双曲線とは?例題と要点まとめでマスターしよう!

数学 2018.10.10

数学3を勉強していくうえで、双曲線は必須です。

思わぬところで出てきて、この式が何を表しているのか分からないなんてことになったら大変です。きちんと理解しましょう。

実は、中学数学でも「反比例」という単元で双曲線は少しやっていますが、数学3の双曲線はなかなかのくせ者です。
この記事ではそんな双曲線についてまとめているので、これを機に双曲線の理解を完璧にしてしまいましょう!

反比例についての記事はこちらをご覧ください。

1.双曲線とは?

ここでは、双曲線の定義と双曲線の話をする上で必要な知識を紹介します。

双曲線は、x軸、y軸、原点に対して対象な曲線で、「平面において異なる2つの定点F,F’からの距離の差が0にならない一定の値をとる点Pの軌跡」という定義があります。

これを数式で言い換えると
|FP-F’P|=k (kは一定値)です。


また、定点F,F’を双曲線の焦点と呼び、2本の漸近線に囲まれて曲線が描かれます。
(漸近線は、絶対に曲線と交わらない直線のことです。)


ただし、線分FP,線分F’Pの距離の差は線分FF’より短いというルールもあったりしますが、これは実際に使ったりしないので頭の片隅に入れておいてください。

そして、焦点や漸近線以外にも、二次曲線と聞いたらまず出てくる原点(0,0)や頂点ももちろん使います。その頂点は、線分FF’と双曲線の交点のことをいい、線分FF’の中点を中心といいます。

基本的に、双曲線の中心は原点にあることが多いです。

ですが原点から離れた双曲線も問題として出てくるので、その際は二次関数などと同じように平行移動を用いて考えましょう。平行移動についての記事はこちらを確認してください。

 

2.双曲線の公式

双曲線にも、もちろん公式はあります。

中学数学の反比例の公式y=(a:実数)ではなく、もう少し複雑な式が登場します。次の段落で例題を解くので、こういう公式があるということをここでは知ってください。

双曲線は、x軸に対して+側、-側に開く曲線Aとy軸に対して+側、-側に開く曲線Bの2タイプがあります。
(曲線Aは焦点がx軸上に、曲線Bは焦点がy軸上にあるということがわかるはずです。)

曲線Aの公式は

となっていて、双曲線の方程式の標準形といいます。(a,bはそれぞれ実数です。)

このときの焦点は

で求められ、頂点は(a,0),(-a,0)で、漸近線は

で求められます。

これは双曲線の式において右辺を0とすれば簡単に求めることが出来るのでぜひ覚えましょう。

曲線Bの公式は

となっていて、この式も双曲線の方程式の標準形といいます。

しかし、ここで注意点が1つあります。

焦点がy座標にあるため、頂点、焦点がx軸上のものと全く同じではないということです。
頂点は(0,b),(0,-b)で、焦点は

で求められ、曲線Aと逆になっていることが分かるはずです。

ただし、漸近線は変わらずで求められます。
ここが注意点なので気をつけましょう。

 

3.双曲線の計算

実際に例題を解いて、双曲線の公式をどう使うのかを紹介します。
ここから、公式を使いこなす必要があります。まずは、例題を一緒に解いていきましょう!

例1)の頂点、焦点、漸近線を求めよ。

この問題では、=1の双曲線の方程式なので曲線Aの公式を使うと分かります。

曲線Aの公式と例1の式を見ると、a2=9,b2=16だと分かります。
よって、a=3,b=4(ここでは正負どちらかを取れば大丈夫です。)

頂点は(a,0),(-a,0)なので、(3,0),(-3,0)
焦点は、

なので、F(5,0),F'(-5,0)

漸近線は、なので、


ちなみに

とおいて解くことも可能です。

 

例2) の頂点、焦点、漸近線を求めよ。

右辺に-があるので曲線Bの公式を使うのではないかと予想ができますね。

まず、両辺を36で割ります。


右辺に-1が作れたので、曲線Bの公式が使えますね。

公式を使うと、

a,bが求められたので、頂点、焦点、漸近線も求めます。

頂点(0,b),(0,-b)なので、

焦点Fは、

なので、 

漸近線 なので、

 

ここまで来たら、もう一度例題1、例題2を自力で解いてみてください。
流れさえ分かってしまえば、簡単でしょう。
「もう大丈夫かな」と思ったら、勉強をやめるのではなく、お手持ちの問題集をやってみてください。きっと時間がかかるはずです。
分からなくなったら、この例題、もしくは公式のところを読んで解いてみましょう。
間違っても解けるまで問題集の答えを見てはいけませんよ?

 

4.グラフの書き方

頂点、焦点、漸近線が求められるようになったら、グラフを書きましょう。

「いきなり書くのは無理!」というあなた。1から説明していくので、その手順通りに書いてみてください。
双曲線のグラフは、頂点、焦点、漸近線が求められなければ書くことはできません。

これまで、これらの求め方を習っていたので、すべてグラフの書き方を学んだということに等しいといえるので、安心してついてきてください。

 

では、実際にグラフを書いていきましょう。
ここでは例題1の式

を使います。

まず始めに、平面座標を用意します。
次に求めた頂点(3,0)と(-3,0)を書き、漸近線を点線で書きます。

このとき、頂点の近くに(3,0)もしくは(-3,0)と座標を書き入れ、2本ある漸近線にそれぞれ漸近線 それに原点0を記載してください。

これを書くのは、数学をやる上で必須です。習わなかったという人もいるかもしれませんが、入試で書かなかったら確実に減点対象です。


この後、双曲線を実際に書いていきます。

必要な点は、頂点含めて5つ程度で十分なので、合計10個ほどの点を入れていきましょう。
点を入れ終えたら点と点をつなげていきますが、このとき頂点付近の線が尖らないようにしてください。

曲線は頂点に近づくにつれて丸みを帯びていくので、尖っていると「この人関数を分かってないな」と思われ、減点対象にもなります。


また、頂点から離れたところ(x=±∞)では漸近線に限りなく近づく(決して交わらない)ように書いてください。
線が書けたら、点に座標を書き入れましょう。
座標が入っているととても丁寧なグラフに見えます。

双曲線のまとめ

今回は、双曲線の公式や解き方、グラフの書き方を紹介していきました。
公式やグラフの細かい決まりが多く、最初は嫌になるかもしれませんが、問題を繰り返し解いていくうちに自然と覚えているものです。

繰り返し解いてパターンを身につけることで急に双曲線の問題が来ても対応できるようになります。

ぜひ問題を繰り返し解いてマスターしてください!

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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