高校の情報の授業でプログラミングが必修化されることを知っていますか?

非常に高度で難しいとされるプログラミングですが、皆さんがいま受けている情報の授業に追加されることが決定済みです。

具体的にどんな授業の内容なのか、そもそもなぜ必修化されるのか、など気になる人は多いでしょう。

そこでこの記事では、高校でプログラミングが必修化される背景から、予想される授業の内容について解説します。

		

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1.プログラミング教育の必修化とは?高校では2022年度から

2020年から小学校でのプログラミング教育が必修化されることを知っている人は多いでしょう。

また、中学校、高校でも必修化が決まっています。そもそもなぜ必修化されるのか、その背景について概要とともに解説します。

1-1.そもそもプログラミング教育の必修化とは?

そもそも、まずはプログラミングについて簡単に解説しましょう。

プログラミングはコンピュータを動かすために必要なプログラムを設計・構築することを表します。

例えば、ゲームもプログラムの一種であり、特定の場所をタップしたらアクションを起こす、といった設計・構築がなされています。

プログラミングについて、詳しくは「プログラミングって何?高校生が学ぶ理由とおススメの学び方」をご覧ください。

プログラミングはコンピュータに命令するための「プログラミング言語」で構築されるため、プログラミング言語の習得が欠かせません。

加えて、設計通りに動かすためにどんな命令をすればよいのか、といった論理的な思考が求められます。

プログラミング教育の必修化は、プログラミング言語の習得と論理的な思考の育成が主な内容になります。

プログラミング教育は2020年度に小学校、2021年度に中学校、2022年度に高校というスケジュールで必修化される予定です。

1-2.プログラミング教育必修化の目的や背景

現在のICT(Information and Communication Technology)環境は、どんどん進化し続けています。

私達が普段何気なく使っているスマホやWebサービスなども、ICT環境の進化によってもたらされました。

しかし、現在日本ではIT人材が不足しており、今後もその不足状況は悪化すると予想されています。

ICT環境は進化を続けており、最近よく耳にすることの多いAI(人工知能)やVR(仮想現実)・AR(拡張現実)などの技術は今までよりも高度な技術ですが、それを扱える人材が不足してしまうのです。

プログラミングはこれらのICTを根本から理解するために必要な知識・技術と言えるでしょう。

今後も進化を続けるICT環境のなかで、社会に出て働く際に情報系の知識の重要性は増しており、文部科学省もプログラミング的思考の育成が急務と考えています。

1-3.大学入試への影響は?

2022年度から必修化されるプログラミング教育ですが、従来の科目と比べると勉強方法も難易度も大きく異なります。

加えて、大学入試に情報科目が加わるという話もあり、大学入試への影響が気になる人も多いのではないでしょうか。

2020年度からはセンター試験が「大学入学共通テスト」に代わりますが、さらに今後は回答する際にコンピュータを使った受験方式に変わる予定です。

新しい受験方式となるCBT(Computer Based Testing)が採用され、大学入試にプログラミングが必要となる時期は2024年度からと言われています。

これは2022年度に入学した高校生が大学を受験する2024年度を見据えたものです。

これらの方針は、まだ今後、変わる可能性はありますが、大学入試でプログラミングが必要となる日はそう遠くないと考えてよいでしょう。

2.高校で習うプログラミング教育の内容は?

