自動詞と他動詞の違い・見分け方とは?使用される動詞も一覧解説

英語 2023.7.6
自動詞と他動詞の違い・見分け方とは?使用される動詞も一覧解説

「自動詞と他動詞って何がどう違うの?」「自動詞と他動詞を見分ける方法が分からない…」など、テスト勉強や大学受験の勉強を進めていると、このような悩みが出てきますよね。

しかし、仕組みがわかっていれば簡単に理解できます。

この記事を読むことで、自動詞と他動詞の違いや見分け方についての理解を深めることができるでしょう。ぜひ最後まで読み、学習の参考にしてみてください。

    自動詞と他動詞とは?違いを解説

    自動詞と他動詞の違いは、主語と動詞だけで文章が成立するかしないかです。詳しく見ていきましょう。

    また、主語や動詞などの英単語の役割について詳しく知りたい人は「英語5文型の見分け方を図と例文で分かりやすく解説!」を参考にしてみてください。

    自動詞:主語+単語で文が成立する動詞

    自動詞は、主語と動詞だけで文章を作ることができる動詞です。具体例を挙げて説明します。

    「火が消えた」という文章をもとに考えてみましょう。この文章は、火が自然と消えたことを意味しています。なぜなら、誰かが意図的に火を消した場合「(誰かが)火を消した」になるからです。

    このように自動詞を用いた文では誰かの意図や目的がないため、目的語が必要ありません。日本語を確認したところで、英語の例文も見ていきましょう。

    ・She sings.(彼女は歌います)
    ・He runs.(彼は走ります)
    ・I sleep.(私は眠ります)

    どの例文も主語と動詞だけですが、意味の分かる文章になっています。

    他動詞:主語と目的語を必要とする動詞

    他動詞は目的語を必要とする動詞です。他動詞が示す動作は主語から目的語へと向けられます

    具体例として日本語の例文「ドアを開ける」から考えてみましょう。

    今回の目的語は「ドア」です。「ドア」がなかった場合、文章は「を開ける」となってしまうため、「何を開けたの?」と文章を読んだ人は感じるでしょう。「ドアを開けた」だと、誰かが意図的にドアを開けたことを意味する文章になります。

    「ドアが開いた」だと、ドアがひとりでに開いた場合の表現になります。このように、他動詞を用いた文では誰かの意図や目的が存在するため、目的語が必要です。

    理解を深めるために英語の例文を確認していきましょう。

    ・Give me the pen.(私にペンを渡してください)
    ・She bought a book yesterday.(彼女は昨日、本を買いました)
    ・He’s eating an apple right now.(彼は今、リンゴを食べています)

    どの文章も動詞の後に目的語が置かれています。しかし、目的語をなくすとどうなるでしょうか。

    2文目の目的語”a book”をなくすと「彼女は昨日〇〇を買った」となってしまい、「何を買ったの?」と文章が成り立たなくなります。

    そのため、他動詞は「~を」という文節が必要になると言えます。

      自動詞と他動詞を簡単に見分ける方法

      ここまで自動詞と他動詞の違いについて説明してきました。ここからは、自動詞と他動詞をどのように見分けるのかについて解説します。

      自動詞:自動詞の後ろに目的語が存在しない

      動詞が自動詞であるかどうかは目的語の有無で判断します。動詞の後ろに目的語がない場合、文章は主語と動詞で成り立っているので、動詞は自動詞です。

      ・I swim.(私は泳ぎます)
      ・He walks.(彼は歩きます)

      ただし自動詞の後ろに単語が来ることもあります。前置詞や補語、副詞など、さまざまな品詞を自動詞の後ろに置くことができるので、それぞれ例文を確認していきましょう。

      また、品詞について詳しく知りたい人は「英語の品詞の見分け方とは?一覧表とイラストで分かりやすく解説」を参考にしてみてください。

      前置詞を置くパターン

      ・He laughed at the joke.(彼はそのジョークに笑いました)
      ・The cat jumped over the fence.(猫がフェンスを飛び越えました)

      このパターンが最もよく見られるので、しっかりと覚えておきましょう。“laugh”と”jump”はどちらも自動詞ですが、直後に前置詞を置くことで目的語のように自動詞を使用できます

      1文目は、”at the joke”と「何に」笑ったのかを説明しています。2文目も、”over the fence”と前置詞を使うことで、「何を」飛び越えたのかを明らかにしています。

      補語を置くパターン

      ・I’m happy.(私は幸せです)
      ・He looks tired.(彼は疲れているようです)

      補語は文章の足りない情報を補う品詞のことで、主に状態や感情を表す単語が多いです。

      1文目は”I’m”だけでは情報が足りないので、感情を表す”happy”を使用して文章を補足しています。また、2文目では”He looks”だけでは彼がどんな状態なのか分からないため、”tired”を使って、彼の状態を補足しているのが分かります。

