【ガウスの法則】電磁気の基本法則を分かりやすく解説!

物理 2019.4.17

ガウスの法則は高校物理の電磁気の基本となる法則ですので、しっかりと抑えておく必要があります。
とはいえ電荷、電場など法則の前提となる概念のイメージが難しく、苦手意識を持つ人が多い分野でもあります。
ガウスの法則の前に用語を丁寧に説明していきますので、理解できるまで何度でも活用してください。

 



1.  【ガウスの法則の前に①】そもそも電荷や電場ってなに?

ガウスの法則は「電荷と電場の関係を説明する法則」ですが、前提となる用語の定義でつまずくと理解が難しくなってしまいます。

まずは、最初の一歩目である電荷について説明をします。

 

すべての物質は原子からできており、原子はその中心にある原子核の周囲を電子が回っています。
電子は負(-)の電気を帯びており、対して原子核は陽子と中性子からなり、陽子は正(+)の電気を帯びています。原子は、陽子の正の電気量と電子の負の電気量が等しいため、電気的に中性となっています。
この、電気をもつ粒子(電子や陽子)のことを電荷と呼び、電荷の量を電気量といいます。

 

電荷(電気量)の記号は Qを、単位には〔C〕(クーロン)を用います。
そして、電荷を置いたときに静電気力(クーロン力)が発生し、その空間を電場といいます。
ひとまず簡単に表すと、電荷は「電気を帯びている粒子」、電場は「電荷を置いたときに力が発生する空間」ということになります。

 

なお、2つの電荷q1、q2が作用する静電気力についてはクーロンの法則として次の式で表せます。
こちらもガウスの法則同様、基本的な抑えておきたい法則です。

クローンの法則


2.  【ガウスの法則の前に②】そもそも電荷や電場って何

加えて、紛らわしい電場と電位についても説明します。

電場と電位はどちらも「電荷が存在するときに生じる空間の性質」 です。
電場は電荷を持つ物体に働く力に関係する量で、電位というのは電荷を持つ物体が複数ある時のエネルギーに関係する量となっており、電磁気学では電場と電位はどちらも重要になってきます。

 

式で表すと、電場は+1[C]の電荷が受ける静電気力ですので、点電荷の場合はクーロンの法則そのままとなります。
対して電位は、電荷は+1〔C〕あたりの位置エネルギーであり、電位の単位はボルト〔V〕を用います。ある点に電荷q〔C〕があり、電荷の位置エネルギーがU〔J〕であるとき、その点の電位V〔V〕は V=U/q ⇔ U=qV と表します。
また、関係式より〔V〕=〔J/C〕の関係があることもわかります。

 

もっと詳しく学びたい方は下記のページを参考にして見ましょう。

 

【電場と電位】単位と公式を即理解!!

 



3.  【ガウスの法則の前に③】電場を表現する電気力線

先ほど説明したように、電荷は周りに静電気力を発して、他の電荷に影響を及ぼす電場をつくります。電場はベクトル場とよばれており、空間内で様々な方向を向いていることが予想されます。

そこで、電気力線という電場を表現するため仮想的な線の考え方を取り入れます。
電気力線は実体がこの世に存在するのではなく、存在すると仮想すると、他の物理現象を合理的に説明することができるため使われています。

 

◎電気力線には次のような特徴があります

  • 正電荷から出て負電荷へと入射する、もしくは 始点か終点のどちらかが無限遠へ伸びている.
  • 電荷が存在しない場所では断絶、交差、枝分かれをしない.
  • 電気力線上の接線方向が、その点での電場の方向を表している.
  • 電荷から伸びる電気力線の本数は、電荷の大きさに比例している.
  • 電気力線の密度は電場の強さに比例している.
  • 同じ方向を向いている電気力線は反発し合う.

