力学的エネルギー保存則で覚えることは1つだけ!

物理 2022.12.26

今回は、力学的エネルギー保存則について解説していきます。

まず、力学的エネルギーとは、物体がもつ位置エネルギー運動エネルギー合計のことです。
力学的エネルギー = 位置エネルギー + 運動エネルギー
このことだけを覚えれば問題はありません!

※位置エネルギーと運動エネルギーについては、

位置エネルギーの公式は全部で3つあるって知ってた?

運動エネルギー 公式とすぐに分かる求め方

に詳しい解説があります。

そして、力学的エネルギー保存則とは、位置エネルギー運動エネルギーの合計が常に一定になることです。
位置エネルギー + 運動エネルギー = 一定
具体例でみていきます。

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力学的エネルギーの具体例

質量m[kg]の物体を高さh[m]から自由落下させることを考えてみます。

そして、物体が通過する地点に注目してみます。

 

①:高さがh[m]の点に注目

【位置エネルギーのみ】

位置エネルギー = mgh

運動エネルギー = 0

よって、力学的エネルギーは mgh + 0 = mgh となる。

 

②:高さがh´[m]の点に注目

【位置エネルギー+運動エネルギー】

高さh´[m]の点を通る時の速さをv´[m/s]とする。

すると、自由落下運動の公式③(参考)より、

2 = 2g(h-h´)


(参考)

自由落下運動の公式

①速度:v = gt

②変位:y = gt2

③時間を含まない式:v2 = 2gy


したがって、

位置エネルギー = mgh´

運動エネルギー = mv2 = mg(h-h´)

よって力学的エネルギーは、mgh´ + mg(h-h´) = mgh となる。

 

③:地面(高さ0[m])の点に注目

【運動エネルギーのみ】

地面(高さ0[m])を通る時の速さをv[m/s]とする。

ケースⅡと同様に考えて、

v2 = 2gh

したがって、

位置エネルギー = 0

運動エネルギー = mv2 = mgh

よって力学的エネルギーは、0 + mgh = mgh となる。

 

力学的エネルギーのまとめ

①~③より、

位置エネルギー運動エネルギーの合計は常に一定であることがわかりました。

このことをグラフで示すと以下のようになります。

位置エネルギーが大きくなれば、運動エネルギーは小さくなります。

 

力学的エネルギーの応用(単振り子)

力学的エネルギー保存則を用いた応用例をみていきましょう。

よく入試などで出題されるのが、単振り子です。

単振り子でも、力学的エネルギー保存則は成り立ちます。図で確認していきましょう。

物体の質量をm[kg]とする。

図のように、(A)から静かに物体を離す。

(A)における位置エネルギーはmgh、運動エネルギーは0なので、

力学的エネルギーはmgh である。

 

また、物体の高さがh´[m]になったときの速さをv[m/s]とする。[(B)地点]

このときの位置エネルギーはmgh´、運動エネルギーはmv2であるから、

力学的エネルギーはmgh´+ mv2 となる。

 

力学的エネルギー保存則より、

mgh = mgh´+ mv2 という関係式が導けますね♪

 

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この記事の執筆者

ニックネーム:やっすん

早稲田大学商学部4年
得意科目:数学