英語の品詞の見分け方とは?一覧表とイラストで分かりやすく解説
品詞は、英語の文法を学ぶとき、とても重要なポイントになります。
しかし、英語の品詞は、日本語にないものもあって難しいですよね。
今回は、そんな品詞の種類や見分け方を、図と一覧表を使って分かりやすく解説します!
※なお、代名詞や前置詞について詳しく知りたい方には、別の記事も用意しています!
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【 目次 】
1. 品詞とは?
そもそも品詞とは何なのでしょうか?
品詞とは、一言でいうと「その言葉のタイプ」です。
例えば、上の図のように、食べ物は3つのタイプに分かれ、それぞれ「エネルギーのもととなる」「血や筋肉などになって体をつくる」「体の調子を整える」という働きをしますよね。
これと同じように、言葉にもいくつかのタイプがあり、それぞれのタイプによって違う性質をしています。
ところで、みなさんの中には「主語」「述語」「目的語」「補語」などという言葉を聞いたことがあり、これらと品詞を混同してしまっている人がいるかもしれません。
詳しくは英語の文型についての記事で解説しますが、これらの「○○語」という言葉は、「その言葉の役割」を表したものです。
赤・黄・緑と様々な栄養素(タイプ)の食材が、それとは別に、メインディッシュやデザートなど様々な種類の料理(役割)になるように、
名詞・動詞などの様々な品詞(タイプ)の言葉が、それとは別に、主語・述語など様々な種類の文の成分(役割)になるのです。
つまり、「名詞」など「○○詞」→その言葉のタイプ、「主語」など「○○語」→その言葉の役割を表すということで、「○○詞」と「○○語」は別物です。
詳しくは、英語の文型について解説した記事をご覧ください。
※説明するために分けていますが、代名詞は名詞の一種です。
英単語は、1つの単語が名詞と形容詞の意味を持っていたり、形容詞と副詞の意味を持っていたりなど、複雑なところもあります。
分からなくなったときは辞書や文法書を開いて、少しずつ覚えていきましょう。
2. 英語の品詞をイラストで説明
それでは、英語の品詞(名詞・代名詞・冠詞・形容詞、動詞・副詞・前置詞、接続詞、疑問詞・助動詞、間投詞)を、5つのグループに分けて紹介していきます。
それぞれの見分け方・文法・役割をイラストで解説するので、英語が苦手な人でも、きっと分かりやすいはずです!
1. 名詞と関係の深い品詞(名詞・代名詞・冠詞・形容詞)
まずは、英語の名詞・代名詞・冠詞・形容詞について見ていきましょう。
名詞と関係の深い品詞①名詞(noun)
名詞とは、モノの名前を表す言葉です。
「pen」「table」「chair」などのいわゆる無機物や、「human」「dog」「university」などの種類を表す言葉、「heart」「love」などの形のないもの、「Taro」「Maria Skłodowska-Curie(キュリー夫人)」「”Wagahaiwanekodearu”」などと唯一無二のモノを表すいわゆる固有名詞まで、モノの名前を表す言葉はすべて名詞です。
※説明するために分けていますが、次に扱う「he」「this」「we」などの代名詞も、名詞の一種です。
※一応書きますが、日本語の「吾輩は猫である」は、全体で考えると本のタイトルなので名詞ですが、細かく見ると「吾輩」と「猫」が名詞で、「は」「で」は助詞、「ある」は動詞です。
名詞の見分け方は簡単です。
それは、「これは何でしょう?」というクイズの答えになる言葉は全て名詞という方法です。
“What’s this?” “This is a pen!”(これはペンです) と言うことは可能ですが、
“What’s this?” “This is go.”(これは行くです)や、“This is have.”(これは持つです)とは言いませんよね。
go や have は動詞なので、当てはまりません。
また、”This is pretty.”(これは可愛いです)ということはありますが、「これは何でしょう?」というクイズの答えになることはありませんよね。
もしも、「これはどのようですか?」という質問なら、「これは可愛いです」でも答えになりますが。
なぜなら、pretty は形容詞だからです。
名詞は、文の中で、「主語」や「目的語」の役割をします。
詳しくは、英語の文型の種類・見分け方についての記事を見てください。
名詞と関係の深い品詞②代名詞(pronoun)
代名詞とは、その名の通り、名詞の代わりになる言葉です。
