中線定理を慶應生が解説!証明&使い方が分かる問題付き!

数学 2016.12.21

高校数学における中線定理について、数学が苦手な人でも理解できるように現役の慶應生が解説します。

中線定理は高校数学ではあまり知られていませんが、とても便利な定理です。

中線定理を知っておくと、センター試験などで時間を短縮できる場合があります。

本記事を読めば、中線定理とは何か・中線定理の使い方・中線定理の証明が理解できます。

最後には、中線定理の練習問題も用意した充実の内容です。

数学が苦手な人でも、ぜひ最後まで読んで中線定理を理解してください!

 

1:中線定理とは?

まずは、中線定理とは何かについてわかりやすく解説します。

中線定理とは、下図のような三角形ABCにおいて辺BCの中点をMとした時、

AB2+AC2=2(AM2+BM2)

を満たす定理のことです。

【中線定理とは?】

また、中線定理は別名パップスの定理とも呼ばれています。

以上が中線定理とは何かについての解説になります。次の章では、中線定理の使い方(例題)を見てみましょう。

 

2:中線定理の使い方(例題)

では、中線定理を使って実際に問題を解いてみましょう。中線定理の具体的な使い方が理解できます。

中線定理:例題

下の図のように、三角形ABCがある。AB=3、BC=8、CA=6のとき、AMの長さを求めよ。

ただし、点MはBCの中点とする。

解答&解説

中線定理の公式にそれぞれの値を当てはめましょう。

中線定理より、

AB2+AC2=2(AM2+BM2)

なので

32+62=2(AM2+42)

※BMの長さはBCの長さの半分なので4です。

よって、

9+36=2(AM2+16}

より

AM2=13/2

なので、

AM=√26/2・・・(答)

となります。

中線定理の使い方がイメージできたでしょうか?中線定理はとても便利な公式なのでぜひ知っておきましょう!

 

3:中線定理の証明

では、なぜ中線定理は成り立つのでしょうか?

本章では、中線定理が成り立つ理由(中線定理の証明)を行います。

中線定理の証明の仕方はいくつかありますが、今回は余弦定理を使った証明をしていきます。

※余弦定理についてあまり理解できていない人は、余弦定理について詳しく解説した記事をご覧ください。

【中線定理の証明】

∠AMBに対して余弦定理を用いると、

cos∠AMB

=(AM2+BM2-AB2)/2・AM・BM

同様に考えて、

cos∠AMC

=(AM2+CM2-AC2)/2・AM・CM

ここで、BM=CM、cos∠AMB=-cos∠AMCより

※cos∠AMB=cos(180°-∠AMC)より

cos∠AMB=-∠AMCとなります。

詳しくは加法定理について解説した記事をご覧ください。

AM2+BM2-AB2

=-AM2-BM2+AC2

式を整理して

AB2+AC2=2(AM2+BM2)

となり、中線定理を導くことができます。

以上が中線定理の証明になります。

次の章では、中線定理の練習問題をご用意しています。ぜひ解いて、中線定理をマスターしましょう!

 

4: 中線定理の練習問題

では、中線定理の練習問題を早速解いてみましょう!

中線定理:練習問題

下の図のように、AB=5、BC=12、CA=7の三角形ABCがある。AMの長さを求めよ。

解答&解説

中線定理の公式を使いましょう!

中線定理より、

52+72=2(AM2+BM2)

ここで、BMの長さはBCの長さの半分なので6です。

したがって、

52+72=2(AM2+52)

より、

AM2=12

となるので、

AM=√12・・・(答)

となります。

 

いかがでしたか?

中線定理とは何か、中線定理の証明・使い方が理解できましたか?

中線定理は高校数学ではあまり有名な定理ではありませんが、中線定理を知っているとセンター試験などで時間を短縮できる時があります!

中線定理を忘れた時は、また本記事を読み返して、中線定理を復習しましょう!

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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