階差数列を使った数列問題の解き方&公式を東大生がわかりやすく紹介!

数学 2017.11.2
階差数列を使った数列問題の解き方&公式を東大生がわかりやすく紹介!

階差数列ってみなさん聞いたことはありますか?

例えば、3, 6, 13, 24, 39, 58…

この数列、一見規則性がありませんよね?

でも、今回紹介する階差数列を使えばこんな数列も簡単に解けちゃうんです!

階差数列という言葉自体は難しいかもしれませんが、数学が苦手な方、文系の方にも理解できるように東大生がわかりやすく解説していきます。

公式の証明から漸化式への応用の仕方まで、1から10まで解説していくので最後まで読めば必ず身につきますよ!

階差数列を使った数列の練習問題付きなので是非チャレンジしてみてください!

    1.階差数列とは?図を用いて紹介!

    階差数列とはそもそもどういうものなのでしょうか?

    最初に例に出した数列で考えて見ましょう。

    階差数列1

    上の図のように、階差数列とは、元の数列anの隣り合った項の差をとってできる数列のことです。

    この時、数列bnに注目すると初項3、公差4の等差数列になっていますよね?

    このように、階差数列が等差数列や等比数列になっていれば公式を使って数列bnの一般項が求められます。

    数列bnの一般項さえわかれば、次の項で説明する和の公式を使うことで簡単に求めたい数列anの一般項が求められます!

    等差数列や等比数列が心配な方は等差数列の和の公式について解説したこちらの記事や、等比数列の和の公式について解説したこちらの記事で復習しましょう!

     

      2.和の公式って何!?中学受験にもでる階差数列!

      それでは階差数列の和の公式とはどんな公式でしょうか。

      それを示したのが下の図です!

      階差数列3

      n≧2という場合分けがあるのは

      階差数列4

      というシグマ記号のルールがあるからです。

      n=1だったらbiのiを1から0まで足す、となり式が成り立たないですよね。

      なのでn=1の場合は公式に当てはめずに最後に確認します。

      n=1の場合も求めた式と一致することが多いですが、忘れずにチェックしましょう!

      シグマが出てきて厄介に見えますが実は計算はとっても簡単ににできます!

      シグマの公式は問題をときながら学んでいきましょう。

      階差数列の和の公式は証明も簡単にできます。

      今から証明をするので是非確認してみてください!

      階差数列3

      先ほどの図でa2はa1にb1を足したものですよね?

      同じくa3はa1にb1とb2を足したものとなります。

      bn=an+1-anですから、

      a2=a1+b1

      a3=a1+b2+b1

      a4=a1+b3+b2+b1となり、これを繰り返すことでan=a1+Σbiになります。

      先ほど、階差数列は元の数列の隣り合った項の差であると言いました。

      その差である階差数列を足していくので数列bnは1からn-1までを足すのです。

      上の図を見ればわかりやすいですよ!

      要するに中学受験で使う植木算と同じ要領です。

      このように階差数列の根本の考え方はとても簡単なので、中学入試などで同じような問題を見たことある方もいるでしょう。

      なので、下にある練習問題をやれば階差数列をすぐにマスターできますよ!

       

      3.階差数列を使って一般項を求める練習問題

      まずは階差数列を使って最初に示した数列の一般項を求めてみましょう!

      問題:数列an:3,6,13,24,39,58…の一般項を求めよ。

       

      階差数列問題

       

      先ほどの公式に当てはめることで簡単に一般項が求められました。

      最後にn=1の時の確認も忘れないようにしましょう!

      シグマ記号の公式については、階差数列に関わらず頻出なのでこの機会に覚えちゃいましょう!

      ここではn-1までの和ということにも注意が必要です。

      このように、やることが多いので問題演習を積み重ねてミスをしないようにしていきましょう!

      また、問題の中には例えば数列4, 5, 11, 28, 62, 119, 205, 326, 488…というように、階差数列を取ってもそれが等比数列や等差数列にならないこともあります。

      階差数列7

      そんな時は二回階差数列をとることで解決する場合もあるので注意しましょう!

      上の図を見れば二回階差数列をとると初項5、公差6の等差数列が出てきましたね。

      手間が一つ増えるだけで解き方自体は同じですが、是非一回は問題に触れてみてください!

       

        4.階差数列を使う漸化式の練習問題

        もう一題、階差数列を使った問題を解いてみましょう。

        階差数列を使って漸化式も解くことができます!(便利ですね!)

        具体的には、漸化式がan+1-an=(nについての式)という形に変形できれば階差数列を使うことができます!

        先ほど証明のところでan+1-anをbnとおきましたね。

        ここで、bn=(nについての式)と置けば先ほどの和の公式に当てはめることができます!

        では、早速問題を解きながら学んでいきましょう!

        問題:漸化式an+1=an+3n+4n-4,a1=2 により定まる数列anの一般項を求めよ。

         

        階差数列8

         

        このように、an+1-an=(nの式)と置ければ先ほどの問題と同じ形になりますね!

        こちらの漸化式の基本について解説した記事にも一題、階差数列をつかった漸化式の数列問題を解説しているので是非チェックしてみてください!

        また、隣接二項間漸化式について解説しているこちらの記事も合わせて読めば、漸化式についての理解がグッと深まりますよ!

        階差数列は特に数列の分野のいろいろなところで登場します!

        センター試験や二次試験でも頻出なので、和の公式、シグマ記号の公式などはきっちり覚えて確実に階差数列をマスターしましょう!

         

          階差数列のまとめ

          いかがでしたでしょうか?

          ご参考になれましたら嬉しいです。

          がんばれ、受験生!

           

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          この記事の執筆者

          ニックネーム:はぎー

          東京大学理科二類2年
          得意科目:化学