【古文単語】最強の覚え方!大学受験におすすめの単語帳も紹介

国語 2020.10.30
【古文単語】最強の覚え方!大学受験におすすめの単語帳も紹介

「古文単語が覚えられない」と悩んでいる高校生は多いかもしれません。

しかし、インプットの方法を見直すだけで、記憶の定着率をグーンとアップさせることができます。

この記事では、古文単語を覚える上で役立つポイントやコツをまとめながら、おすすめの単語帳をご紹介していきます。

古文の勉強法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【古文】模試で26点→センター試験では90点!半年間で変わる、逆転勉強法

古文の助動詞の覚え方を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
古典/古文助動詞関連記事まとめ 意味・活用・接続を一気にマスターしよう!

		

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    1.古文単語の効果的な覚え方とは?コツを解説

    古文単語をやみくもに暗記しても、知識として定着させることは難しいはずです。

    まずは、“やみくもに”という意識を取り払ってしまいましょう。

    ここからは、効率よくインプットしていくためのコツを、いくつかのポイントに分けてご紹介していきます。

    ※古文助動詞の意味・活用・接続をマスターしたい人は、
    古典/古文助動詞関連記事まとめ 意味・活用・接続を一気にマスターしよう!の記事も併せてご覧ください。

    音読は最強のインプット方法!

    インプットとは、具体的に「読む」「聞く」の2つによって行われます。

    古文のテキストや単語帳を読むことは、古文単語をインプットするための方法の一つです。

    しかし、多くの人は黙読というパターンが多いのではないでしょうか。

    実は、目を使った学習よりも、耳を使った学習のほうが効率的とされています。

    つまり、効率よくインプットするためには、「聞く」という方法を用いることも重要です。

    音読を用いることによって「読む」「聞く」を同時に行うことができるため、より効率的に古文単語をインプットすることができます。

    インプットとアウトプットの順番

    古文単語を「書いて覚える」という方はいませんか?

    インプットに対し、アウトプットの具体的な方法として挙げられるのが、「話す」「書く」の2つです。

    ただ、古文単語を新たに覚える場合、はじめからアウトプットの方法を用いることは、あまり効率的とは言えません。

    書くことに一生懸命になってしまい、インプットすべき情報を書き写しているだけということも考えられます。

    まずは、インプットによって古文単語を取り込むという意識を持ってみてください。

    アウトプットによって知識を定着!

    インプットだけでは、「分かったつもり」で止まってしまうことがあります。

    これを「分かった!」に変えていくために重要なのが、アウトプットです。

    問題を解く」「誰かに説明する」「ノートにまとめる」などの方法を用いて、インプットした情報を確認・復習していくことがポイントです。

    そうすることで、知識としてより定着しやすくなります。

    インプットだけで終わらせずに、古文単語をアウトプットしていくという意識を大切にしてください。

    暗記の回数や時間も重要!

    覚えたことを少しでも忘れにくくさせるためには、繰り返し学習することが重要です。

    重要なのは、復習するタイミングです。まずは「詰め込みすぎず、空けすぎず」という意識を持ってみてください。

    具体的には、1日後→その1週間後→そこから2週間後→さらに1か月後というスパンでの復習がおすすめです。

    また、暗記は寝る前に行うのが効果的とも言われています。

    これは、睡眠中に記憶の整理が行われるためで、より記憶に残りやすいタイミングでもあります。

    一夜漬けが記憶として定着しないのは、覚えた内容を整理する時間がないからと考えられています。

    言葉の語源や意味を関連づける!

    言葉の語源や意味、漢字表記に目を向けると、古文単語が覚えやすくなる場合があります。

    例えば、「はづかし」という単語で考えてみましょう。

    これは現代語と同じ「恥ずかしい」という意味もありますが、古文で重要なのは「立派だ」という現代語訳です。

    一見すると、正反対の意味を持つ単語というイメージがあるかもしれません。

    ただ、「こちらが恥ずかしくなってしまうほど、相手が立派だ」という意味で使われるようになったと知るとどうでしょうか。

    古文単語とその意味を覚える際に、理解を助ける・深めるための情報と関連付けることで、記憶として定着しやすくすることができます。

    語呂合わせやチャンク化などの工夫をする!

    語呂を取り入れた単語帳を使うのはもちろん、自分で語呂を考える方法もあります。

    そうした作業が自分の経験として記憶されるため、「こうやって覚えようとしたなぁ」というように、より思い出しやすくするためのきっかけづくりにもなります。

    また、古文単語をまとまりに分けて記憶・理解する「チャンク化」もおすすめ。

    例えば、似たような意味・イメージを持つ単語など、グループを作って整理することで、効率よく学習を進めることができます。
    御朱印帳が積み重なっている様子

      2.古文単語のポイントと注意点

      古文には、現代とは違う感覚の意味や文法があります。

      現代にはないもの、現代とは違ったものを押さえることによって、古文単語がより理解しやすくなるはずです。

      ここからは、古文単語を覚える際に注意しておきたいポイントをご紹介していきます。

      現代の言葉との意味の違いに注意する

      古文には、現代と同じ意味で使われる単語もあります。

      しかし、それとは全く意味の異なる言葉や、現代にはない言葉が多く存在し、古文ではそれらの意味を押さえていくことが重要です。

      なかには、現代語に似ているものの、現代とは意味が異なる単語もあります。

      例えば、「ありがたし」は「めったにない・珍しい」といった現代語訳になります。

      漢字では「有り難し」と書き、「有り」+「難し」の組み合わせによってできています。

      有ることが難しい=めったにない、珍しいといったように、漢字にすると意味を理解しやすくなる場合もあります。

      現代の「感謝の気持ち」を表す意味は、めったにないことをしてもらった際に、
      感謝の気持ちが生まれることから派生した意味として考えると分かりやすいかもしれません。

