【古典/古文の助動詞】接続の覚え方!インパクト最強な語呂合わせ!イラスト付き

国語 2023.3.12

古典/古文の助動詞はたくさんあって覚えにくいですよね。

特に助動詞の接続は、同じグループを関連付けて覚えるのが非常に難しいです。

替え歌など、さまざまな覚え方がありますが、それも結局は「意味不明な音の並びをとにかく気合で覚える作業」になりがち。

本記事では、現役筑波大生である筆者が、インパクト最強な古典/古文助動詞の接続の覚え方をお伝えします。

※古典/古文の助動詞の意味を覚えたい方は、古典/古文の助動詞の意味を暗記する記事をご覧ください。

また、助動詞の活用を覚えたい方は、古典/古文の助動詞の活用を暗記する記事をご覧ください。

古典/古文の助動詞についてのまとめ記事を読みたい方は「古典/古文助動詞関連記事まとめ 意味・活用・接続を一気にマスターしよう!」の記事を読んでみてください。

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1.そもそも、古典/古文の助動詞とは?接続とは?

古典/古文の助動詞とは「接続する語に様々な意味を添える、活用する付属語」のこと。

接続とは「その言葉は、どんな形の言葉の後につくか」ということです。

例えば、「ある言葉の未然形+る」となるなら、この「る」は未然形接続ということです。

接続は、品詞分解の際のヒントとなるので、是非覚えましょう。

2.古典/古文 未然形接続の助動詞の覚え方

未然形接続の助動詞は、

る・らる・す・さす・しむ・ず・む(ん)・むず(んず)・まし・じ・まほし

の11個です。

未然形=未だ然(しか)らざる、ということからわかるように、打消し・推量・希望などの助動詞が多いです。

今回は、未然形接続の助動詞を、「未だスマホに慣れていない田舎のマホ氏」に例えて覚えたいと思います。

未だにスマホのことがよく分かってない田舎(rural→る、らる)住まいのマホ氏は、

機能が良くなるだろうと思って、酢()をSIM(しむ)カードに注し(さす)た。

しかし、壊れてしまったため、マホ氏はずーん(ず、む)と落ち込んだ。

そしてスマホをむんず(むず)と掴むと、「捨てたほうがマシ!(まし)」とゴミ箱に投げ捨てた。

それでも、しばらく経つとスマホが恋しくなり、他人のスマホをじー()っと見ては、

「新しいスマホほしい(まほし)」と思うのだった。』

未然形接続の助動詞は11個です。

る・らる・す・さす・しむ・ず・む(ん)・むず(んず)・まし・じ・まほし

覚えられたでしょうか?

3.古典/古文 連用形接続の助動詞の覚え方

連用形接続の助動詞は、

つ・き・ぬ・けむ(ん)・けり・たし・たり(完了・存続)

の7個です。

連用形とは、用言(述語になる語。動詞・形容詞・形容動詞)の前に来る時の形と同じということで、動詞の最も使われる形ともいわれます。

その連用形の後に来るのが連用形接続の助動詞ということです。

連用形接続の助動詞は、「つきぬけた」と覚えます。

つ・き・ぬ・けむ(ん)・けり・たし・たり

スマホが壊れた悲しみがMAX以上に「つきぬけた」ため、「無理(けむ・けり)!」と思って「siri(たし・たり)」に語りかけるマホ氏ですね。

「もう、この悲しみに耐えられんよー(連用)」ですね!!

つ・き・ぬ・けむ(ん)・けり・たし・たり(完了・存続)

覚えたもの勝ちです。

4.古典/古文 終止形接続の助動詞の覚え方

終止形接続の助動詞は、

まじ・めり・なり(伝聞・推定)・らむ・らし・べし

の6個です。

「断定・所在のなり」ではなく、「伝聞・推定のなり」であることに注意しましょう。

終止形とは、いわゆる言い切りの形です。

その後ろにつくのが終止形接続の助動詞ということですね。

終止形接続の助動詞は「まめならべ」と覚えます。

 まじ・めり・なり(伝聞・推定)・らむ・らし・べし

「聞いたところによると(伝聞)、マホ氏はスマホが壊れて暇になったので、最近の趣味は終始(終止形接続まめならべのようだ(推定)」

まじ・めり・なり(伝聞・推定)・らむ・らし・べし

なり(伝聞・推定)」に注意してくださいね!

