高校数学の10進法⇔n進法は意外と簡単!計算方法を解説!

数学 2024.7.2

n進数の問題ってなんだか難しそう」「そもそも10進数とn進数の概念が分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

しかし、n進法問題は非常にシンプルな考え方で行われています。そのため、10進法・n進法の概念を一度理解してしまえば、問題を解く上で間違えることはほどんとなくなります

本記事では、10進法・n進法の概念から、変換方法、計算方法について基礎から分かりやすく解説していきますので、きちんと理解して得点源にしてくださいね!

この記事で分かること
・10進数と10進法の意味が区別できるようになる
・10進数とn進数の変換方法が分かる
・n進数を使った問題の解き方のルールが分かる
		

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10進法は10個の数字を組み合わせて数える方法

それでは、10進法について説明していきましょう。10進法とは、記数法とよばれる数の表現方法のうち、10を底とする表記方法であり、簡単に言うと私たちが普段使っている数字の記載方法となります。

…と言われてもさっぱりだと思いますので、もう少し詳しく解説します。

10進法は数え方、10進数は使われる数字のこと

まず、10進法とは「0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10 …」 と数えていく方式のことです。

普段の生活で用いている数え方のため、気にならなかったかもしれませんが、この数え方をよく見てみましょう。10進法で使われる数字は0、1、2、3、4、5、6、7、8、9までの10個の数字であり、これらを組み合わせることで数を表現しているのです。また、10進法で表記された数を10進数といいます。

これを数学的な式で表すと、例えば10進数でいう百の位までの数は

a×102+b×10+cをabc

と書きます。この中でa,b,cは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9の10 個の数字のうちいずれかを使い、9の次に大きくなった場合は1つ上の桁に1を書いて10とします。

10進数が定着した理由は人の指の数が10本だから

10進数が定着した理由には諸説ありますが、一説によると人間の指が両手で10本あるからというものがあります。元々、数字は物を数えるために使われていました。そして、人間は手っ取り早く物を数えたい時、手の指を使います。

私達も子供の頃はよくやったかもしれませんが、手で物を数えるときは両手の指10本を動かします。10本動かし終わったら、1つの単位と考え10で一区切りとします。昔の人もそのような形で物を数えていたため、10進数が定着したのではないでしょうか。

n進数のnは使われる数字の数

10進法、10進数について簡単に解説をしてきましたが、どんなものか漠然とイメージできましたか?続いて、10進数以外のn進数について解説していきます。

2進法とは、0、1の2つの数字を使って数を表す方法のことで、この表記で記載された数を2進数と呼びます。10進法では「0、1、2、3、4、5、6、7、8、9」と10個の数字を使っていましたが、その半分以下の数字でも数は表現できるのです。
10進法では、9を超える数の場合に位が上がっていましたが2進数では1を超える数字から位が上がることになります

早見表は図の通りです。

2進数は日常で目にしないかもしれませんが、実は皆さんが普段使っている、スマホやタブレット、パソコン等のコンピュータの内部で使われています。これは、コンピュータがon=1、off=0の2進法の区別しかないためです。

n進数について、実用的なものは主に10進数と2進数が例に挙げられることが多いですが、試験の問題としては他のn進数も出てくることがあります。しかし、基本的な考えは同じです。

例えば、3進法はどのようなものでしょうか。3進法では、0、1、2の順に数字を使います2の次は新しい数字は使わずに1つ上の桁に1を書きます。

8進法も同様です。8進法では、0、1、2、3、4、5、6、7の順に数字を使います7の次は新しい数字は使わずに1つ上の桁に1を書きます。

このように、n進数はとても単純なルールで構成されているのです。ここまで記事を読んでみて、「ルールは分かったけど、どうやって問題を解けばいいんだ?」と思った方が多いかと思います。

