三角関数のsin・cos・tanとは?使い方・求め方・覚え方を図表で解説!

数学 2024.4.11

sin(サイン)・cos(コサイン)・tan(タンジェント)の使い方が分からない」「三角関数は公式が多くて大変……」といった方は多いでしょう。

sin・cos・tanの基礎を固めておくことで、幅広い三角関数の問題に対処できるようになります。

sin・cos・tanは使い方と重要な公式を覚えておくことで、理解しやすくなります。この記事の練習問題を参考に、三角関数の学習を進め、大学受験に備えましょう!

この記事で分かること
・sin・cos・tanの使い方が分かる
・三角関数の公式を覚えられる
・sin・cos・tanを使った問題が解けるようになる!

【PR】勉強を効率的に継続して、志望校に合格したい方必見!

↓無料ダウンロードはこちら↓

sin・cos・tanとは?【直角三角形の辺の比】

「三角比」とは、「直角三角形の辺の比」という意味です。直角三角形は、3つの角の大きさが決まると、辺の長さの比も決まります。

例えば、次の2つの三角形は、どちらも∠A=60°、∠B=30°、∠C=90°の直角三角形です。

2つの直角三角形は辺の長さは異なりますが、 AC/ABをそれぞれ計算すると

左の直角三角形 AC/AB=1/2
右の直角三角形 AC/AB=2/4=1/2

となり、同じになることが分かりますね。

つまり、図形を拡大・縮小しても角の大きさが同じであれば、辺の比は変わりません

そこで、辺の比AC/ABをsinBと定義します。同じように、cosBとtanBも次の表のように定義します。

sin(サイン) 公式① sinB=AC/AB
cos(コサイン) 公式② cosB=BC/AB
tan(タンジェント) 公式③ tanB=AC/BC

sin・cos・tanの求め方は、次の項目でそれぞれ詳しく解説します。

以下の表はよく使われる三角比の値なので覚えましょう!

sinの求め方:sinB=AC/AB

sinとは、「基準の角に向かい合う辺/直角と向かい合う辺」のことです。

次の図のような直角三角形ABCにおいて基準の角をBとしたときに、AC/ABのことを指します。

※sin・cos・tanを考えるときの三角形は必ず直角三角形

まずは、次の図のようなAB=5、AC=4、BC=3の直角三角形の場合を考えてみましょう.

sinBを求めてみましょう。

sinB
= AC/AB
= 4/5

となります。

今回は辺の長さからsinの値を求めましたが、拡大・縮小しても三角比の値は変わらないため、辺の比からでもsinの値を求めることができます。

例として、∠B=30°の直角三角形を考えてみます。
直角三角形の辺の比は、

AC:AB:BC=1:2:√3

です。

sinBを求めてみましょう。

sinB
= AC/AB
= 1/2

となります。

このように、辺の長さと辺の比のどちらからでもsinの値は求められます。

cosの求め方:cosB=BC/AB

cosとは、「基準の角と直角に挟まれた辺/直角と向かい合う辺」のことです。

次の図のような直角三角形ABCにおいて基準の角をBとしたときに、BC/ABのことを指します。

具体例として、sinと同様に∠B=30°の直角三角形を考えてみます。


cosBを求めてみましょう。

cosB
= BC/AB
= √3/2

となります。

今回は辺の比からcosを求めましたが、もちろんsinと同様に辺の長さからcosを求められます。

tanの求め方:tanB=AC/BC

tanとは、「基準の角に向かい合う辺/基準の角と直角に挟まれた辺」のことです。

次の図のような直角三角形ABCにおいて基準の角をBとしたときに、AC/BCのことを指します。

sin・cosと同様に∠B=30°の直角三角形のtanBを求めてみます。


tanBを求めてみましょう。

tanB
= AC/BC
= 1/√3

となります。

tanでも辺の比だけでなく辺の長さからtanを求められます。

sin・cos・tanの覚え方

sin・cos・tanがそれぞれどの辺の比かは、「頭文字の筆記体の書き順」で簡単に覚えることができます!

