【高校数学】整数の性質をわかりやすく解説!約数の個数やユークリッドの互除法も

数学 2020.5.13

整数の性質を利用して解く問題を、整数問題といいます。
整数問題には簡単なものから非常に難しいものまでありますが、難問を解くには、有名問題の解き方がヒントになることも多くあります。
この記事では「約数の個数」や「ユークリッド互除法」「n進法」「倍数判定法」など、高校数学で知っておくべき整数の性質について簡単にまとめます。
是非、最後までご覧ください

1.整数の性質①約数の個数の公式と素因数分解

約数として負の数(ときには0も)を含めることもありますが、考えようとしている問題によって異なります。
一応、気にはしておくべきですが、多くは定義の問題ですから、高校数学では約数として自然数だけを取り扱うことがほとんどです。
この記事でも特に断りがなければ、約数として自然数だけを考えます。

整数8の約数をすべて挙げると [ 1,2,4,8 ] の4つです。
これは [ 20,21,22,23と言い換えられます。

次に、整数72の約数について考えてみましょう。
72の約数を挙げると [ 1,2,3,4,6,8,9,12,18,24,36,72 ] の12個です。
これを以下のように整理します。

すると、72の約数は「(2の累乗)×(3の累乗)」で表されることがわかります。
これは72が 72=23×32 のように素因数分解されるからです。
2だけを使った因数は0乗から3乗の4通り、3だけを使った因数は0乗から2乗の3通りであり、その組み合わせですから4通り×3通り=12通りの約数を作ることができるのです。

これを一般化すると、以下の公式が得られます。

公式①:約数の個数

自然数Zを素因数分解して Z=ax×by×cz×… のように表されるとき、自然数Zの約数の個数は (x+1)(y+1)(z+1)… となる。
約数の個数については「約数の求め方!素因数分解すれば一発で求まる!」にもまとめてありますので、併せてご覧ください。
→約数の求め方!素因数分解すれば一発で求まる!

また次の公式も知っておきましょう。

 

公式②:約数の総和

自然数Zを素因数分解して Z=ax×by×cz×… のように表されるとき、自然数Zの約数の総和は (a0+a1+a2+⋯+ax )(b0+b1+b2+⋯+by )(c0+c1+c2+⋯+cz )… となる。

72の例でいえば、
(20+21+22+23 )(30+31+32 )
=20×30+20×31+⋯+23×32
のように展開すれば、約数の総和になっていることがわかるでしょう。

2.整数の性質②ユークリッド互除法

ユークリッド互除法は2つの自然数の最大公約数を求めるための方法です。

例えば221と169なら、大きいほうの数(221)を小さい方の数(169)で割って
221=169×1+52
とします。次に、割った数(169)と余り(52)を同様に計算し、
169=52×3+13
これを割り切れるまで繰り返します。
52=13×4
ここで割り切れましたので、このときの割った数(13)が、221と169の最大公約数となります。
最終的に割った数が1であるときには、元の2数の最大公約数が1、つまり互いに素であることがわかります。

高校数学ではユークリッド互除法を用いて「2元1次不定方程式」の解を求めるような問題が有名です。
ユークリッド互除法と2元1次不定方程式については、「ユークリッド互除法と2元1次不定方程式!例題で分かりやすく理解」に詳しくまとめましたので、ご覧ください。
→ユークリッド互除法と2元1次不定方程式!例題で分かりやすく理解

3.整数の性質③n進法

普段、私たちが目にする数字は、特に断りがなければ十進法という方法で表現されています。
十進法では、0から9までの10個の数字を使って表します。
9より1つ大きい数字を表すために、「10」のようにして、数字を2つ並べて表すことになっています。
同様に考えると、他にも数の表し方が考えられます。
つまり、「0」「1」「2」の3つの文字を使った三進法、「0」から「4」までの5つの文字を使った五進法などです。
他にも「0」から「9」までの10個の文字と「A」から「E」までの5つの文字を使った十六進法なども使われることがあります。

例えば三振法で0から順番に数を並べていくと

十進法 三進法
0 0
1 1
2 2
3 10
4 11
5 12
6 20
7 21
8 22
9 100

です。
複数の数字記法が混在し、併せて使うときには、

のように右下に何進法であるかを括弧で表します。この例では十進法です。
特に記述がなければ十進法で、括弧を省略したものだと考えましょう。

同様に三進法なら

とします。十進法以外の記法では、通常、括弧を省略できません。

十進法の 123(10) が 1×102+2×101+3×100 を表しているのに対して、123(5)は 1×52+2×51+3×50 を表しています。

このようにn進法において、それぞれの桁の数字は、nの累乗がいくつあるかを表しています。
n進法については「高校数学の10進法⇔n進法は意外と簡単!計算方法を解説!」にまとめましたので、参考にしてください。練習問題も用意してあります。
→高校数学の10進法⇔n進法は意外と簡単!計算方法を解説!