      歴史的仮名遣い→現代仮名遣いへの変換

      古文には、現代とは異なる表記や発音をする単語があります。

      古文単語を正しく理解するためには、読み方のルールに慣れていくことも重要です。

      例えば「さうざうし」という単語は、「au」→「ou」と読むルールに基づいて「そうぞうし」と直します。

      単語を覚える際には、歴史的仮名遣いと現代仮名遣いをスムーズに対応できるように意識することもポイントです。

      ちなみに、「そうぞうし」=「騒々しい」を連想してしまうかもしれませんが、漢字では「寂々し/索々し」と書きます。

      現代語訳では「物足りない」という全く違う意味を持つ単語になりますので、押さえておきましょう。

      活用を意識することも重要なポイント

      古文単語は、必ずしも同じ形で登場するとは限りません。

      先ほどご紹介した「ありがたし」という単語は「ありがたく」「ありがたき」「ありがたけれ」といった形に変わることがあります。

      このように、後につく言葉や文中の働きによって単語の形が変わることを「活用」と言います。

      「ありがたし」のように、終止形(言い切りの形)が「し」で終わる単語は形容詞に分類されます。

      形容詞には「ク活用」と「シク活用」があり、それぞれどのように活用していくかが決まっています。

      単語帳や辞書などに「ありがたし〔形ク〕」と書かれていることがありますが、これは形容詞のク活用であることを示しています。

      敬語表現は登場人物を推定する場合もある

      古文では、主語(=誰が)が書かれていないケースも多くあります。そうした主語を判断するポイントの一つに「敬語表現」があります。

      例えば、地の文(=会話文以外の文)で尊敬語が使われている場合には、主語は身分の高い人(=偉い人)だということが分かります。

      また、敬語のなかには、決まった人物にのみ使われる単語もあります。例えば、「奏す(そうす)」という単語。

      これは、「言う」の謙譲語で「天皇・上皇に申し上げる」という意味があります。

      このように、主語が省略されていたとしても、相手が誰なのかが分かってしまう敬語も存在します。

      敬語表現を理解することで、登場人物の関係性が見えてきたり、省略されている主語を見極めたりすることもできるでしょう。
      紅葉の様子

      3.【古文の重要単語5選】最初にこれを覚えよう

      古文単語を知っていくと、その奥深さや面白さに気づかされることがあります。

      ここでは、古文単語の入り口として、はじめに押さえておきたい古文単語を5つ厳選しました。

      まずは、楽な気持ちで例文や解説を眺めてみてください。

      としごろ(年ごろ/年頃/年来/年比)【名】長年・数年(の間)

      例文 年ごろ思ひつること、果たし侍りぬ。〈徒然草〉

      現代語訳 長年望んでいたことを、成し遂げました。

      《解説》

      古文の「としごろ(年ごろ/年頃/年来/年比)」は、「長年」や「数年」と訳します。

      「ころ(ごろ)」は一定の長くまとまった時間を表しているため、
      「日ごろ」=「数日」、「月ごろ」=「数か月」といった単語や現代語訳があることも併せて知っておくと便利です。

      けしき(気色)【名】様子

      例文 切(せち)にもの思へる気色なり。〈竹取物語〉

      現代語訳 しきりに物思いにふけっている様子である。

      《解説》

      「気色」と書いて「けしき」と読みます。「きしょく」ではないので注意してください。

      「けしき」と聞くと、「景色(=風景という意味)」を思い浮かべてしまうかもしれません。

      ただ、自然だけではなく、目に見える人間の様子にも使われることがポイントです。

      「けしき」には「機嫌」や「意向」など、外見→内面の意味の広がりもありますが、まずは「様子」という意味を押さえてみましょう。

      あまた(数多)【副】たくさん・数多く

      例文 女御・更衣あまたさぶらひ給ひけるなかに、〈源氏物語〉

      現代語訳 女御・更衣がたくさんお仕えなさっていたなかに

      《解説》

      「あま」=「余る」という由来があるように、「あまた」には「あまるほどたくさん」という意味があります。

      「引く手あまた」(=誘いが多い)といった言葉が使われていたり、漢字で「数多」と書くことから、現代語訳はイメージしやすいと思います。

      あはれなり 【形動ナリ】しみじみと感じられる・感慨深い

      例文 烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。〈枕草子〉

      現代語訳 からすがねぐらへ帰ろうとして、三羽四羽、二羽三羽と飛び急ぐ様子さえも、しみじみと感じられる。

      《解説》

      「あはれ」は、心にジーンと来たときに思わず出てしまう言葉「ああ」が由来です。

      「あはれ」=「かわいそう」というイメージを抱いてしまうかもしれませんが、
      思わず「ああ」という声が出てしまう様々な感情に対して、主観的な表現である「あはれなり」が使われていました。

