力学的エネルギー保存則で覚えることは1つだけ!
今回は、力学的エネルギー保存則について解説していきます。
まず、力学的エネルギーとは、物体がもつ位置エネルギーと運動エネルギーの合計のことです。
力学的エネルギー = 位置エネルギー + 運動エネルギー
このことだけを覚えれば問題はありません!
※位置エネルギーと運動エネルギーについては、
に詳しい解説があります。
そして、力学的エネルギー保存則とは、位置エネルギーと運動エネルギーの合計が常に一定になることです。
位置エネルギー + 運動エネルギー = 一定
具体例でみていきます。
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力学的エネルギーの具体例
質量m[kg]の物体を高さh[m]から自由落下させることを考えてみます。
そして、物体が通過する地点①、②、③に注目してみます。
①:高さがh[m]の点に注目
【位置エネルギーのみ】
位置エネルギー = mgh
運動エネルギー = 0
よって、力学的エネルギーは mgh + 0 = mgh となる。
②:高さがh´[m]の点に注目
【位置エネルギー+運動エネルギー】
高さh´[m]の点を通る時の速さをv´[m/s]とする。
すると、自由落下運動の公式③(参考)より、
v´2 = 2g(h-h´)
(参考)
自由落下運動の公式
①速度:v = gt
②変位:y = gt2
③時間を含まない式:v2 = 2gy
したがって、
位置エネルギー = mgh´
運動エネルギー = mv2 = mg(h-h´)
よって力学的エネルギーは、mgh´ + mg(h-h´) = mgh となる。
③:地面(高さ0[m])の点に注目
【運動エネルギーのみ】
地面(高さ0[m])を通る時の速さをv[m/s]とする。
ケースⅡと同様に考えて、
v2 = 2gh
したがって、
位置エネルギー = 0
運動エネルギー = mv2 = mgh
よって力学的エネルギーは、0 + mgh = mgh となる。
力学的エネルギーのまとめ
①~③より、
位置エネルギーと運動エネルギーの合計は常に一定であることがわかりました。
このことをグラフで示すと以下のようになります。
位置エネルギーが大きくなれば、運動エネルギーは小さくなります。
力学的エネルギーの応用(単振り子)
力学的エネルギー保存則を用いた応用例をみていきましょう。
よく入試などで出題されるのが、単振り子です。
単振り子でも、力学的エネルギー保存則は成り立ちます。図で確認していきましょう。
物体の質量をm[kg]とする。
図のように、(A)から静かに物体を離す。
(A)における位置エネルギーはmgh、運動エネルギーは0なので、
力学的エネルギーはmgh である。
また、物体の高さがh´[m]になったときの速さをv[m/s]とする。[(B)地点]
このときの位置エネルギーはmgh´、運動エネルギーはmv2であるから、
力学的エネルギーはmgh´+ mv2 となる。
力学的エネルギー保存則より、