有理数とは?無理数との違い・見分け方も一発理解!練習問題付き

数学 2022.12.26
有理数とは?無理数との違い・見分け方も一発理解!練習問題付き

よく「整数」や「自然数」などは数学で頻繁に取り扱われるため、イメージしやすいという人は多いでしょう。けれども、「有理数」については、「自信をもって「このような数だ」と説明ができるか?」と聞かれれば、尻込みしてしまいますよね。数の分類は数学を学んでいくうえでとても重要です。ここでは有理数とはどのような数のことを指すのか、また有理数に対する立場としての「無理数」との違いはどこにあるのかについて説明をいたします。

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    1:有理数とは?無理数との違いもわかる!

    まず、有理数がどのような位置づけの数かについては、次の図のようになります。
    こちらについては、詳しくは「実数とは何かを即理解&試験で使えるテクニックとは?」をご覧ください。

    1-1. 有理数と無理数の違い

    次に、有理数とはどのような数であるかを紹介します。
    a,bは整数(ただしb≠0)であるとします。このとき、の形で表すことができる数を有理数といいます。
    たとえば、整数である3は、とできるので、有理数であるといえます。
    ということは、「すべての整数は有理数でもある」ということになります。

    また、などの分数も有理数ということになります(と、の形にできる)。

    ところがたとえば√の数はそうなりません。√2をの分数の形に表現しようとしても無理です。
    そのような数を「無理数」といいます。他にも円周率を表すも、同様に無理数です。

    ※だたし、√がついた数は必ず無理数であるとは限りません。√4=2,√9=3などのように、√を使わずに表現できるものもあります(√4や√9などは有理数です)。
    この有理数と無理数の違いをはっきり認識することが必要な大学入試の問題があります。詳しくは「無理数とは?有理数との違い&試験で超頻出の問題も紹介!」をご覧ください。

      2:有理数と無理数の見分け方

      さて、有理数と無理数を見分ける方法について説明をする前に、小数のことを深掘りします。
      小数にはその数字の並びから、いくつかのパターンに分類されます。
      まずは途中で数字が終わってしまう「有限小数」と、無限に続く「無限小数」です。

      ①有限小数
      有限小数はたとえば0.51.72 2.125などといった数です。これらはそれぞれ分数に直すことができて、

       

       

       

       

       

       

      となります。このように、有限小数はみな有理数となります

      ②循環小数
      次に「無限小数」についてです。無限小数には2種類あり、ある部分を無限に繰り返している「循環小数」と、不規則に数字が並び続ける「非循環小数」とがあります。

      循環小数の場合は、たとえば0.333…がわかりやすい例です。これは「3」が無限に繰り返されていますので循環小数です。

      また、0.222…, 1.272727…も「2」や「27」を無限に繰り返している「循環小数」です。ちなみにこれらはとなります。

      一般的には循環小数は分子・分母が整数である分数に変形できることが知られています。
      したがって、循環小数も有理数となります

      ※循環小数を分数に変換する方法がわからない人は、循環小数を分数に変換する方法について解説した記事をご覧ください。

      ③非循環小数
      無限に続く循環しない小数は、高校までの内容であれば、√の数、円周率、自然対数の底が中心だと思ってもいいでしょう。この数、あるいはその数と有理数との四則演算を行った数は無理数です

      たとえば無理数とされるこれらの数

      √2=1.41421356…  覚え方「一夜一夜に人見頃」
      √3=1.7320508…    覚え方「人並みに奢(おご)れや」
      π=3.1415926535… 欧米での覚え方は “Yes, I have a number.”

      は、出てくる数字が全く規則性はなく、無限に続いていきます。

      以上のことから、有理数・無理数の見分け方は次の通りとなります。
      計算できるところはする。√の数は最も簡潔な形に変形しておく。

      ■整数と√やπのつかない分数は有理数
      ■小数は、有限小数と循環小数は有理数
      ■無限に不規則な小数は無理数
      ■√やπがついている部分があれば無理数

      これらをわかりやすく図でまとめてみると、次のようになります。

      2-1.よくある疑問:0って有理数?

      有理数のよくある疑問として、0は有理数かどうかという疑問があります。
      答えから先に述べると、0は有理数です。

      0は分数で0/a(a≠0)と表すことができますね。したがって、0は分数で表すことができるので有理数です。また、0は整数なので有理数に含まれるという考え方からも有理数であることがわかります。
      以上が有理数と無理数の見分け方についての解説になります。

      3:有理数の練習問題その1

      最後に、有理数に関する練習問題を2つご用意しています。
      必ず解いておきたい良問なので、ぜひ解いてみてください。

      練習問題1
      以下の数字から有理数を全て選べ。
      0.375375…−729156.68√3

      解答&解説
      左から順にひとつずつ考えていきます。

      0.375375… = 125/333なので、循環小数です。
      循環小数は分数の形に直せるので有理数にあたります。

      -72は整数です。よって有理数です。

      56.68は、小数点以下が68で止まっているため有限小数です。
      有限小数は分数の形に直せるので有理数にあたります。

      31.7320508…であり、不規則に並んでいて小数点以下が循環してないため、分数の形に直せません。
      よって、√3は有理数ではありません。

      以上より、有理数は、√3を除く0.375375…、−729156.68・・・(答)
      が答えになります。

        4:有理数の練習問題その2

        この練習問題は少し難しいですが、とても重要なことが詰まっているのでぜひチャレンジしてみましょう!

        練習問題2
        を満たすtは無理数であることを示し、を満たす有理数xyを求めよ。

        解答&解説
        を満たすtが有理数だと仮定すると、有理数は分数の形に直せるのでt=m/nm,nは整数)と表すことができます。

        ※この問題の証明では、背理法を使います。背理法が理解できていない人は、背理法について解説した記事をご覧ください。

        ここで、よりとなり、t >0

        tm/nを代入して

        両辺をn乗すると、

        ここで辺は3の倍数ですが、右辺は3の倍数になっておらず矛盾が生じます。
        よってtは無理数になります。

        次に、

        を満たす有理数xyを求めていきましょう。

        ①を3の倍数と5の倍数についてまとめてあげると
        より

        2x-5+5y=0でないと仮定すると

        x、yを有理数とするとx-y2x-5+5yも有理数となり、(x-y)/(2x-5+5y)も有理数となります。
        このことは、を満たすtは無理数でしたので矛盾します。

        よって
        2x-5+5y=0・・・
        より

        ここで、②の等式を考えると

        よって
        x-y=0 より
        x=y・・・

        ③と④を連立して、
        x=y=5/7・・・(答)
        となります。

          5:有理数の練習問題その3

          有理数には以下のような問題もあります。ぜひ解いてみてください。

          練習問題3
          x,yが有理数のとき、次の等式を満たすx,yの値を求めよ。
          (2x+4) √2+x+3=3y√2+2y

          解答&解説
          x,yは有理数なので、(2x+4) √2は無理数、x+3は有理数、3y√2は無理数、2yは有理数である。
          したがって、左辺と右辺の無理数部分どうしと有理数どうしがそれぞれ等しいので
          問題の解

           

           

          これを解いてx=1,y=2

            まとめ

            高校の数学を学んでいると、実にさまざまな種類の数を扱います。
            その種類や細かな違いについて良く知っておけば、どのような問題にも取り組めますし、数の世界を確実に理解することができます。この記事を読んで理解が深められたり、疑問が解決できたりしたとすれば幸いです。

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            この記事の執筆者

            ニックネーム:受験のミカタ編集部

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