逆関数とは?計算手順や求め方をわかりやすく解説!

数学 2024.7.19

逆関数って複雑な計算が必要そう」「関数を逆にする意味ってあるの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

逆関数は一見複雑そうですが、手順に従って計算することで簡潔に解くことができます。また、入試では、逆関数を利用した応用問題も出題されることもあるため、逆関数そのものについて、理解を深めておくことが重要となります。

本記事を読んで例題を一緒に解きながら苦手意識を克服し、逆関数を使いこなせるようになりましょう!

この記事で分かること
・逆関数が成り立つ仕組みについて詳しく理解できる
・逆関数に関わる様々な問題の計算が解けるようになる
・逆関数の練習問題が解けるようになる

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逆関数とは?

関数とはxとそれに対応するyの値の関係性を示すものです。

逆関数とは、xとyの対応関係を逆にした関数のことであり、元々の関数を「元に戻す」役割を持つ関数になります。

また座標平面において、逆関数はもともとの関数とy=x上で対称的なグラフを示す、という特徴も持ちます。

ここまでの説明で、「よくわからない」と思った方もいるのではないでしょうか。逆関数を理解するためには、関数についての理解が不可欠です。以降、関数についてのおさらいと逆関数の概要について説明していきます。

xとyの関係性を逆にした関数のこと

これまで、逆関数の簡単な概要と関数のおさらいをしてきました。ここで改めて、逆関数について簡潔に説明すると、「逆関数はxとyの関係性を逆にした関数」と結論づけることができます。

まずは逆関数の定義から丁寧に説明していきます。逆関数の定義を具体的に説明すると、以下のようになります。

関数 y=f(x)において、x=a を代入したときに得られるyの値がy=b(つまりb=f(a))だったとします。

得られた値bを代入したときに、それに対応するただ一つの値としてaが得られる、つまりa=I(b)が成立するような関数y=I(x)が存在するとき、この関数y=I(x)を関数 f(x) の逆関数といい、一般的にf-1(x)と表します。

例)関数y=2xを考えてみる

y=2xは、これはx=3 のときy=6、x=5のときy=10・・・、のような対応関係であることを意味します。
では、関数y=2xの逆関数を求めるにはどうすればいいでしょうか。

先ほどの対応関係の逆、つまりx=6 のとき y=3、x=10のとき y=5・・・が成り立つ関数を求めることになるため、関数y=2xの逆関数はy=1/2xとなります。

y=1/2xは 2y=xと表すことができるため、結論として関数y=2xの逆関数は、xとyが逆になった、x=2yと言えます。

逆関数がどのような意味も持つのか理解できたでしょうか。次に具体的な逆関数の求め方について解説します。

理解するには「関数のおさらい」が必要

関数の定義は以下の通りです。

【関数の定義】

xの値を定めると、それに応じてyの値がただ1つに定まるとき、yはxの関数であるという。一般にyがxの関数であることを

y=f(x)

という記号で表し、この関数にx=a を代入した値を

y=f(a)

で表し、関数の値という。具体的な式を使って説明します。

例えば、

y=2x+3

という式があった場合、

x=3を代入すれば、yの値は 9 というただ一つの値に決まります。

そのため、y=2x+3という式は、yはxの関数であると言えます。

したがって、xの値を定めると、それに応じてyの値がただ1つに定まるとき、yはxの関数であるとされます。これが関数の定義です。

では反対に、関数とそこから得られるyの値がわかっているとき、「xに何を代入したか」を確かめることはできるでしょうか?実は、これを確かめてあげるために必要なのが「逆関数」の考え方です。

逆関数の求め方

逆関数の求め方は以下の手順です。

1,「y=f(x)」を「x=g(y)」に変換する
2, xとyの場所を交換する

「y=f(x)」を「x=g(y)」に変換する

まず、逆関数を求めるためには、「y=f(x)」を「x=g(y)」に変換します。つまり、「y=○」の形を「x=〇」に変換するということです。

例えば、

y=2x

の場合、「y=f(x)」を「x=g(y)」に変換すると

x=1/2y

となります。

xとyの場所を交換する

「y=f(x)」を「x=g(y)」に変換した後は、xとyの場所を交換します。

つまり、x=1/2y

のxとyを入れ替えて

y=1/2x

これらの手順によって、y=2xの逆関数であるy=1/2xを導き出すことができました。

では、なぜx=○の形に直した後に、xとyを入れ替えるのでしょうか。その理由は、グラフを想像してみると簡単です。私たちが普段扱っている関数は、y=f(x)であり、グラフ上ではx軸が横軸、y軸が縦軸になっていますよね。