【sinの覚え方】
次の図のように、sinの頭文字sの筆記体を書いたときの順番に、分母、分子とすれば求められます。

【cosの覚え方】
次の図のように、cosの頭文字cの筆記体を書いたときの順番に、分母、分子とすれば求められます。

【tanの覚え方】
次の図のように、tanの頭文字tの筆記体を書いたときの順番に、分母、分子とすれば求められます。

必ず覚えよう!sin・cos・tanの重要公式3つ

sin・cos・tanの間には次のような重要な公式があります。

それぞれの公式について解説をしていきます。三角関数の分野では頻繁に使う公式なので、解説を理解し、暗記しましょう!

公式①:sin2θ + cos2θ = 1

公式の1つ目は、
sin2θ + cos2θ = 1
です。

つまり、下の図のような直角三角形を考えたとき、sinθの2乗とcosθの2乗を足すと1になるということです。

三角関数では、sinθの2乗は「sinθ2」と書かずに「sin2θ」と書きます。cos・tanでも同様です

では、先ほどから使っている∠B=30°の直角三角形で考えてみます。

>sinB = 1/2,cosB = √3/2です。

したがって、

sin2B = 1/4

cos2B = 3/4

です。

よって、

sin2B + cos2B

= 1/4 + 3/4

= 1

となり、確かに足すと1になります。

公式②:tanθ = sinθ/cosθ

公式2つ目は、

tanθ = sinθ/cosθ

です。

では、∠B=30°の直角三角形で考えてみましょう。

sinB = 1/2,cosB = √3/2,tanB = 1/√3ですね。

ここで、sinB/cosBを考えてみると、

(1/2)/(√3/2)

= 1/√3

となり、確かにtanBの値と同じになっています。

公式③:1 + tan2θ = 1/cos2θ

最後の公式は少し複雑ですが、頑張って覚えましょう。

1 + tan2θ = 1/cos2θ

では、おなじみ∠B=30°の直角三角形で考えます。

cosB = √3/2

tanB = 1/√3

ですね。

公式の左辺に代入すると、

1+(1/√3)2

= 1+1/3

= 4/3・・・①

ですね。

公式の右辺に代入すると、

1/(√3/2)2

= 1/(3/4)

= 4/3・・・②

ですね。

①=②になっていますので、確認できました。

以上で紹介したsin・cos・tanに関する公式は三角関数の分野では頻繁に使います。

必ず覚えましょう!

sin・cos・tanに関する練習問題

最後に、sin・cos・tanに関する練習問題を紹介します。もちろん詳しい解答&解説付きです。sin・cos・tanは三角関数の基礎なので、以下の問題は必ず解けるようにしておきましょう!

問題その1

以下のような直角三角形ABCがあるとき、sinθ、cosθ、tanθの値を求めよ。

解答&解説

sinθ=AC/ABなので、

sinθ=12/13・・・(答)

cosθ=BC/ABなので、

cosθ=5/13・・・(答)

tanθ=AC/BCなので、

tanθ=12/5・・・(答)

となります。

補足:tanθを求める別解

記事中でも紹介した通り、tanθ=sinθ/cosθなので、sinθとcosθを求めてから、

tanθ

=(12/13)/(5/13)

=12/5・・・(答)

としてtanθを求めることもできます。

問題その2

cos2θ=25/29のとき、tanθの値を求めよ。

解答&解説

本記事で紹介した公式その3

1 + tan2θ = 1/cos2θ

を使いましょう!

cos2θ=25/29なので、

1+tan2θ=29/25

となりますね。

よって、

tan2θ=4/25

となるので、

tanθ=2/5、-2/5・・・(答)

となります。

まとめ

三角関数のsin・cos・tanが理解できましたか?
sin・cos・tanの値の求め方、重要公式3つの式とその使い方を覚えるためには、丸暗記するのではなく、くり返し練習問題を解くなかで覚えるようにしましょう。
はじめにも書きましたが、sin・cos・tanは三角関数の分野の基本です。必ず理解しておきましょう!

アンケートにご協力ください!【利用状況に関するアンケート】

※アンケート実施期間:2023年4月5日~

受験のミカタでは、読者の皆様により有益な情報を届けるため、受験のミカタの利用状況についてのアンケート調査を行っています。今回はアンケートに答えてくれた方から10名様に500円分の図書カードをプレゼントいたします。



最新情報を受け取ろう!

受験のミカタから最新の受験情報を配信中!

記事の内容でわからないところ、質問などあればこちらからお気軽にご質問ください。

中の人がお答えします。

この記事の執筆者

ニックネーム:やっすん

早稲田大学商学部4年
得意科目:数学