5.古典/古文 体言や連体形に接続する助動詞の覚え方

ここからは少し複雑になってきます。

助動詞ごとに、何に接続するのかそれぞれ見ていきましょう。

なり(断定・所在)の接続の覚え方

断定・所在の助動詞「なり」は、体言(名詞)や活用語の連体形に接続します。

助詞や副詞にも接続しますが、意味が分かりやすいため、難しく考えなくても大丈夫です。

連体形とは、体言の前に来る時の形と同じということです。

その連体形の後に「なり」がついていたら、断定または所在・存在の「なり」だということですね。

なり(断定・所在、存在)は、例文で覚えましょう。

マホ氏のスマホだって悲しんでるんですね。

ちなみに、この通称「断定のなり」は、連用形である「に」の形でよく問われます。

「に」の形の時は、体言・連体形についているからと言って、「断定のなり」とは限りません

格助詞や接続助詞の場合があるからです。

断定の助動詞「なり」の連用形の「に」である場合は、体言・連体形+「に」の下に、補助動詞「あり」「侍(はべ)り」などがあります

たり(断定)の接続の覚え方

断定の助動詞「たり」は、体言に接続します。

単純ですが、「たり」の前は体言だ(断定)ったりする、と覚えましょう。

ちなみに、「たり」には3種類あります。

「たり」という言葉が出てくるとき、前の言葉は体言だったり、連用形だったり、「たり」も含めて形容動詞だったりします。

体言+「たり」のとき→断定の助動詞「たり」

連用形+「たり」のとき→完了・存続の「たり」

完了・存続の「たり」とは、先ほど「つきぬけた」で書いたとおり、連用形接続ですね。

タリ活用形容動詞の連用形または終止形の活用語尾

タリ活用形容動詞は漢語がもとになっていて、そのほとんどは「堂々たり」「漫々たり」など、漢字の繰り返しが語幹となっています。

中には、タリ活用形容動詞なのか、体言+断定の「たり」なのか分かりにくいものもありますが、グレーなものは試験に出ないため、ひとまずは大丈夫でしょう。

ごとしの接続の覚え方

比況・例示の助動詞「ごとし」は、体言や活用語の連体形、助詞「が」「の」に接続します。

「ごとし」の接続は、「鯛、タイガーのごとし」と覚えます。

鯛(体言)、タイ(連体形)ガー()の(ごとし

 

6.古典/古文 已然形接続の助動詞の覚え方

已然形接続の助動詞は、り(完了・存続)の一つだけです

しかし、「り」はサ変動詞の未然形と四段動詞の已然形に接続するという、少し複雑な性質を持っています。

り(完了・存続)の接続は、「さみしい(サ未四已)」と覚えます。

スマホないですからね。

ちなみに、り(完了・存続)の連体形は「る」ですが、受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」の終止形と間違えやすいです。

見分け方は、

①サ未四已(サ変動詞の未然形、四段動詞の已然形)=どちらもエ段で終わる+「る」

完了・存続の助動詞「り」連体形

②四段動詞・ナ変動詞・ラ変動詞の未然形=どれもア段で終わる+「る」

受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」終止形

です。

受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」については、先ほど未然形接続の助動詞で書きましたね。

7.さいごに

いかがだったでしょうか。

学校での古典や古文の勉強は、歴史的な文学の世界に興味を持つのにはとてもいい入り口です。

しかし、せっかく楽しい物語や随筆も、基本的な文法が分からなければ、味わうことができません。

助動詞はきっちり覚えて、ぜひ古典を楽しんでください。

⇒古典/古文の助動詞についてのまとめ記事を読みたい方は「古典/古文助動詞関連記事まとめ 意味・活用・接続を一気にマスターしよう!」の記事を読んでみてください。

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この記事の執筆者

ニックネーム:みかちー

筑波大学社会・国際学群4年
得意科目:国語、英語、日本史