しかし、xついて解いた「x=g(y)」の関数では、y軸が横軸、x軸が縦軸になっています。しかし、x軸が横軸、y軸が縦軸が共通認識となっていることから、「y軸が横軸、x軸が縦軸」から「x軸が横軸、y軸が縦軸」に直す必要があるのです。

以上が逆関数の求め方になります。では、今一度、逆関数の基本となる「y=f(x)」の解き方について復習しましょう。

・手順① y=f(x)を、x=(yの式)にする
・手順② yとxを書き換えて,y=f(x)の式にする

逆関数の計算手順

では、先ほどの手順を参考に、実際に逆関数の計算手順について、具体例を使って求めていきます。

例題)y=4x+1の逆関数を求めよ

手順① 「y=f(x)」を「x=g(y)」に変換する

y=4x+1をx=○の形に直してあげると、4x=y-1
x=y/4 – 1/4

手順② xとyの場所を交換する

yとxを書き換えてy=x/4–1/4

答え)y=x/4 – 1/4

逆関数のグラフ

ここからは、今一度逆関数のグラフについて、理解を深めていきたいと思います。これまでy=f(x)といった関数のグラフを書く機会があったのではないでしょうか。逆関数のグラフに注目すると面白い特徴が見えてくるので、ぜひついてきてください。

実は、数学Ⅱで学習している「対数関数」の関係は、「指数関数」の逆関数に当たります。

実際、対数関数を初めて考えたときには、対数関数は「指数関数の指数部分について整理したような関数」であると習ったのではないでしょうか。

指数関数「y=2x」に対して、逆関数を求めると、

①x=○ の式に変形する

x=log2y

②xとyを入れ替える

y=log2x

というように、対数関数になっています。

ここで注目したいのは、指数関数・対数関数の定義域・値域とグラフの関係です。

指数関数y=2xの定義域・値域はグラフより

xは実数全体、y>0

でした。

それに対して、対数関数 y=log2xの定義域・値域は

yは実数全体、x>0

でした。このように、指数関数・対数関数の定義域・値域の関係はxとyで入れ替わることになります。

指数関数と対数関数のグラフの関係も y=x に対して対称であると習ったのではないでしょうか。

この性質は逆関数全般に言える性質です。逆関数の求め方で申し上げたように、逆関数を求めるときにxとyを入れ替えます。

適当な薄い紙にxy平面を書いて直線 y=x を書いてください。書いたy=xの位置を変えずに、紙を裏返せばx軸とy軸の位置がちょうど入れ替わりますね。

このように、xとyを入れ替えるというのは、y=xに対称な図形をとる、と言い換えられるのです。

逆関数に関する例題

では、今までの説明を踏まえて、実際に練習問題を解いてみましょう!

練習問題1

問)y=x2+5 (x≧0) の逆関数を求め、グラフをかけ。

解説

y=x2+5 (x≧0)…①

であるから、①の定義域と値域は

x≧0
y≧5

したがって、y=x2+5 (x≧0) (y≧5)
①を「x=○」の形にすると、

x2=y-5
x=±√y-5

x≧0 であるから

x=√y-5

xとyを入れ替えて

y=√x-5

最後に定義域と値域についてもxとyを入れ替えるから

(x≧5) (y≧0)

答え y=√x-5 (x≧5) (y≧0)

練習問題2

問)y=x/(x-3)の逆関数を求め、グラフをかけ。

解説

y=x/(x-3)を「x=○」の形にする。

x≦0のもとで両辺を(x-3)倍して整理すると、

y(x-3)=x

yx-3y=x

yx-x=3y

x(y-1)=3y

よって

x=3y/(y-1)

xとyを入れ替えて

y=3x/(x-1)

答え y=3x/(x-1)

まとめ

いかがでしたか?

一見複雑そうに見える逆関数ですが、解くための手順は案外単純なものです。本記事で学んだことを復習し、逆関数を克服していきましょう。

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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