代名詞を使うことで、何度も何度も名前を言わずに、相手に意味を伝えることができます。
※「1人称」というのが話し手のことで、日本語では「私」「僕」「オイラ」「拙者」などです。
「2人称」は聞き手のことで、「私」が話しかけている相手(「あなた」「君」「お前」など)です。
それ以外は、すべて3人称です。
この表に載っている単語の他にも、all, other, such などの単語も代名詞として使われることがあります。
詳しくは、代名詞について詳しく解説した記事をお読みください。
代名詞も、名詞と同様に、主語や目的語になります。
※ところで、代名詞は英語で pronoun といいますが、これは「名詞」という意味の「noun」に、「代理の」という意味の接頭語「pro」を付けたものです。
このように、知らない単語を推測するのに使える「接頭語」について知りたい方は、英語の長文読解についての記事をご覧ください。
名詞と関係の深い品詞③冠詞 (article)
英語の冠詞とは、主に名詞の前につける言葉で、a と an と the の3種類です。
a や an のことを「不定冠詞」、the のことを「定冠詞」といいます。
詳しくは、英語の冠詞についての記事をご覧ください。
名詞と関係の深い品詞④形容詞 (adjective)
形容詞とは、名詞の性質や状態を説明する言葉です。
この「特徴を説明する」ことを「修飾」ということもあります。
日本語の形容詞は、「可愛い」「大きい」「青い」などの「~い」で終わる言葉ですが、英語の形容詞を日本語に訳しても、「~い」で終わるとは限りません。
例えば、strange は「変な」、coincident は「一致した、調和する」と訳しますが、どちらも英語の形容詞です。
形容詞の見分け方は、大きく2つあります。
①その言葉の後に「人」をつけたとき、その人の性質は変わるが、体や心の動きは変わらない言葉
②~able, ~ative, ~ful, ~ic, ~ical, ~ous, ~y, ~ey などで終わる単語は、形容詞の可能性がある(詳しくは、英語の長文読解についての記事内の接尾語についての説明をご覧ください。)
①について、もう少し説明します。
このように、名詞の性質や状態を説明しているけど、名詞の心や体の動きは説明していない単語が、形容詞です。
形容詞は、直接、名詞の前に来ることもあれば、形容詞と名詞の間にbe動詞などの動詞があるときもあります。
形容詞が名詞の直前にあるときは「修飾語」の役割ですが、be動詞などの動詞があるときは「補語」の役割になります。
詳しくは、後日公開する英語の文型についての記事で解説します。
2. 動詞と関係の深い品詞(動詞・副詞・前置詞)
次は、動詞や、動詞と関係の深い副詞、前置詞について説明していきます。
動詞と関係の深い品詞①動詞 (verb)
動詞とは、その名の通り、心や体の動きを表す単語のことです。
英語の動詞の見分け方は、
①体や物、心などの動きを表す
②「~を」という目的語を持つことができる
これらのどれかに当てはまっていたら、動詞です。
英語の動詞は、be動詞と一般動詞の2種類があります。
be動詞は、「be」一種類のみです。
しかし、「be」は人称や時制(現在か過去か、など)によって am, are, is, was, were と変化します。
(※人称については、代名詞について詳しく解説した記事をお読みください。)
be動詞は、「イコール」というような意味で、動詞の中でも特殊です。
日本語でいうと、「~である」という意味ですね。
次に、一般動詞について説明します。
一般動詞とは、be動詞以外のすべての動詞のことです。
run, stand, go などの体や物の動きを表す単語や、like, hate, think などの心や脳の動きを表す単語が一般動詞です。
また、live や stop、know といった言葉も、動詞です。
このように、形容詞の alive は「生きている、生き生きした」という状態を表し、動詞の live に似ているように思えるかもしれませんが、live は「生きる、住む」という動詞で、状態ではなく、行動を表しています。
動詞は、文の中では主に述語の役割をします。
動詞と関係の深い品詞②副詞 (adverb)
次に、英語の副詞について説明します。
副詞は、動詞・形容詞・句・節・1つの文全体の方法・状況・程度・方向・否定などを表す言葉です。
さらに、比較的レアケースですが、名詞や副詞自体を修飾することもあります。
副詞の見分け方は、以下の二つです。
①「~ly」で終わる単語は副詞のことが多い(ただし、形容詞の lovely などの例外はある)
