関係代名詞と関係副詞の違いは?練習問題付きで徹底解説
「受験に向けて英語の勉強を始めたけど、関係代名詞と関係副詞の違いが分からない…」
「文法問題でよく見かけるけど、whichとwhere、どっちを使うべきか悩むんだよね…」
この記事をご覧になっている方には、こんな悩みを抱えている方も多いでしょう。
私も大学受験の時期には、ひどく悩まされたものです。
しかし、ほんの少しの知識と演習があれば、実はそんなに難しくありません。
そこで、今回は関係代名詞と関係副詞の違いと使い方について、詳しく解説いたします。
オリジナルの練習問題もご用意していますので、ぜひ挑戦してみてください。
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【 目次 】
1.関係代名詞と関係副詞の違い【後続の完全文で判断】
1-1.関係詞:関係詞の後ろが不完全文
1-2.関係副詞:関係詞より後ろが完全文
2.関係代名詞は3種類
2-1.主格:名詞を修飾するための繋ぎ言葉
2-2.目的格:後続の文章の目的語になる言葉
2-3.所有格:「先行詞の〜」という意味を持てる
3.関係副詞は4種類
3-1.when:先行詞が時を表す場合
3-2.where:先行詞が場所を表す場合
3-3.why:先行詞が理由を表す場合
3-4.How:先行詞が方法を表す場合
4.練習問題と解説
5.間違えやすいポイントを抑えておこう
6.まとめ
関係代名詞と関係副詞の違い【後続の文章で判断】
関係詞(関係代名詞と関係副詞のこと)の後ろに続く文章が完全か不完全かを見て、どちらを使うべきかを判断しましょう。関係詞の後ろに完全文が続く場合は関係代名詞を、不完全文が続く場合は関係副詞を使います。判断のために、必要な知識が2つあります。
・自動詞と他動詞
まず、完全文は英語5文型のいずれかの形式を満たしている文章を意味しています。
英語5文型の形式と例文は以下の通りです。
第2文型(SVC) Ohtani Shohei is cool. 大谷翔平はカッコいい。
第3文型(SVO) He likes to play baseball. 彼は野球をすることが好きだ。
第4文型(SVOO) He gives me some snacks. 彼は私にお菓子をくれた。
第5文型(SVOC) Eating snacks makes me happy. お菓子を食べることは私を幸せにする。
詳しくは「▶︎英語5文型の見分け方を図と例文で分かりやすく解説!」をご覧ください。
一方で、不完全文とは英語の5文型を満たしていない文章のことです。
例えば、第3文型(SVO)なのに、S(主語)が抜けていたり、O(目的語)が抜けていたりする文章は不完全文だと言えます。そして、O(目的語)が抜けているかどうかを判断するときに「自動詞と他動詞」の知識が必要となります。
自動詞とは、目的語を必要としない動詞のことです。何か動作を行うのが主語であり、「~を」「~に」などの目的語がなくても、文章の意味が問題なく伝わる場合は、自動詞であることが多いです。
自動詞を使った例文を紹介します。
・Look at the sky! 空を見て!
・I sleep for 8 hours a day. 私は1日に8時間、眠っています。
動詞の直後に動作を補足するための名詞がないことが分かります。
自動詞の文章表現をより豊かにするためには、形容詞(happyなど)や副詞(reallyなど)、前置詞句(at the sky, for 8 hoursなど)を活用します。動詞の後ろに続く言葉がこの3つの場合は、動詞は自動詞であると判断できます。
それに対して他動詞は、動作を詳しく説明するために目的語を必要とする動詞のことです。動作だけでは伝えきれない情報を目的語が補足する役割を持っています。
下記が他動詞を使った例文です。
私は出願書類を書かなければならない。
・I want you to help me with my homework.
私はあなたに宿題を手伝ってもらいたい。
・My father told me that you shouldn’t study too much.
私のお父さんは私に、勉強をし過ぎるべきではないと言った。
このように、動詞と直後の語句が1つになって、動詞の意味を完全に成り立たせるのが他動詞です。動詞の直後の語句には、名詞(applicationなど)や、代名詞(you,meなど)の他に、to不定詞(to help meなど)、やthat節(that you shouldn’t study too muchなど)も入ります。
つまり、後ろに続く文章が不完全文であれば、関係代名詞を使います。
一方、後ろに続く文章が完全文であれば関係副詞を使います。後続文が完全文か不完全文かどうかを判断するには、主語が抜けていないか、または、目的語が抜けていないかを確認します。目的語が抜けているかどうかを判断するためには、動詞が自動詞か他動詞かを見極めましょう。
関係詞:関係詞の後ろが不完全文
関係詞の後ろに続く文章が不完全文の場合については、関係代名詞を活用しましょう。
不完全文には、主語がない場合と、目的語がない場合の2つのパターンがあります。
関係代名詞については以下の画像で簡単に説明しています。
まずは、主語が抜けている場合の文章です。
向こうでサッカーをしている男の子は、私の弟です。
ここでは、関係詞”who”の後ろの文章が” is playing football over there ”となっており、主語が抜けています。抜けた主語というのが、関係詞の前の”The boy”なのです。
本来は、
The boy is playing football over there.