      副詞を置くパターン

      ・The baby cries all night.(赤ちゃんは一晩中、泣きます)
      ・She sings beautifully in the shower.(彼女はシャワーを浴びながら美しく歌います)

      副詞とは、動詞や形容詞、文章全体の意味を修飾する品詞のことです。

      1文目は、”all night”「一晩中」が文章全体を修飾しています。2文目は、”beautifully”(美しく)が”sings”(動詞)を修飾し、「美しく歌います」という語句が出来上がっています。

      他動詞:動詞の後ろに目的語が存在する

      動詞の後ろに目的語がある場合は他動詞です。例えば、次のような場合です。

      例)
      ・I like soccer.(私はサッカーが好きです)
      ・You study English.(あなたは英語を勉強します)

      ただし目的語は1つの単語だとは限らず、to不定詞・that節・代名詞などが目的語となる可能性があります。

      こちらもそれぞれ例文を見ていきましょう。

      目的語がto不定詞のパターン

      ・I want to eat pizza.(私はピザを食べたいです)
      ・She decided to study abroad.(彼女は留学することを決めました)

      To不定詞も目的語となります。なぜ2つの文章の”to”が一般的な前置詞の”to”ではないと言い切れるのかというと、“to”のあとに動詞が続いているからです。

      加えて、他動詞の直後に前置詞が来ることはほとんどありません。そのため、動詞の後ろに前置詞がない場合は他動詞と判断していいでしょう。ただし、例外はありますので注意が必要です。

      目的語がthat節のパターン

      ・She thinks that he’s lying.(彼女は彼が嘘をついていると思っています)
      ・I believe that you can do it.(私は、あなたにはそれをできると信じています)

      that節とはthat以降に主語と動詞が入り、新しい文章が続いている節のことです。1文目は”(that) he’s lying”、2文目は“(that) you can do it”がthat節にあたります。このthatは省略されることも多いため、気を付けなければなりません。

      目的語が代名詞のパターン

      ・I love your T-shirt.(私はあなたのTシャツが大好きです)
      ・He gave me a lot of beautiful flowers.(彼は、私にたくさんの美しい花をくれました)

      代名詞は、ものや人の代わりとなる名詞のことで、”my”「私の」や、”this”「これ」などがあります。目的語をより具体的に説明するために使う品詞です。

      コツ:動詞を覚えておくと見分けやすい

      自動詞なのに他動詞として、あるいは他動詞なのに自動詞として使いがちな動詞が多くあります。そのような誤解しやすい動詞を覚えておくと見分けやすいです。

      この3つの動詞は、他動詞だと勘違いしやすい自動詞の例です。

      ・arrive(着く)
      ・apologize(謝る)
      ・graduate(卒業する)

      それぞれ例文とともに解説します。

      ますは“arrive”ですが、”I arrive the station.”(私は駅に着きました)と間違える人が多いです。しかし、”arrive”は自動詞なので、「~に」を表現するには前置詞が必要になります。そのため、正しくは“I arrive at the station.”となります。

      次に”apologize”も、「~を謝る」と日本語で覚えている人が多いために、”I apologize him.”(私は彼に謝りました)と間違えてしまう傾向が強いです。”apologize”も自動詞なので、「~を」を表すには前置詞が不可欠です。よって、正解は”I apologize to him.”になります。

      最後に”graduate”ですが、こちらも日本語の意味「~を卒業する」に引っ張られてしまい、“I graduated the high school.”(私は高校を卒業しました)と間違える人が多いです。

      しかし、”graduate”も自動詞ですから、「~を」と文章を続けるためには前置詞が必要です。そのため、”I graduated from the high school.”が正しい答えになります。

      さらに、自動詞だと勘違いしやすい他動詞の例も3つ紹介します。

      ・discuss(~について議論する)
      ・oppose(~に反対する)
      ・marry(~と結婚する)

      “discuss”は勘違いしやすい動詞の代表です。受験でもよく問題になりますので、必ず覚えておきましょう。”discuss”も日本語の「~について」に引っ張られてしまい、”We should discuss about the topic.”(私たちはその議題について話し合うべきです)のように”about”を加えてしまうケースが非常に多いです。正しくは、”We should discuss the topic.”になります。

      “oppose”も同様に、「〜に」という日本語訳につられて”I oppose to her suggestion.”と”to”をつけてしまう間違いが多く見られます。”I oppose her suggestion.”が正答です。

      “marry”も自動詞と混同しやすく、定期テストや受験で出題されることも多い動詞です。「~と」という日本語から、”I marry with him.”(私は彼と結婚する)のように”with”を加えてしまうことが多いです。しかし、他動詞には前置詞は必要ありませんので、”I marry him.”が正しい答えとなります。

      ここまでの説明を読んで、「動詞の後ろが名詞だったら他動詞なんだ!」と理解している方がほとんどだと思いますが、名詞は1単語とは限りません。いくつか例文を挙げながら解説します。

