ローレンツ力を慶應生がイラストで丁寧に解説!円運動との関係も!

物理 2017.1.19
ローレンツ力を慶應生がイラストで丁寧に解説!円運動との関係も!

高校物理におけるローレンツ力について、スマホでも見やすいイラストで解説します。

物理が苦手な人でもローレンツ力が理解できるように、慶應大学に通う筆者が丁寧に解説します。

ローレンツ力は、センター試験や定期テストでもよく出題されるので、ぜひ理解しておいてください。

本記事を読めば、ローレンツ力とは何か・ローレンツ力の向きと大きさ(公式)・ローレンツ力と円運動の関係が理解できるでしょう!

ぜひ最後までお読みください。

 

    1:ローレンツ力とは?イラストでよくわかる!

    まずはローレンツ力とは何かについて解説します。

    ローレンツ力とは荷電粒子が磁場中を運動するときに磁場から受ける力のことです。

    ※荷電粒子とは、電荷を持つ粒子のことです。

    例えば、下のイラストのように、電荷q[C]の電荷粒子が、速度v[m/s]で磁束密度B[T]の磁場中を、磁場と垂直な向きに運動するとき、電荷粒子にはローレンツ力F[N]がはたらきます。

    ローレンツ力とは何かの解説画像

    ローレンツ力のイメージができましたでしょうか?

     

      2:ローレンツ力の力の向き

      ローレンツ力の力の向きを調べるには、フレミングの左手の法則と同じように、左手を使います。

      ※フレミングの左手の法則を忘れてしまった人は、フレミングの左手の法則について解説した記事をご覧ください。

      電荷粒子の速度が左手の中指、磁束密度が左手の人差し指、ローレンツ力の力の向きが左手の親指です。

      ローレンツ力の力の向き解説画像

      ただし、これは電荷が正のときの場合です。

      電荷が-q[C]のように負の場合、ローレンツ力の力の向きは、フレミングの左手の法則を適用した後の親指と反対向きになります。

      ローレンツ力の力の向き解説画像

      フレミングの左手の法則において、速度が中指、磁束密度が人差し指、ローレンツ力の力の向きが親指であることをしっかり覚えておきましょう!

       

      3:ローレンツ力の大きさ(公式)

      ローレンツ力がどの向きにはたらくかがわかったところで、実際にローレンツ力の力の大きさを求めてみましょう。

      下のイラストのように電荷q[C]の電荷粒子が、速度v[m/s]で磁束密度B[T]の磁場中を、磁場と垂直な向きに運動するとき、電荷粒子にはたらくローレンツ力の大きさF[N]は、qvB[N]となります。

      ローレンツ力の大きさ解説画像

      電荷粒子が磁場と垂直な向きに運動するときは、

      F = qvB で良いのですが、毎回磁場と垂直な向きに運動するとは限りません。

      電荷粒子の運動が磁場の方向となす角をθとするときの電荷粒子にはたらくローレンツ力の大きさF[N]は、qvB・sinθ[N]となります。

      ローレンツ力の大きさ解説画像

      電荷粒子が磁場と垂直な向きに運動するときはθ=90°より、sinθ=1となるので、F=qvBとなるわけですね。

       

        4:ローレンツ力と円運動

        電荷粒子が磁場に対して垂直に飛び込んだ場合を考えてみましょう。

        フレミングの左手の法則を活用すれば、速度と垂直な向きにローレンツ力を受けることがわかりますね?

        電荷粒子が磁場に対して垂直に飛び込んだ場合の画像

        速度の向きが変わっても(どの角度から磁場に対して垂直に飛び込んでも)、ローレンツ力は常に速度と垂直な向きに働きます。

        すると、電荷粒子は磁場に垂直な平面内で等速円運動をします。

        電荷粒子が等速円運動をする画像

        電荷q[C]の電荷粒子が磁束密度B[T]の磁場に垂直に飛び込んだ場合を考えましょう。

        すると、電荷粒子にはたらくローレンツ力F[N]は

        F = qvB[N] です。

        電荷粒子はこの力を向心力として等速円運動をします。

        ※向心力があまり理解できていない人は、向心力について丁寧に解説した記事をご覧ください。

        円運動の半径をr[m]として、運動方程式を立てます。

        ※運動方程式を忘れてしまった人は、運動方程式について解説した記事をご覧ください。

        ローレンツ力と円運動の解説画像

        m・v2/r = qvB

        となりますね。

        以上がローレンツ力と円運動の関係式になります。とても重要な関係式なので、ぜひ覚えておきましょう!

         

          5:ローレンツ力の練習問題

          最後に、ローレンツ力に関する練習問題を用意しました。ぜひ解いてみましょう!

          もちろん、丁寧な解答&解説付きです。

          練習問題

          下の図のように、電荷-10[C]の電荷粒子が、速度5[m/s]で磁束密度50[T]の磁場中を、磁場と45°の角をなしながらに運動している。

          この時、電荷粒子にはたらくローレンツ力の向きをと大きさFを求めよ。

          ローレンツ力の練習問題画像

          解答&解説

          まずはローレンツ力の向きから解説していきます。

          フレミングの左手の法則を使えば良いのでした。ただし、電荷が-10[C]でマイナスであることに注意してください。

          電荷がマイナスですので、親指の向きとは反対側にローレンツ力がはたらきます。

          ローレンツ力の練習問題解説画像

          次に、ローレンツ力の大きさを求めましょう。

          ローレンツ力の公式より、

          F

          = qvB・sinθ

          = -10・5・50・sin45°

          = -10・5・50・1/√2

          = -2500 / √2

          力の大きさは正なので、

          2500 / √2・・・(答)

          となります。

           

            ローレンツ力のまとめ

            いかがでしたか?

            ローレンツ力とは何か・公式・円運動との関係が理解できましたか?

            特に、電荷粒子が負の時は、親指と反対の向きにローレンツ力はたらくことに注意しましょう。

            ローレンツ力を忘れた時は、また本記事で復習してください!

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            この記事の執筆者

            ニックネーム:受験のミカタ編集部

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