ここからは、高校で必修化されるプログラミング教育の内容について具体的に紹介します。

学習するプログラミング言語や技術などについて見ていきましょう。

2-1.共通必修科目「情報Ⅰ」に加えて選択科目として「情報Ⅱ」が新設

情報科目は「社会と情報」「情報の科学」の2科目から1科目を選択する形でしたが、今後は必修科目として「情報Ⅰ」、選択科目として「情報Ⅱ」に変わります。

文部科学省の学習指導要領を参照すると、情報Ⅰで習う内容は大きく次の4つに分けられます。

・情報社会の問題解決

・コミュニケーションと情報デザイン

・コンピュータとプログラミング

・情報通信ネットワークとデータの活用

プログラミング教育は「コンピュータとプログラミング」に含まれており、そのほかにも情報セキュリティやネットワーク、データベースなどについても学ぶことになります。

ネットワークではインターネットをはじめとする通信の仕組みや構成要素を学び、あわせてサイバー攻撃に対するセキュリティ対策についても学ばなければなりません。

データベースとは、データを蓄積する箱のようなものであり、さまざまなシステムで利用されているものです。

プログラミングでデータベースを利用する機会も多く、こちらもあわせて学ぶことになります。

新しい情報科目ではプログラミングだけでなくICT全般の基礎を学ぶことになり、ICTに関する理解を深めることが求められています。

2-2.学習するプログラミング言語や技術は?

では実際に学習するプログラミング言語はどんなものなのでしょうか。

世界の言語の中には、英語やフランス語、韓国語、中国語などさまざまな言語が存在するように、プログラミング言語にも多くの種類が存在します。

結論から言うと、現時点では明確に「このプログラミング言語を高校で学ぶ」と決まっているわけではありません。

例えば、小学校でのプログラミング教育では、プログラミング言語そのものよりも「プログラミング的思考」を育むことに重きがおかれています。

そのため、いわゆるプログラミング言語ではなく絵や記号を使い、感覚的にプログラミングができる「ビジュアルプログラミング言語」として「Scratch」や「Viscuit」「ドリトル」などを学びます。

しかし、高校ではコードプログラミング言語として「Python」や「C言語」「Swift」などを学ぶことになるでしょう。

これらは絵や記号ではなく、「プログラミング」と聞いてよく想像されるような、黒い画面に英字や数字がずらりと並ぶ様子に近いものになります。

これらの言語は、皆さんが普段利用するアプリやサービスなどの開発で利用されている言語です。

Pythonは比較的初心者でも習得しやすく、Webサービスやデータサイエンス、AI開発(機械学習)などに利用されることの多い言語です。

C言語は昔から存在している言語であり、WindowsなどのOS開発などで利用されていますが、習得難易度は非常に高い言語と言えるでしょう。

SwiftiPhoneなどのiOSのアプリ開発で利用される言語ですが、Webアプリケーション開発にも利用されています。

これらのプログラミング言語とあわせて、ネットワークやデータベースについても学ぶことになるのです。

3.プログラミングなど専門的な内容が学べる「高専」とは?

最後に、プログラミングなどの専門的な内容が学べる高専(高等専門学校)や、今後の進路について見ていきましょう。

高専は実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関であり、全国で約6万人の学生が学んでいます。

中学から高校に上がるように高専に上がることができ、高校の3年と異なり高専では5年の在学期間となります。

高校教育でもプログラミング教育が必修化されるため、ある程度の内容を学べますが、高校3年間の1科目だけで習う範囲を超えることは難しいでしょう。

プログラマーやシステムエンジニアなどの職を目指す場合は、高専に通ったり、高校卒業後に情報系の専門学校やシステムエンジニアを目指せる大学に進学するなどの進路が考えられます。

もし現在、読者のあなたが中学生で、将来の進路に迷っている場合は、一般高校でプログラミング教育を受けて、より深く学びたいと思ったら情報系の専門学校や大学を視野にいれるとよいでしょう。

中学生時点でプログラマーやシステムエンジニアになりたいと強く思っているのであれば、高専への進学もおすすめです。

4.まとめ

2020年度から小学校ではプログラミング教育が必修化され、2022年度には高校でもプログラミング教育が必修化されることが決定しています。

その背景としては、いまや誰もがICTに触れており、その進化は加速し続けているものの日本にはIT人材が不足している現状にあるため、といえるでしょう。

高校のプログラミング教育では、プログラミング言語とあわせてネットワークやデータベースなどの知識も学ぶことになり、今までよりも高度な知識の習得が求められます。

高校生としてより深くプログラミングなど専門的な内容を学びたいと考えている場合は、高専という進路も考えられますので、是非「システムエンジニアになりたい高校生に贈る!大学進学の要否とおすすめの大学」を見て検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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