第二宇宙速度とは?求め方もイラストで即理解!よくある疑問も解消!
高校物理における第二宇宙速度について学習しましょう!
スマホでも見やすいイラストを使って、慶応大学に通う大学生が第二宇宙速度とは何か・求め方(公式)について解説します。
物理が苦手な人でも第二宇宙速度が理解できるように丁寧に解説しています。
また、本記事では、よくある疑問としてあげられる第一宇宙速度との違いについても解説しています。
ぜひ最後まで読んで、第二宇宙速度とは何か・求め方(公式)・第一宇宙速度との違いをマスターしてください!
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1:第二宇宙速度とは?
まずは第二宇宙速度とは何かについて解説していきます。
地球(地上)から人工衛星を打ち上げる時の初速度の速さを考えてみましょう。
この時、ある一定内での初速度で人工惑星を打ち上げたなら、人工衛星はグルグルと地球の周りを回ります。
しかし、初速度があまりにも速すぎると人工衛星はどうなるでしょうか?
初速度が速すぎると、人工衛星は地球の周りをグルグル回るのではなく、地球の引力圏を脱出してしまい、人工惑星になってしまいます。
※人工衛星は地球の引力圏を脱出すると、太陽の周りを周ります。すると、人工衛星から人工惑星という名称に変わります。太陽の周りを回るのが惑星で、惑星の周りを回るのが衛星です。
このように、人工衛星が人工惑星となるために地球上で与えなければならない最小の初速度のことを第二宇宙速度といいます。
2:第二宇宙速度の求め方(公式)
それでは、実際に第二宇宙速度はどれぐらいの速さなのかを求めてみましょう。
人工衛星が人工惑星となるためには、地球の引力に逆らってはるか遠くの点まで行けるだけの運動エネルギーが必要です。
※運動エネルギーがあまり理解できていない人は、運動エネルギーについて詳しく解説した記事をご覧ください。
下のイラストのように、質量mの人工衛星を地球(地上)から初速度v0で打ち上げることを考えます。
また、地球の質量をM、地球の半径をR、万有引力定数をGとし、人工衛星(人工惑星)が地球の中心からrの距離に来た時の速度をvとします。
※万有引力定数Gがあまり理解できていない人は、万有引力について詳しく解説した記事をご覧ください。
ここで、力学的エネルギー保存の法則を使います。
※力学的エネルギー保存の法則があまり理解できていない人は、力学的エネルギー保存の法則について解説した記事をご覧ください。
1/2・mv02 – G・(mM/R) = 1/2・mv2 – G・(mM/r)・・・①
が成り立ちますね。
ここで、人工衛星が人工惑星となるには、地球からはるか遠い距離、つまりrが無限大(r=∞)にならなければいけませんでした。
rが無限大の時、G・(mM/r)は0になりますね。(限りなく0に近くなる)
よって、
①
= 1/2・mv02 – G・(mM/R) = 1/2・mv2
となります。
人工衛星が人工惑星となるには、地球からはるか離れた地点(無限遠)でv≧0となればよいので、
1/2・mv02 – G・(mM/R) ≧ 0
よって、
v0 ≧ √(2GM/R) = √2gR
となり、第二宇宙速度が求められました!
ちなみに、重力加速度g=9.8[m/s2]、地球の半径R=6.4×106[m]とすると、第二宇宙速度は
√2gR
=√(2×9.8×6.4×106)
≒ 11[km/s]
となるので、第二宇宙速度の具体的な速度(数値)としては、約11[km/s]になります。
ちなみに、第二宇宙速度(11km/s)はマッハ33です。
第二宇宙速度の求め方(公式)の解説は以上になります。
3:第一宇宙速度との違いとは?
よくある疑問として、「第一宇宙速度と第二宇宙速度の違いがわからない」というのがあります。
そんな疑問を解決しておきましょう!
第一宇宙速度とは、人工衛星が地球(地表)スレスレに回る時の人工衛星の速さのことです。
第一宇宙速度と第二宇宙速度は全然違いますね。
ちなみに、第一宇宙速度の速さは√gRで、第二宇宙速度の1/√2倍になっています。
第一宇宙速度についてもっと学習したい人は、第一宇宙速度について詳しく解説した記事をご覧ください。
第二宇宙速度のまとめ
いかがでしたか?
第二宇宙速度とは何か・求め方・公式、第一宇宙速度との違いが理解できましたか?
簡潔に言うと、第二宇宙速度とは、人工衛星が人工惑星になるのに必要な初速度のことでした。
ぜひ覚えておきましょう!