のように同じ主語を使って、2つの文章を準備する必要があります。
しかし、関係代名詞が”the boy”の代名詞となることで、
└who(元々はthe boy) is playing football over there.
このように表現することができます。さらに、これを一文にまとめる接続詞のような役割まで担ってくれるのが関係代名詞です。
そのため、
このように、一文にまとめることが可能となっています。
ここで注意すべきなのは、関係代名詞は必ず名詞の後ろに持ってくるということです。
いきなり代名詞が文章中に出てきてしまうと、何を示しているのかが分かりません。まずは名詞、その後ろに関係代名詞、関係代名詞の後ろに補足のための文章(節)を置くという流れを覚えておくといいでしょう。名詞を後ろから修飾するイメージです。
また、今回は”the boy”が先行詞(関係代名詞の前に来る名詞)が人だったので、関係代名詞”who”を使っています。この先行詞が人以外の場合は、”which”や”that”を使用します。
次は、目的語が抜けている例文を見てみましょう。
ここでは、関係代名詞”that”の後ろに続く文章が”we watched”となっており、目的語が抜けています。その目的語は、関係代名詞の前の”the movie”です。
こちらも本来は、
We watched the movie last night.
このように同じ名詞”the movie”を使って、2つの文章を用意しなければなりません。
しかし、関係代名詞が”the movie”の代名詞かつ、1つの文章にまとめる接続詞のような働きをするため、
このように1文にまとめることができます。目的語がない場合は、関係代名詞の後の文章に主語と動詞が来ます。
目的語がないパターンであっても、名詞を後ろから詳しく説明する語順は変わりません。名詞(the movie)→関係代名詞(that)→文章(節)(we watched last night)という流れのままになっています。
関係副詞:関係詞より後ろが完全文
関係詞の後ろに続く文章が完全文の場合については、関係副詞を使います。
関係副詞については以下の画像で簡単に説明しています。
まずは例文をご覧ください。
関係副詞の後続文は主語も目的語もある完全文となっています。
この文章も本来は、
私はこの場所が好きです
・My parents had their wedding there.
私の両親はそこで結婚式を挙げました
という2つの文章です。2文目の副詞の”there”は、”this place”を指しています。
関係副詞”where”が副詞”there”の役割を引き受け、接続詞のように2つの文章をまとめてくれます。
このときも、”the place”を後ろから修飾するという語順に変更はありません。名詞(this place)→関係副詞(where)→文章(節)(my parents had their wedding)の流れは、そのままです。
また、以下の3つのパターンのとき、関係副詞は省略可能な場合があります。
・先行詞がplaceのとき
・先行詞がreasonのとき
1つずつ例文とともに確認していきましょう。
私たちが初めて出会ったときのこと、覚えている?
The place (where) we visited at that time was really beautiful. (whereを省略可)
私たちがそのとき訪れた場所は、とっても美しかったね。
The reason (why) I see you today is to give you a ring. (whyを省略可)
今日、私があなたに会ったのは、この指輪を渡すためなんだ。
関係副詞を上手く使えると、こんなにロマンティックな文章が作れてしまいます。
さて、なぜ省略が可能かというと、わざわざ明記しなくても何の話をしているのかが分かるためです。日本語で例を挙げると「(あなたは)昨日の夜7時からのお笑い番組見た?」のようにいちいち言わなくても分かる部分は省略されます。
英語もそれと全く同じと考えると分かりやすいでしょう。
関係代名詞は3種類
関係代名詞には、「主格」「目的格」「所有格」の3種類があります。
ここからは、この3種類について詳しく解説していきます。
もっと詳しく知りたい方は「▶︎関係代名詞とは?5分でわかりやすく解説!」をご覧ください。
主格:名詞を修飾するための繋ぎ言葉
まずは主格についてです。主格は、名詞を修飾するために使われる繋ぎ言葉と言えます。
同じ主語を使わないように、関係代名詞で文章を1つにまとめるのです。
例えば、
この文章は主格として関係代名詞”who”が使われています。”the boy”を細かく修飾するために、”who”が繋ぎ言葉として機能しているのが分かりますね。
人ではない場合は、下記の例文のように”which”や”that”が使用されます。
いつも私に向かって吠えている犬は、私の友達のペットです。
先週建てられた新しいレストランは、人でいっぱいだ。
目的格:後続の文章の目的語になる言葉
次は目的格についてです。目的格は、後続の文章の目的語となります。
例えば、下記の文章は目的格の関係代名詞”that”が使われています。
関係代名詞”that”に後続する文章は、”we watched ”で、”watch”の目的語がありません。
この目的語に該当するのが、先行詞(関係代名詞の直前の名詞)のthe movieなのです。
もちろん、先行詞が人の場合は、下記のように”who”や”whom”を活用しましょう。※whomは目的格の場合にのみ、使用します。
私は昨日、話していた人のことを思い出せない。
・The little girl whom we met just before is my younger sister.