      ”He forgot to bring an umbrella.”(彼は傘を持ってくるのを忘れました)

      この文章の動詞は”forgot”で、後ろには”to”という前置詞があります。そのため、”forgot”は自動詞である、と思った人は要注意です。

      この文章の”to”は、「to不定詞」と呼ばれる文法のパーツです。”to bring an umbrella”は、「名詞句」と呼ばれ、複数の単語で1つの名詞のように機能しています。つまり、”forgot”の後ろに、”to bring an umbrella”という名詞が置かれているため、”forgot”は他動詞だと言えるのです。

      別の例も見てみましょう。

      ”I can understand what you’re saying.”(私はあなたの言っていることは理解できます)

      この文章の”what you’re saying”は、「名詞節」と呼ばれ、複数の単語が集まり、1つの名詞のように機能しています。

      このように、英文を単語ごとではなく意味のまとまりごとに見る力も大切です。英文の全体像を理解できるようにしましょう。

      自動詞と他動詞で別の意味になる動詞

      動詞には、自動詞としても他動詞としても活用できる動詞があります。中には、自動詞と他動詞で別の意味になるものもあります

      例えば、下記の5つの動詞です。それぞれ例文とともに解説します。

      ・lie
      ・cut
      ・run
      ・stand
      ・attend

      “iie”は自動詞だと「横になる」、他動詞だと「~置く」という意味になります。

      “cut”は自動詞として使うと「切れる」の意味になります。しかし、他動詞として使うと「~を切る」という意味になります。

      “run”は自動詞で「走る」ですが、他動詞だと「~を経営する」となり、意味が大きく変わります。

      “stand”は自動詞だと「立つ」という意味ですが、他動詞だと「~に耐えられない」という意味になります。

      “attend”は自動詞で「注意する」という意味です。一方、他動詞だと、「~に出席する」という意味になります。

        自動詞と他動詞の練習問題・解説

        最後に練習問題に取り組んでみましょう。空欄に当てはまる単語や語句を選んでみてください。

        (1)We need to ______ about it.
        [discuss / talk]

        (2)When did you ______ at the airport?
        [get / arrive]

        (3)Are you going to  ______ to Takashi?
        [get married / marry ]

        正しいと思う単語を選ぶことはできたでしょうか。それでは、答え合わせをしていきましょう。

        (1)は”talk”が正しいです。空欄の後ろには”about”という前置詞があるため、空欄に当てはまる動詞は自動詞であると判断できます。よって、自動詞の”talk”(話す)が正解です。

        (2)の正答は”arrive”です。こちらも空欄の後ろには前置詞の”at”がありますので、空欄に当てはまる動詞は自動詞だと分かります。しかし、”get”も”arrive”も「到着する」という意味の自動詞です。

        こういった場合は、動詞の直後の前置詞を見ましょう。今回は”at”です。”at”とセットで活用できるのは”arrive”なので、答えは”arrive”になります。ちなみに、”get”は前置詞”to”とセットで、「~に到着する」という意味になります。

        (3)は”get married”が正解です。選択肢を見ると、どちらにも”marry”が使われていることが分かります。”marry”は他動詞のため、前置詞と一緒に使うことはありません。よって、”get married”が正しいと判断できます。

          まとめ

          自動詞と他動詞の見分け方や違いについて解説してきましたが、理解できたでしょうか。

          自動詞は、”sleep”や”run”など、主語と動詞だけで文章を作ることができる動詞のことです。それに対して、他動詞は、”eat”や”buy”など、動作を補足するために目的語が必要となる動詞です。

          自動詞と他動詞の見分け方は、動詞の後ろに目的語があるかどうかで判断できます。目的語は単語ではなく、不定詞やthat節といった名詞句、名詞説の場合もあるので注意しましょう。他にも、”discuss”や”marry”といった自動詞と他動詞を勘違いしやすい動詞を覚えておくことも、見分けるコツの1つです。

          これらの知識をたった一回の学習で、すべて覚えることは難しいです。同じ問題を何度も解くなど反復練習に繰り返し取り組んでください。

          アンケートにご協力ください!【利用状況に関するアンケート】

          ※アンケート実施期間:2023年4月5日~

          受験のミカタでは、読者の皆様により有益な情報を届けるため、受験のミカタの利用状況についてのアンケート調査を行っています。今回はアンケートに答えてくれた方から10名様に500円分の図書カードをプレゼントいたします。


          アンケートに答える


          受験生の勉強に役立つLINEスタンプ発売中!

          受験生が使いやすい「受験のミカタ」勉強LINEスタンプ販売中!


          最新情報を受け取ろう!

          プッシュ通知を許可する

          受験のミカタから最新の受験情報を配信中!

          この記事の執筆者

          ニックネーム:受験のミカタ編集部

          「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している「受験応援メディア」です。