      文脈によっては「悲しい」「嬉しい」「かわいらしい」など、より具体的な現代語訳となることもあります。

      「あはれ(なり)」=現代の「エモい」と似たニュアンスだと考えると、理解しやすくなるかもしれません。

      をかし(招かし)【形シク】①趣がある・風情がある・風流だ ②美しい・かわいい
      ③すばらしい・すぐれている ④興味深い・おもしろい

      例文 まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。〈枕草子〉

      現代語訳 まして雁などが連なって飛んでいるのが、とても小さく見えるのは、たいそう趣がある。

      《解説》

      「招かし」という漢字からわかるように、本来は「自分の近くへ招きたい!」と思ってしまうほど、好ましいという意味があります。

      感情的な「あはれなり」とは対照的に、「をかし」は知的な興味を表現した言葉です。

      後に「滑稽だ・おかしい」といった意味も持つようになりますが、
      「をかしの文学」と言われる『枕草子』をはじめ、基本的には明るいイメージの言葉として使われることが多いです。

      硯と筆

        4. テストから大学受験まで!おすすめの古文単語帳5選

        ここからは、テストから大学受験まで使えるおすすめの古文単語帳をご紹介していきます。

        どれを買えばいいか分からないから何冊か買っちゃうという気持ちもすごく分かりますが、まずは1冊と「とことん向き合う」ことが大切です。

        ぜひ、自分に合った1冊を見つけてください!

        マドンナ古文単語230 パワーアップ版

        価格:990円

        出版社:学研

        見出し語数:230語

        《特徴やポイント》

        「マドンナ古文単語230 パワーアップ版」は、語源や場面などを丁寧に説明し、記憶として定着させるための工夫が散りばめられています。

        重要単語以外を現代語にした例文も大きな特徴で、重要単語への意識が強くなり、より理解がしやすい工夫がなされています。

        別冊として単語カードがついている点も嬉しいポイントです。

        読んで見て覚える重要古文単語315

        価格:902円

        出版社:桐原書店

        見出し語数:315語

        《特徴やポイント》

        「読んで見て覚える重要古文単語315」は、分かりやすさ・覚えやすさにこだわった単語帳です。

        簡潔で分かりやすい説明はもちろん、それを具象化したイラストや、ポイント整理に役立つ図式も豊富な点がポイントです。

        タイトルにあるように、読む・見るによって実感を伴った理解ができ、記憶に残りやすい工夫がなされています。

        古文単語330三訂版

        価格:902円

        出版社:いいずな書店

        見出し語数:330語

        《特徴やポイント》

        「古文単語330三訂版」は、読解必修語や入試必修語などの章に分かれており、段階的に知識を積み上げられる学習のしやすさが特徴です。

        言葉をイメージしやすくするための「key」、学習するうえで注意すべき点を記した「point」のほか、
        イラストや図解、入試情報や練習問題なども豊富です。

        古文単語を様々な角度から反復学習し、より立体的に理解していくことができます。

        古文単語ゴロゴ プレミアム+

        価格:1,100円

        出版社:スタディカンパニー

        見出し語数:565語

        《特徴やポイント》

        「古文単語ゴロゴ プレミアム+」は、ゴロ合わせとイラストによって、入試必須の古文単語を楽しく覚えやすくした単語帳です。

        全ての単語にイラスト・例文がついているほか、巻末には「文法ゴロ合わせ」「古典常識」も掲載されています。

        古文に苦手意識がある人も、イラストを見て音読することによって、より効率的に古文単語を暗記することができます。

        GROUP30で覚える古文単語600

        価格:1,100円

        出版社:語学春秋社

        見出し語数:600語

        《特徴やポイント》

        「GROUP30で覚える古文単語600」は、「日常動作ワード」「恋愛ワード」など、単語をグループに分けている点がポイントです。

        単語を覚える→単語使えるようにするための応用力も身につく構成となっています。

        ★の数で出題頻度が示され、入試によく出る現代語訳にフラッグマークがついているなど、効率よく学習を進めるための工夫がなされています。

        そのほか、国語(現代文・古典)の参考書を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
        →大学受験におすすめ!現代文・古文・漢文のレベル別参考書を紹介!

          古文単語のまとめ

          今回は、古文単語に役立つ情報、おすすめの単語帳をご紹介しました。

          古文単語は「何個覚えよう」といったように「数」にとらわれてしまうと、計画通りにいかずに心が折れてしまうこともあります。

          まずは時間を決めて、その枠で「覚えられる分だけ覚えてみよう」という意識で進めてみてください。

          単語の意味が分かるようになると、古文に対する見方や意識も少しずつ変わっていくはずです。

          最後までご覧いただきありがとうございました!

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          この記事の執筆者

          ニックネーム:受験のミカタ編集部

          「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している「受験応援メディア」です。