ついさっき会った小さな女の子は、私の妹だ。
所有格:「先行詞の〜」という意味を持てる
最後は所有格です。所有格は「先行詞の~」という意味が持てるかどうかで判断します。
まずは例文を確認しましょう。
私は、お母さんに芸能人の友達がいる。
この文章は、もともと2つの文章でした。
・A friend’s mom is a celebrity.
すでにお気づきの方もいるかもしれませんが、「友達の」お母さんという部分が「先行詞の~」に該当します。そのため、先行詞(friend) whose(の) mom(お母さん)というように使用することが可能です。
今回も、名詞(friend)→関係代名詞(whose)→文章(節)(mom is a celebrity. )という語順に一切の変化はありません。
関係副詞は4種類
関係副詞には、where, when, why, howの4種類があります。1つずつ確認していきましょう。
詳しくは「▶︎関係副詞とは?関係代名詞との違いもわかりやすく解説!」をご覧ください。
when:先行詞が時を表す場合
“when”は先行詞が時を表す場合に使うことができます。例文から確認していきましょう。
私があなたにプロポーズをした12月に結婚するんだ。
こちらの文章も、もともとは2文です。
・I proposed to you in December.
文章では、”December”が時を表す名詞となっています。
そのため、”December”を先行詞として、その時に起こった出来事を後ろから詳しく説明をしているのです。
応用編
「関係副詞は “in which”にできるよ〜」などと聞いたことはありませんか?
これは2文を1文にまとめるときに役に立つので、もし興味があれば押さえておきましょう。先ほどの例文を使って紹介します。
・I proposed to you in December.
先行詞は”December”です。関係代名詞の”which”を今回は”December”の代名詞+接続詞として活用し、文章を1つにまとめます。
この時、「12月に」を表す”in December”の”in”だけが関係代名詞の後続の文章に残ってしまい、不自然な文章となりました。これはいわゆる不完全文です。ですから、元の正しい形に戻しましょう。”in December”が正しい形になります。
現在、”December=which”のため、“in which”の形を取るために、”in”を”which”の前に持っていきます。
このようにして、関係副詞を「前置詞+関係代名詞」の形にすることが可能です。
where:先行詞が場所を表す場合
“where”は先行詞が場所を表すときに使用できます。例文から確認していきましょう。
この場所は、私があなたにプロポーズをした私のお気に入りの場所だ。
この文章も2つの文を1つにまとめたものです。もともとは、
・I proposed to you at the place.
この文章では、”place”が場所を表す名詞になります。
”place”が先行詞となり、その場所のことを後ろから詳しく説明をしているのが分かります。
why:先行詞が理由を表す場合
“why”は先行詞が理由を表す場合に、活用できます。こちらが例文です。
これが、私があなたにプロポーズをした理由です。
関係副詞の”why”が、先行詞である”reason”を後ろから詳しく説明しています。
こちらも同様に、2文で構成されています。
・why I proposed to you.
今回は、理由を表す名詞が”reason”なので、それを先行詞としています。
How:先行詞が方法を表す場合
最後は、先行詞が方法を表す場合です。まずは例文をご覧ください。
このようにして、私は彼女にプロポーズをしました。
「…あれ?howの先行詞ないじゃん?」
疑問に思った方も多いかと思います。
本当ならば、下記のようになるはずですね。
実は、”the way”と”how”を繋げて使うことはできないのです。
どちらか一方を省略しなければならないというルールがあるので、注意しましょう。
また、”how”の代わりに”the way”を使用することもできます。
以下、”the way”を使用した際の例文です。
練習問題と解説
それでは、覚えた知識を活用して練習問題にチャレンジしてみましょう。
解説もご用意してありますので、分からなくても大丈夫です。
空欄に当てはまる関係詞を考えましょう。
①( )の後の文章が完全文か不完全文か
➁( )の前の名詞が何を表しているか
- The city ( ) we lived was totally different.
- Do you have a friends ( ) father is a doctor?
- Tell me about the restaurant ( ) you talked about yesterday.