②無くなっても文の意味が通じる言葉(ただし、否定の副詞の場合は無くなると文の意味が真逆になる)
副詞は、文の中では修飾語の役割をします。
動詞と関係の深い品詞③前置詞 (preposition)
前置詞とは、名詞と動詞の関係を表す言葉です。
例えば、「in」という前置詞なら、I live in Kyoto. のように、「live」という動詞と、「Kyoto」という名詞の関係が、「~に」という、その動作が行われている場所を示す関係だということを表しています。
前置詞については、詳しく解説した記事を用意しているので、こちらをご覧ください。
3. 関係を示す品詞(接続詞/conjunction)
ここでは、単語と単語、句と句、節と節、文と文の関係を表す接続詞について説明します。
英語の接続詞は、大きく分けて2種類あります。
それぞれの名前は覚えなくて大丈夫ですが、2つのものを対等に結びつける等位接続詞と、主要なものにサブ情報を結びつける従位接続詞です。
等位接続詞と従位接続詞の分け方には諸説あるので、ここでは接続詞のイメージをつかむために、おおまかによく言われている分類で見てみましょう。
対等に結びつける接続詞(等位接続詞)
代表的な等位接続詞は、and, or, but などです。
これらの接続詞で結ばれたもの同士は、どちらが大事というわけではなく、単純に2つの事柄を同じ重要度のものとして並べています。
主要なものにサブ情報を結びつける接続詞(従位接続詞)
代表的な従位接続詞は、when, if, because, although などです。
これらの接続詞は、メインの情報に、時間・条件・理由・譲歩(~にもかかわらず)などのサブの情報を付け加えています。
4. 意味を表す品詞(疑問詞、助動詞)
続いて、疑問詞・助動詞について説明します。
意味を表す品詞①疑問詞
疑問詞は、いわゆる5W1H(who, when, where, what, why, how)のような、何かを訪ねるときに使う単語です。
※ここからは、無理に覚えなくても大丈夫です。
上の画像の中で、who には主格・所有格・目的格があると書いてありますが、なんだか代名詞みたいですよね。
実は、疑問詞には、「疑問代名詞」「疑問形容詞」「疑問副詞」という種類があります。
who, which, what は疑問代名詞といって、本来は which, what にも目的格があるのですが、形が変化しないので、あまり意識せず使えているだけなのです。
例えば、”What did you do?” と言うときは you という主語が入っているのに、”what makes you so sad?” と言うときには主語が入っていないように思えるのは、 「what」が主格代名詞のように働いて、文の中で主語の役割をしているため、別の主語を入れなくてもいいからです。
ちなみに、「疑問形容詞」というのは、”which book do you like?” “what time will you go?” などと言うときの「which」や「what」のことです。
日本語に訳しても「どちらの本がすきですか?」となり、「どちらの」が「本」を修飾する形容詞だということがわかります。
「疑問副詞」というのは、when, where, why, how のことです。
これらは、日本語訳からも、副詞であることがわかると思います。
意味を表す品詞②助動詞 (auxiliary verb)
英語の助動詞とは、主に、can, must, may, will, shall などのことです。
助動詞は、文にニュアンスを添える言葉です。
助動詞には現在系と過去形があり、過去形は、その助動詞のニュアンス+推量や丁寧なニュアンスを表します。
特に、will の過去形である would には様々な意味があるので、詳しく知りたい方は、would の6つの意味について解説した記事をご覧ください。
また、その他の助動詞については、詳しく解説した記事を公開予定なので、しばしお待ちください。
5. そのほかの品詞(間投詞/interjection)
最後に、間投詞について説明します。
間投詞とは、喜び・驚き・怒り・悲しみなどの感動をそのまま声に出したような言葉のことです。
間投詞は、文の中で独立しているため、他の単語との関係で意味や形が変わることはありません。
さいごに
いかがだったでしょうか?
品詞が分かれば、英文法が理解しやすくなるだけでなく、英単語も覚えやすくなります!
ぜひ、この記事をしっかり読んで、品詞をマスターしてくださいね。