有理化とは?やり方を分かりやすく解説!練習問題つき

高校1年生の数学で習うのが有理化です。
正確には根号を使った分数の計算で、分母を無理数から有理数に変換する計算になります。
この有理化は数学だけではなく、物理などの分野でも使うものです。
数学から高等数学まで幅広く使うものですから、きちんと理解をして把握しておきましょう!
平方根についてのまとめ記事を読みたい方は「平方根関連記事まとめ〜有理化や二重根号を解説!〜」の記事を読んでみてください。
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1.有理化とは?
最初に確認からしておきます。
分母に根号を含む式を、分母に根号が含まない形にするのを、有理化と言います。
もう少し詳しく言うのなら、分母の有理化です。
例題を出してみましょう。
という形のものを変換すると
という形になります。
では、基本的な部分から見ていきましょう。
- 例題:
を有理化しよう
ここで有理化のための手順を紹介します。
2.分母にあるルートを分母と分子の両方にかけてください。
3.分子のルートを簡単にして、約分して終了です。
では、実践していきましょう。
問題にあるのは、 というものです。
分母のルートはこれ以上簡単にできませんので、次の手順にステップします。
次は分母と分子の両方に、分母のルートをかけます。
という式になります。
分母のルートは根号が取れますから
という形になります。
これで分母のルートが取れましたので有理化成功です。
- 例題:
を有理化しよう
この場合も先ほどと同じように進めていきます。
分母にある を分子と分母にかけて、有利化します。
ここで、分子に9があり、分母が3であることにより約分ができます。
つまり、 が正解になります。
- 例題:
を有理化しよう
最後は分子と分母に根号が含まれるパターンを考えます。
計算式は
となります。
これで有理化ができました。
- 例題:
を有理化しよう
次はルートの中を簡単にしてからのパターンです。
は22×3とできます。
つまり、 の形に変換可能です。
という形になりました。
ここで分母と分子の両方にかけ算をしますが、この時にかけるのはルートの部分だけです。
という形になります。
で正解です。
2.【特別な有理化①】複雑な有理化の解き方
先述したのは基本的な有理化でした。
ここからは少し複雑な計算を見ていきましょう。
ただ、計算が複雑になるだけで、有理化のステップは同じです。
- 例題:
を有理化しよう
最初はおさらいからいきましょう。
は22×15 にできますから
と形を整えて有理化の完了です。
次は分母の項が2つある時を考えてみます。
といった形です。
この場合、単純にかけるだけでは根号が外れません。
そこで和と差の積の公式である
(a+b)(a-b)=a2-b2
を使っていきます。
とするわけです。
例題を使って練習をしてみましょう。
- 例題:
を有理化しよう
分母が となっているので、分母と分子には
をかけます。
ここで約分をしましょう
これで有理化が終わりました。
次はもう少し複雑にいきましょう。
- 例題 :
を有理化しよう
次は分母の2項がともに根号となっているケースを考えます。
この問題も基本は同じです。
ただし、分母が になっているので、分母と分子には
をかけます。
ここで約分を行います。
=
という形になります。
これで有理化が終わりました。
- 例題:
を有理化しよう
次は分母の根号に係数がある場合です。
これまでのパターンとは違いますので、戸惑ってしまうかもしれませんが、やることは同じになります。
焦らずに計算をしていきましょう。
分母が になるので、+にするのを忘れないようにしてください。
約分をして
=
となって有理化終了です。
3.【特別な有理化②】分母が3つあるパターンの解き方
分母の項が2つになる時は、和と差の積を用いて分母を有理化しました。
では、分母の項が3つになった場合はどうでしょうか。
例えば といった形です。
この場合は、どうすれば有理化できるのかを考えていきます。
実は分母の項が3つある、と言っても構える必要はありません。
とてもシンプルに考えることで、和と差の積の形に持っていけるからです。
どうするのかと言うと、3つの内2つをまとめてしまいます。
先ほどの例ですと
としてしまうのです。
仮に分子が1だとすると計算はこうなります。
随分とすっきりした形になりました。
ですが、まだ分母にが残っています。
ですので、有理化をするためには、さらにをかけましょう。
これで有理化ができました。
分母に3つの項がある時は、2回有理化するのがポイントです。
最後に、分母に3つのルートがあるパターンを紹介しましょう。
- 例題:
を有理化しよう
最初にするのは有理化するための、分母の選別です。
シンプルに(√3+√7)と√6で和と差の積を利用したとしましょう。
ここで分子の計算をするとなると
というような形になってルートが整理しづらくなってしまいます。
そこで、√3と(√6-√7)で和と差の積を利用したとしましょう。
こうすることで分子のルートを整理しやすいだけでなく、分母も分子も和と差の積を利用することが出来ます。
として計算してみましょう。分母でも和と差の積を利用するために分母と分子の符号を変化させてみます。
と簡易化できます。
これを計算していきましょう。
さらに式を整理して
ようやく分母のルートが、シンプルになりました。
さらに計算をしていきましょう。
と、なって有理化の終了です。
かなり複雑な計算になりましたが、応用をすることである程度は簡便化できます。
これを覚えておくといいでしょう。
4.有理化の練習問題に挑戦
最後に練習問題をいくつか用意しておきます。
- 練習問題1:
を有理化してください。
解答:
- 練習問題2:
を有理化してください。
解答:
- 練習問題3:
を有理化してください。
解答:
- 練習問題4:
を有理化してください。
解答:
有理化のまとめ
数学だけではなく、物理や化学などの範囲でも有理化というのは、必要になってくる要素です。
そのため確実にできるようにしておきましょう。
⇒平方根についてのまとめ記事を読みたい方は「平方根関連記事まとめ〜有理化や二重根号を解説!〜」の記事を読んでみてください。
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