 

空間内の比較的近い場所に正電荷と負電荷を持つ点電荷を配置したとすると、正(+)の電荷から負(-)の電荷に入っていく、合成電場を表す電気力線は図のようになります。

 

合成電場を表す電気力線の図

 

なお、比較的近い場所に正電荷同士を配置した時の電気力線は図のようになり、交わることはありません。

 

正電荷同士を配置した時の電気力線の図

 



4.  ガウスの法則とは

それでは、電荷と電場、電位、電気力線を理解したところで、ガウスの法則を説明します。

 

ガウスの法則とは、「任意の閉曲面の電気力線の本数は、その閉曲面内の電荷量に比例する」という法則です。また分からなくなってきたと思いますので、わかりやすく紐解きます。

 

任意の閉曲面というのは、言い換えると「電場をどんな形でもよいので取り囲んだエリア」ということです。例えば、球などです。逆に穴の空いた球は閉曲面ではありません。

ガウスの法則を式で表すと次のような複雑な式になります。

 

ガウスの法則

※面上の微小部分 dS における電束密度の面に垂直な成分を Dn 、閉曲面 S に包まれた体積部分V の中の微小体積 dV での電荷密度を ρ 、V 内の全電荷を q とする。

 

ただし、試験ではこの式でなく次の式を使うことがほとんどです。
電荷qを中心とする半径rの球の表面での電束(電気力線の量)密度Dは

 

ガウスの法則の公式

これは 「 +q [C] の点電荷から、何本の電気力線が出ているか 」 を求める問題で出題されることがありますので、回答できるようにしてください。

 



5.  ガウスの定理とは

最後に、ガウスの法則に似た、ガウスの定理とよばれる定理をご紹介します。

ガウス定理は発散定理または単に発散定理ともいい、電磁気学ではなくベクトル解析における定理です。ガウスの定理は、閉曲面の表面の出入りを見るだけで、閉曲面に囲まれた内部の微小体積内のベクトル場の増減を換算できるという内容で、次のような式になっています。

 

いくつかの閉曲面で囲まれた有界な領域を V とするとき、ベクトル場 F が V およびその境界面 S 上で連続な偏微分係数をもてば、ベクトル場 F の発散 divF の V における体積分は,境界面 S の法線方向への F の成分の面積分に等しい。

 

ガウスの定理

 

理解する必要は全くありませんが、ガウスの定理は、ベクトルの発散(div)に関する積分定理で「ある体積内での湧き出し量と表面から出ていく量は等しい」と言う内容の式です。

実はこの内容をガウスが電磁気学に応用したのがガウスの法則となっています。

 



6.  まとめ

ガウスの法則とそれに関連する電磁気学の基本公式や用語の説明をできるだけ簡単に説明をしてきました。

 

まとめると以下の通りです。

  1. 電気をもつ粒子(電子や陽子)のことを電荷と呼び、電荷の量を電気量という。
    電荷を置いたときに静電気力(クーロン力)が発生し、その空間を電場という。
    2つの電荷q1、q2が作用する静電気力についてはクーロンの法則で表せる。
  2. 電場は+1[C]の電荷が受ける静電気力でありクーロンの法則で表せる。
    電荷は+1〔C〕あたりの位置エネルギーであり、電位の単位はボルト〔V〕を用いる。
  3. 電気力線は実体がこの世に存在するのではなく、存在すると仮想して用いている。
    正電荷から出て負電荷へと入射する、もしくは 始点か終点のどちらかが無限遠へ伸びている。
  4. ガウスの法則とは、「任意の閉曲面の電気力線の本数は、その閉曲面内の電荷量に比例する」という法則。
    試験ではD = q/4πr^2を使うことが多い。
  5. ガウス定理は発散定理または単に発散定理ともいい、ガウスの法則の元となった。
    「ある体積内での湧き出し量と表面から出ていく量は等しい」と言う内容の式です。

 

電磁気学は、実体が見えないため他のパラグラフよりも掴みづらい内容かもしれませんが、難しそうな公式や用語も、簡単な言葉で言い換えを行っていけば理解しやすいかと思います。今回、式や証明をあまり使わずにできるだけ言葉での説明をしてみました。
勉強をしていく中で詳しく知りたいときは問題集や参考書を、どんな内容だったのか分からなくなった場合はこちらを使っていただければ、とても理解が深まると思います。
理解できれば強い武器となりますので、粘り強く頑張ってください。


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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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