- I’ll explain the reason ( ) I decided to go abroad.
- I don’t remember the person ( ) I met yesterday.
- This is ( ) I can speak English very well.
- The city ( ) is famous for miso ramen is my hometown.
- The book ( ) cover is red is mine.
- Do you remember the spring ( ) we went on a date?
できましたか?解答はこちらです。
- where
- whose
- which
- why
- who/ whom
- how/ the way
- that/ which
- whose
- when
それでは、1から解説をしていきます。
- は先行詞”the city”の後が完全文のため、関係副詞が入ると判断できます。
また、先行詞が場所を表す単語のため、答えは”where”であると分かるでしょう。 - は後続の文章が”father is a doctor?”となっており、「誰の」お父さんかが分かりません。
そこで、( )の前を見てみると、”a friend”がありますね。これを先行詞として、「先行詞の~」という意味にできるのは所有格の”whose”となります。 - 後続の文章”you talked about”には、目的語がありません。本来であれば、”about”の後ろに”talk”する話題となる名詞があるはずですので、これは不完全文だと判断できます。また、( )の前が”restaurant”であり、人ではないため、関係代名詞の”that/ which”のどちらも正解だと理解できるでしょう。
- は後続の文章”I decided to go abroad.”は完全文ですから、関係副詞が入ると分かります。
( )の前を見てみると、”the reason”があるので、理由を先行詞とする”why”が正解です。 - は後続の文章が” I met yesterday”ですので、誰と会ったのかが分かりません。つまり、目的語がないことが分かります。加えて、先行詞が”the person”のため、答えは”who/whom”になります。
- は後続の文章が”I can speak English very well”という完全文です。そのため、関係副詞を入れましょう。しかし、先行詞がありません。先行詞あるいは関係副詞のどちらかを省略して使用しなければならないのは、方法を説明する”how”のみです。
- は後続の文章が”is famous for miso ramen”となっており、主語のない不完全文であることが分かりますから、関係代名詞が入ると判断できます。次に、( )の前を見てみると、”the city”という先行詞がありますから、それにふさわしい”that/ which”が答えとなります。
- は後続の文章が”cover is red”となっており、「何の」カバーであるのかが分かりません。
そこで、( )の前を見てみると、”The book”があります。”The book”を先行詞にして、「先行詞の~」という意味にできるのは、所有格の”whose”しかありません。
このように、人以外の先行詞でも所有格を使用することができますよ。 - は後続の文章が”we went on a date?”となっており、完全文であると理解できますから、関係副詞が入ると判断しましょう。そして、( )の前には”spring”という時を表す先行詞がありますので、答えは”when”となります。
間違えやすいポイントを抑えておこう
ここでは、関係詞で間違いの多い箇所について学んでいきましょう。
間違えやすいポイントは次の3つです。
・ただの丸暗記はNG
・先行詞が場所でもwhereとは限らない
・関係副詞に「格」はない!
実は、ただの丸暗記では応用問題に対応ができません。
この言葉を受験期の私にも伝えたかったなと切実に思います。
「先行詞がthe placeだから、whereを入れよう!」
私は何も考えずにこのように暗記していました。しかし、模試で今回の練習7.のような問題にぶつかり、自信満々に”where”を選んで間違えてしまいました。関係詞で大切なのは暗記ではありません。後ろの文を確認して、どの関係詞が適切なのかを考えるクセをつけましょう。
それから、関係副詞に「格」がないことも覚えておきましょう。
関係代名詞は、主格、目的格、所有格と3種類あります。これはすべて、後続する文章には、何が欠けているのかを伝える役割を持っています。例えば、関係詞に後続する文章に主語が抜けているから、関係代名詞が主格としてそれを補ったり、目的語が抜けているから目的格としてそれを補ったりします。補っているものが何かを文字から判断するために、”who”や”whom”といった違う形が存在しているのです。
それに対して、関係副詞に続く文章は完全文のため、何も欠けていません。
形を変えてまで伝えるものはありませんので、”when”, “where”, “why”, “how”はそのまま活用しなければならない。ということを覚えておきましょう。
まとめ
今回は関係代名詞と関係副詞の違いと使い方について、詳しくお話いたしました。
関係代名詞は後続の文章が不完全文であるときに、一方、関係副詞は後続の文章が完全文であるときに活用することができます。完全文か不完全文かどうかについては、動詞が目的語を必要とする他動詞かどうか、という知識も必要でしたね。あとは、先行詞が何を表す名詞なのかを正確に把握しましょう。
ここまでしっかりと抑えることができれば、あなたも関係詞マスターの一員です。
習熟度を深めるためにさっそく、たくさんの練習問題に取り組んでいきましょう。