慣性の法則とは? 見かけの力って? 電車の例で解説!
この記事では、慣性の法則と、それによって働く見かけの力である慣性力を電車の例を中心に解説します。
力学のなかでも重要な慣性の法則と見かけの力という考え方を理解しましょう。
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1. 慣性の法則とは?
慣性の法則とは、外部から力が働かない限り、静止している物体は静止を続け、運動している物体は等速運動を続けるという法則です。
a) 静止している物体は静止し続ける
b) 運動している物体は運動し続ける
もちろん、bについては現実には摩擦力があるため運動エネルギーがいずれなくなって静止しますが、仮に摩擦力が0だとすれば永遠に等速直線運動を続けます。
慣性の法則を数式で表すと以下のようになります。
F=ma=0; 運動方程式
a(加速度)=0
a=0とは、物体が静止しているか、等速直線運動を続けていることを表します。
2. 慣性の法則: 電車の場合
乗っている電車が発進するとき、進行方向の逆向きの方向に倒れそうになることがありますね。これは、慣性によって、電車が進行方向の向きに運動しようとするのに対して、乗客が静止を続けようとするため、乗客に進行方向の逆向きの見かけの力が働くからです。このような慣性によって働く見かけの力を慣性力と呼びます。
a) 加速する場合
b) 減速する場合
電車が減速する場合は、乗客が運動を続けようとするため、乗客に電車の進行方向の向きの慣性力が働きます。
3. 慣性の法則のその他の例
a) 宇宙空間
宇宙空間において大きな天体が近くにないときは、重力も摩擦も空気抵抗も働きません。つまり、外部から加わる力がないため、物体は完全に慣性の法則に従います。
b) 急降下するジェットコースター
ジェットコースターが急降下するとき、乗っている人は静止を続けようとするため、乗っている人に対して重力と逆向きの慣性力が働きます。この力と重力がつり合って、一瞬無重力状態になります。
c) だるま落とし
だるま落としでは横から打たれるパーツにのみ外部から力が加わり、それ以外のパーツは静止しようとします。そのため打たれたパーツよりも上にあるパーツは真下に落下します(ただし、現実には摩擦力が働くので、多少は横向きに動いてしまいます。水平に素早く打つ事で上のこの動きを抑えることができます)。
4. 慣性の法則のまとめ
慣性の法則と慣性力は力学のなかでも重要な項目です。見かけの力という考え方も含めてよく理解しておきましょう。
なお、慣性の法則によって働く見かけの力のなかでも代表的なコリオリの力についてはこの記事で解説しています。合わせてご覧ください:
コリオリの力: 慣性と見かけの力の基本から解説! 地球の自転との関係は?
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