それでは次の項で、試験問題に頻出のn進法問題について説明をしていきます。

これでマスター!n進法の変換方法

ここでは、高校の試験問題で出題される、10進数からn進数への変換、またはn進数から10進数への変換について解説していきます。

10進数からn進数への変換方法

10進数からn進数に変換する手順は、実は簡単です。次の通り解いていけば必ず答えにたどりつけます。

  • 0進数をnで割っていく
  • nで割った時の余りを記入する
  • 商と余りをつなぎ合わせる

こちらを踏まえ、次の問題を解いてみましょう。

【問題】
10進数で「24」という数があります。この数を2進数に変換してください。

【解説】
さきほど説明した方法で、2でひたすら割り算を行います。その際、余りを書いておくのを忘れないでください。

2で割れなくなるまで割ったら、次は2で割っていった商と余りの数を連結します。連結方法は上の計算結果の矢印のように、下から読んでいきます。ここは間違えやすいので、注意してください。連結すると、11000という数字になります。

これで10進数の24の変換が完了しました。10進数の24は、2進数では11000となります。

n進数から10進数への変換方法

こちらは少し混乱するかもしれませんが、「10進法の式」というのを頭にいれておくと、問題が非常に解きやすくなるかと思います。

まず、初めに解説した10進法での3桁の値を表す式を思い出してください。10進法でのabcは、a×102+b×10+cと表されます。
記号だと分かりにくいので、「706」という数字について考えると、10進法の式では7×102+0×10+6 と表せます。

実は、この10進法の式を使うことによって、n進法の数はすべて10進法に変換することができるのです。n進法での3桁の数を10進法で表す場合、式は次のようになります。

a×n2+b×n+c

10進法の式の10の部分をnに変えるだけで良いのです。あとは、桁数のぶんだけ式を準備してやりましょう。(例えば、5桁の数「abcde」を式で表すとa×n4+b×n3+c×n2+d×n+eとなります。)

この考えをもとに、次の問題を解いてみましょう。

【問題】
3進数で「1001」という数があります。この数を10進数に変換してください。

【解説】
3進数を10進数へ変換する式を使います。

1×3+ 0×3+ 0×3+ 1×30 =28

よって、3進数で「1001」は10進数で「28」となります。

練習問題を解いてみよう!

これまで学んだことを使って、次の問題を解いてみましょう。

【問題】
次の式の数は2進法で表現されています。それぞれを10進数に変換して計算した後、計算結果を2進数で答えてください。

(10101)÷ (11)

【解説】
まず、「11」と「10101」それぞれを10進数に変換します。

「11」
10進数への変換の式より、1×2+1= 3

「10101」
同様に、1×24+0×23+1×22+0×2+1 = 21

つまり、10進数の式は21÷3 = 7となる。

これを2進数に変換すると、

7÷2=3 余り 1
3÷2=1 余り 1
1÷2=0 余り 1

下から余りを連結すると、111
よって答えは111となる。

まとめ

10進法について、基本的な考え方や定義、問題の解き方を解説をしてきましたが、まとめると以下のようになります。

①10進法とは「0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10 …」 と数えていく方式のこと。
10進法で使われる数字は0、1、2、3、4、5、6、7、8、9までの10個の数字であり、これらを組み合わせることで数を表現している。
10進法で表記された数を10進数とよぶ
2進法とは、0、1の2つの数字を使って数を表そうという方法のことで、この表記で記載された数を2進数と呼ぶ。(他のn進数についても同様の考え方)

【10進数からn進数への変換方法】

  • 10進数をnで割っていく
  • nで割った時の余りを記入する
  • 商と余りをつなぎ合わせる

【n進数から10進数への変換方法】

「10進法への変換式」を用いる。(例えば、5桁の数「abcde」を式で表すとa×n4+b×n3+c×n2+d×n+e)

この記事を一度読んだだけでも、n進法問題の単純なルールを理解できるのではないでしょうか。また、一度身につけてしまえば、ほとんどミスをすることは無くなると思います。

あとは復習やテスト前の確認などに、是非この記事を活用してくださいね!

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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