4.整数の性質④倍数判定法と証明

自然数の倍数判定法についてまとめると、以下のようになります。

自然数の倍数判定法

2520=32×280例えば2520を素因数分解するとき、 2+5+2+0=9 ですから、2520は9の倍数です。
セオリーから言えば2や3のような小さい素因数から考えるべきですが、慣れてきて大きい因数がわかれば、素因数分解の速度も上がります。

=32×7×40
=32×7×5×23
=23×32×5×7

280という数が出てくれば、7の素因数も見つけやすくなります。
素因数分解についてわからない方は「素因数分解とは?素因数分解のやり方を練習問題と解説でマスターしよう」にまとめてありますから、併せてご覧ください。
→素因数分解とは?素因数分解のやり方を練習問題と解説でマスターしよう

7の倍数判定法は少し面倒なので、いっそ7で割ってしまう方が早い場合もあります。

5357268が7の倍数かどうかを判定してみます。
一の位から3桁ずつに分けて
5 | 357 | 268
です。これを
(+5)+(-357)+(+268)
=-84
のように計算します。
こうして導いた-84は7の倍数ですから、5357268は7の倍数であることがわかります。
実際、53572698を7で割ってみると、
5357268=7×765324
です。

 

4の倍数判定法の証明

n桁の自然数Nについて、下二桁が4の倍数ならNが4の倍数であることを証明します。
Nの各桁が
an an-1…a3 a2 a1
なら
N=an×10n-1+an-1×10n-2+⋯+a3×102+a2×101+a1×100
と表されます。このとき各桁の数はすべて自然数です。
よって
N=an×10n-1+an-1×10n-2+⋯+a3×102+a2×101+a1×100
=(an×10n-3+an-1×10n-4+⋯+a3)×100+a2×101+a1×100
=(an×10n-3+an-1×10n-4+⋯+a3)×25×4+a2×10+a1
下二桁が4で割り切れるので、Aを整数として
a2×10+a1=4A
とすると、
N=(an×10n-3+an-1×10n-4+⋯+a3)×25×4+4A
=4×{25×((an×10n-3+an-1×10n-4+⋯+a3 )+A}
です。25×((an×10n-3+an-1×10n-4+⋯+a3 )+A は整数ですから、Nが4×整数の形で表され、Nは4の倍数であることが証明できました。

 

3の倍数(9の倍数)判定法の証明

n桁の自然数Nについて、各桁の和が3の倍数ならNが3の倍数であることを証明します。
Nの各桁が
an an-1…a3 a2 a1
なら
N=an×10n-1+an-1×10n-2+⋯+a3×102+a2×101+a1×100
と表されます。このとき各桁の数はすべて自然数です。
N=an×10n-1+an-1×10n-2+⋯+a3×102+a2×101+a1×100
=(an×10n-1-an+an )+(an-1×10n-2-an-1+an-1)+⋯+(a3×102-a3+a3 )+(a2×101-a2+a2 )+a1
=an (10n-1-1)+an-1 (10n-2-1)+⋯+a3 (102-1)+a2 (10-1)+an+an-1+an-2+⋯+a3+a2+a1
ここでan (10n-1-1)+an-1(10n-2-1)+⋯+a3 (102-1)+a2 (10-1) は9、99、999…などの数になるので3の倍数です。
よって各桁の数の和 an+an-1+an-2+⋯+a3+a2+a1 が3の倍数なら、Nは3の倍数です。
同様に各桁の数の和 an+an-1+an-2+⋯+a3+a2+a1 が9の倍数なら、Nは9の倍数となります。

5.整数の性質まとめ

最後までご覧くださってありがとうございました。
この記事では、約数の個数、ユークリッド互除法、記数法(n進法)そして倍数の判定法とその証明についてまとめました。
ご参考になれば幸いです。

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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