増減表の書き方と符号の調べ方!一度読めばすぐ書ける

数学 2024.1.25

増減表、極大・極小は、微分の中で最重要分野です。

平成22~26年のセンター試験では、23年を除くすべての年で出題されています。

それくらい、微分の中でもっとも重要な分野なのです。

今回は、そんな増減表、極大・極小、そしてグラフを描く問題の基礎を数学が苦手な文系学生にも分かり易くまとめました。ぜひ読んでください!!

		

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1.関数の増減(基礎)

まずは、関数の増減に関する基本的な事柄を紹介します。

※「単調」とは、「ずっと」という意味だと思ってください。つまり、「単調に増加する」なら、「途中で減少したりせず、ずっと増加する」という意味です。

では、なぜこうなるのか?簡単に解説しておきます。

[解説]

関数f(x)を微分するとf´(x)が得られます。f´(x)>0ということは、xにどんな値を入れても必ずf´(x)>0になるということですよね。例えば、xにaという値を入れたとします。では、f´(a)は何を表しているのでしょうか?

f´(a)は、関数f(x)上の点( a , f(a) )における接線の傾きを示しているのでした!つまり、f´(x)>0ということは、f(x)上のすべての点における接線の傾きが正である、ということになります。接線の傾きが正であるということは、その接線は右肩上がりの直線になるので、単調に増加していますよね。

[参考記事]

微分を使った接線の求め方:丁寧な解説付き♪

 

ここで、例を2つ挙げます。見ていきましょう。

[例①]

f(x)=5x+10というグラフがあったとします。これを微分すると、

f´(x)=5 です。

f´(x)>0なので、f(x)は単調に増加するということになりますよね。試しに、y=5x+10のグラフを書いてみましょう!

確かにこのグラフは、どの点を見ても途中で減少したりせずにずっと増加していることが確認できました。

 

[例②]

f(x)=-3x+6というグラフがあったとします。これも微分してみましょう。

f´(x)=-3 です。

f´(x)<0なので、f(x)は単調に減少するということになりますよね。これも確認のために実際にグラフを書いてみましょう!

このグラフも、どの点を見ても途中で増加することなく、ずっと減少していますね。

 

2.複雑な関数の増減

ここでは、もう少し複雑な関数(三次式以上の関数)で具体例をみていきましょう。例えば、f(x)=x3+3x2-9xという関数があったとします。

関数の増減・極値の問題では、f´(x)を求めて、f´(x)=0となるときのxの値とその前後でのf´(x)の符号を調べることが定石です。

というわけで、まずはf(x)を微分します。f´(x)=3x2+6x-9ですね。

このままでは単調に増加しているのか減少しているのか分からないので、f´(x)のグラフを書いて調べてみましょう。

二次関数のグラフを書くときには、①平方完成をしてグラフの頂点を求める ②y座標が0となるときのx座標を求めるのが定石でした。

f´(x) = 3x2+6x-9 = 3(x+1)2-12 なので、頂点の座標は(-1 , -12)ですね。

また、f´(x) = 3x2+6x-9 = 3(x-1)(x+3) なので、(1 , 0)と(-3 , 0)を通ることもわかります。よって、f´(x)のグラフは以下のようになります。

では、このグラフから、f´(x)の正負に注目してきましょう。

まず、

x<-3のとき、f´(x)>0です。

-3<x<1のとき、f´(x)<0です。

x>1のとき、f´(x)>0ですね。

よって、f(x)は、x<-3のとき単調に増加し-3<x<1のとき単調に減少しx>1のとき単調に増加する、ということになります。

これらのことを分かり易くするために1つの表でまとめることができます。その表が、増減表といわれているものです。詳しくは以下でみていきます。

 

3.増減表 書き方

さきほどのことを増減表にまとめると次のように書くことができます。

この表は、なんとなくは理解できると思います。

簡単ですよね。

また、x=-3 , 1のときのf(x)の値も求めておきました。

 

4.増減表、極大・極小

ここで一つ重要なことがあります。

f´(x)の符号がx=-3 , 1の前後で変化していますね。

f´(x)の符号が正から負に変化するとき、f(a)は極大値

f´(x)の符号が負から正に変化するとき、f(a)は極小値であるといいます。

(極大値と極小値をまとめて極値といいます。)

今回の場合だと、27が極大値で、-5が極小値ということになりますね。

これらは重要な用語なので、必ず覚えましょう。とわれる

最後に、f(x)のグラフを書いてみましょう。グラフは増減表をもとにして書いていきます。

 

 

書き方のポイントを紹介します。まず、極大値と極小値を定めます。また、x=0のときのf(x)の値も定めることです。

これで、f(x)が通る3点がわかったので、あとはこの3点を通るように、単調増加と単調減少に気をつけて滑らかに曲線を書いていけばよいというわけです。

それでは、次の練習問題をやってみましょう!!

 

5.練習問題

[問題]

y=3x4-16x3+18x2+50という関数がある。この関数について、以下の問いに答えよ。

① y´=0となるときのxの値を求めよ。また、そのときのyの値も求めよ。

② yの増減表を書き、極大値と極小値を求めよ。

③ yのグラフを書け。

 

[解答&解説]

y´=12x3-48x2+36x

=12x(x2-4x+3)

=12x(x-1)(x-3)

なので、求めるxの値は、0 , 1 , 3 となる。(0を忘れないように!)

また、

(Ⅰ)x=0のとき、y=50

(Ⅱ)x=1のとき、y=55

(Ⅲ)x=3のとき、y=23 である。

x=0 , 1 , 3のときにy´=0となるので、この3つの値の前後で増減を調べればよいです。

(x<0のとき、0<x<1のとき、1<x<3のとき、3<xのときで場合分け)

すると、yの増減表は以下のようになりますね。

 

したがって、極大値は55 , 極小値は50と23となります。

グラフは、(0 , 50) , (1 , 55) , (3 , 23)の3点を通ることが分かったので、この3点を通るように単調増加または減少に気をつけて滑らかな曲線を書きましょう。

(今回はたまたまx=0のときのy座標が求まっていましたね)

 

増減表のまとめ

いかがでしたでしょうか?

関数の増減、グラフに関する問題のポイントは、まずは与えられた関数f(x)を微分し、f´(x)=0となるときのxの値を求めてそのxの値前後の増減を調べることでした。この流れはしっかりおさえて下さいね。

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この記事の執筆者

ニックネーム:やっすん

早稲田大学商学部4年
得意科目:数学