三次方程式の解き方とは?因数分解や解の公式を例題付きで解説!
三次方程式は大学入試の明暗を分ける重要分野です!!
三次方程式は一見難しそうに見えますが、高校の定期テストや大学受験に出題される問題は、ほぼ全て解が導き出せるように作られています。今回は因数の方法と、解と係数を用いた検算について分かりやすく解説します。
1.三次方程式とは?
三次方程式とは、次数が3である代数の方程式です。
一般的には、
ax3+bx2+cx+d=0
と表記されます。現代では主に代数を使った解法が、三次方程式の解として使われています。
ここでは因数分解を使った解法と係数を用いた解の公式を紹介していきます。
2.三次方程式の解法①:因数分解を使った因数定理
三次方程式の基本的な式を使って解き方の流れを見ていきましょう。
ここで使われている係数は整数として考えてください。
例えば
f(x)=ax3+bx2+cx+d
としましょう。
すると解法は、
② 因数定理を用いてf(x)=(x- x0)q(x)という形にする
③ q(x)の因数分解が可能なら、q(x)=(x- x1)( x- x2)という形にする
④ f(x)= (x- x0) (x- x1)( x- x2)=0の解はx= x0, x1,x2
となります。
3.三次方程式の解法②:係数を用いた解の公式
三次方程式の係数を用いた解の公式は、いくつか解が与えられていて残りの解を求める問題や、三次方程式の解を求めた後も見直しに有効です。
必ずしも出題されるわけではありませんが、知っておくと便利ですのでしっかりマスターしておきましょう。
係数を用いた解の公式は、ax3+bx2+cx+d=0(a≠0)でこの方程式の解がα、β、γの時に以下の3つが成り立つということです。
この証明は以下のようになります。
因数定理を考えると、ax3+bx2+cx+dの式は、(x-α)と(x-β)と(x-γ)の3つで割り切れます。
ax3+bx2+cx+d=a(x-α)(x-β)(x-γ)
と変形して右辺を展開すると、
a(x-α)(x-β)(x-γ)=ax3-a(α+β+γ)x2+a(αβ+βγ+γα)x-aαβγ
となります。
つまり、
ax3+bx2+cx+d=ax3-a(α+β+γ)x2+a(αβ+βγ+γα)x-aαβγ
ここで、この式が恒等式になっている、という事に気付けるかどうかが大きなポイントになります。
次に両辺の係数を比べます。
b = -a(α+β+γ)
c = a(αβ+βγ+γα)
d = -aαβγ
これを変形すると、
α+β+γ=-b/a
αβ+βγ+γα=c/a
αβγ=-d/aとなります。
よって、三次方程式の係数を用いた解の公式は正しいといえます。
4.三次方程式の例題
x3-2x2ーx+2=0という式を用いて実際に解いてみましょう。
まず最初に、この式を満たす有理数の解を1つ探しましょう。
方程式ax3+bx2+cx+d=0の有理数解は下記のようになります(これは便利なのでぜひ覚えましょう)。
この定式に当てはめると、a=1、d=2なので、±1と±2が有理数解の候補です。この例題の場合ですと、x=2を代入すると式が成立します。実際に代入してみるとf(2)=23ー2・22ー2+2=8ー8ー2+2=0となります。
次に因数定理より、この三次方程式をx-2で割りましょう。
因数定理とは多項式であるf(x)という式で、f(a)=0をみたすx=aが存在するのであれば、f(x)は(x-a)で割り切れる定理のことです。
すると、f(x) =(x-2)q(x)という式に変換できます。
f(x) を(xー2)で割ることによって、q(x)= (x2-1)となります。
q(x)を因数分解するとq(x)=(x2-1)=(x-1)(x+1)となるため、
f(x)= (x-2)(x-1)(x+1)より、
x=2,1,-1が解となります。
以上が、三次方程式の解き方の流れです。
では、先ほどの例題の解をそれぞれα=2, β=1, γ=-1として解の公式に当てはめてみましょう。
方程式よりa=1となるため、公式は以下のようになります。
α+β+γ=ーb
2+1+(-1)=ー(ー2)
αβ+βγ+γα=c
2・1+1・(-1)+(-1)・2=ー1
αβγ=-d
2・1・(-1)=ー2
となり、例題と一致するため解は正しいといえるでしょう。
5.三次方程式:まとめ
最後まで読んで下さりありがとうございます。この記事では三次方程式について解説しました。
難しそうに見える三次方程式でも、一つ解を見つけてしまえば容易に求めることが出来ます。
さらに今回紹介した有理数解の求め方を用いれば、時間短縮につながります。
三次方程式は繰り返し問題に触れ、形式に慣れることが大切です。頑張ってください!